かぐらバックカントリー:霧の塔〜黒岩ノ平ルート【後編】滑走動画アリ〼

出発から2時間半ほどで霧の塔の北峰までやって来た。
三角に取り付いたあたりから呼吸に余裕が出てきてそのあとはシレッと辿り着けてしまった。
「なんだよ!取り越し苦労だったジャン!」なんてことが、ただの思い上がりであることを、このあと痛烈に思い知ることになるとは、この時の私が知る由もない。

さておき、ここまで来るのは12年ぶり。2013年にかぐら観光協会が開催したツアーに参加した時以来。
そんなこともあり、実はルートもうろ覚え。視界の良さにおんぶに抱っこの出たとこ勝負なツアー。
良い子は決して真似をしないように。

霧の塔からはとんでもない景色が広がっていた。
久々に心を洗われてしまった。立山にも負けないくらいの絶景。やるじゃん!新潟!
画像ではこの景観の凄さがまったく伝わらないのがなんとも口惜しい。
天気を見計らったわけではなく、Tくんの都合に合わせてこの日を選んだだけなのに。なんて幸運。

絶景を眺めながらのランチタイム。カップヌードルが三つ星の味に格上げされる。
これぞピクニックBCの面目躍如。

そうして正午頃にドロップした!
滑りの方は動画を撮ったのでそちらをご覧いただきたい。
今回はヘルメットにマウントしてみた。
※音楽が流れます。ご視聴にはご注意ください。

どう考えても今回のルート中の最高と言ってもいい斜面で、滑り出して5ターン目で重い雪に内足を取られてブッ転んだ。
って言うか、滑り出してから気づきましたが、足腰の滑り筋はすでに売れ切れていた・・・
登り筋と滑り筋は別バラではなかったようだ・・・あまりに情けない。

ただ、このあとバックカントリー滑走中での転倒によって大怪我を負ったスキーヤーやスノーボーダーのニュースが相次いだ。大怪我をする時というのは、何も急峻な岩場を滑る時だけではない。一見なんてことない斜面でのなんてことない転倒で負うものだったりする。
一見滑りやすそうな雪なのですが、オープンバーンで斜度があるため速度感が掴みずらいことに加えて、見た目と違ってかなり重い。いつもと同じように内足を捌こうとすると引っかかってしまう。ひとたびバランスを崩すと背中の荷物が飛んでいくように滑り手を追い越していくので、ゲレンデで同じように転倒するよりも勢いよく前転してしまう。そこに運悪く硬く固まったアイスバーンがあれば大きな怪我につながるだろう。
2年ぶりであることと、年齢的な衰えを差し引いても、スノーボードと乗り換えで滑っている私の場合、こうした雪の状況を滑る経験をある程度積んでおかないとならないということを痛感した。

滑った斜面を見返す。転んだ跡も残っていやがる。

その先に待ち構えていた斜面もバックカントリー冥利に尽きる素晴らしい斜面でありました。
とはいえ、ここまで標高を落とすと雪はかなり重めで、すでに足腰の筋力が売り切れていた私は、ターンごとに膝に襲いかかるGに耐えるので精一杯の状況。
ご覧のように若いTくんはニコニコ。聞けばこの時点ではまったく疲れを感じていなかったそうだ。
誠に裏山しい。

そのあとは沢のボトムを避けながら谷筋のハイラインをトラバースしてスキー場に戻る。
ここまで来るとストップ雪も混ざって来て尚のこと体力を削られる。
進むほどに沢は狭くなり、こういう疲れ切った状況で片斜面を細かくトラバースして帰らないとならない時に、スノーボードだと無駄に転んで貴重な体力を削ってしまうが、スキーならなんとかなるという自信を持てる。
そう思えることが私にとってスキーの一番良いところ。
私の場合、こうしたツアーコース的なラインには間違いなくスキーの方が合っている。

このあとコースに復帰し無事帰着した。
行動時間3時間半。標高差1,000m。
これでリフト一日券というのももったいないので、最後に1〜2本コースを滑ってから帰ろうとか思っていたのですが、ロープウェイの山頂駅に着いた時には、もう1mmも筋力は残っていなかった。返す返すも情けない。
他の山なら5〜6時間はケロッと行動できないと心許ないよな〜〜やっぱり登り筋は意識して鍛えておかないとダメなんだなあ。

登り始めの段階ではかなり苦しい場面がつづきましたが、喉元過ぎれば何とやら、こうして無事に帰着してしまえばまた登りたくなっている。
この緊張感とその解放の繰り返しがバックカントリーの醍醐味なんだよな〜〜〜やっぱり楽しいなあ〜〜

というわけで、第5ロマンスリフトの営業と登山管理ゲートの最終日となるこの翌週も、かぐらを登っておくことに決めた。お次はスプリットボードで行ってみよう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次