
またもや午後からぽかっと時間が空いてしまった。
前日から一日時間が空くと分かっても早朝から海に行ったり、滑りに行ったりする勇気は小心者の私にはないのだが、「午前中は対応した」と思えると、どういったわけか晴れ晴れと出かけることができてしまう。
こういう時に準備の必要もなくサクッと出発できてしまうオートバイがあれば、尚気持ちに弾みが付くというもの。
という逃避行な時間を活用して、誰が言ったか「関東最大のパワースポット」三峯神社に行ってみることにした。
関東最大以前に、ここは埼玉県民の奥座敷。
県民の私が行かなくてどうする。という場所なのですが、三峯神社に行くのは小学校以来。

まずは秩父を目指し、下道を西進する。
後ろにそびえるのはセメントの原料となる石灰岩の採掘が繰り返され、見るも無残な姿にされた武甲山。
経済発展の裏側にある現代の傷痕は原子力発電所の廃炉だけではない。とか言うのは簡単だが、この地域の暮らしを支えてきたことを無視して好きなことを言ってはいけない。とも思う。
この裏側には素晴らしい登山道が今もあるのだそうだ。

ここは中津川林道に向かうときに何度も走った場所なのですが、砂利道という目的地までの移動区間としてではなく、ここを走ること自体が目的である今回とでは、同じ道でも走っているときの気分は180°違う。
セッティングの進んだ足回りですが、突き上げが強い乗り心地は相変わらずながらもアンダー傾向の強いハンドリングはかなり改善されている。
ノーマルの時はリーンの開始で前タイヤのグリップの立ち上がりが遅く、それでいて屈曲の小さなコーナーだとアクセルを開けるとプッシュアンダーが出てしまうため、鼻先がなかなかコーナーの出口を向いてくれなかった。
今はリーンの最初から前タイヤが反応してスッと向きが変わりその時点からリアステアを開始してくれるので、アクセルを開けてリア荷重で車体を安定させることができる。
言ってもそれはロングホイールベースなりのものなのですが、ことさらに低重心化されたR18の場合、またひと味違ったコーナーワークを楽しむことができる。
特にここ秩父の道は舗装も良く、路面がスムースなので突き上げも抑えられ、その楽しみは倍加してくれる。


家から道の駅大滝温泉までは2時間ほど。
ここもまた程よい距離であります。

二瀬ダムの上を走る道が三峯神社観光ルートの入口。
ダム上は一車線ぶんしかないので約10分間隔の片側交互通行。
ギリで信号に捕まるとかなり長い時間信号を待たされることになる。



二瀬ダムから三峯神社までは9kmほど。
オートバイにとってもパワースポットな気持ちの良い道。ちなみに三峯神社の駐車場はオートバイ¥210。
ここ三峯神社は日本武尊(やまとたけるのみこと)が、伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしたのが始まりと伝わる。
狐様が祀られるべき場所に、何やら眼光鋭い別の生き物が祀られていて、ちょっとした圧迫感を感じるほどのご威光があったのですが、調べると日本武尊を道案内した狼なのだそう。


駐車場から10分ほど坂を歩くと隋神門。
門番のように左右に鎮座するのが狼様。

隋神門をくぐり、見上げるばかりの杉並木を抜けたところに拝殿、その奥に本殿がある。


拝殿の両側に巨大な御神木が2本、図ったように祀られている。
というよりも、この2本の御神木を中心に三峯神社全体が設計されていると言った方が正しいのだろう。
この2本の杉の樹の放つパワーが、関東最大のパワースポットと呼ばれる所以となっているのだそう。
とか言われるまでもなく、とにかく威厳がすごい。

もちろんおみくじも引かせていただく。
いつもなら社務所で交通安全のお守りなんか買って帰るのですが、今回は仕事中ということもあり、商売繁盛の御札を買って帰ることにした。これは通常業務の経費ですね。


まだ紅葉には早く葉もまだまだきれいな緑色でしたが、パワーをいただきに来た私としてはそれはそれでエネルギーに満ちて見えました。


隋神門の正面奥には奥宮遥拝殿があり、

遠く秩父の街並みを臨むことができる。
雲海も見られるというなかなかの絶景スポット。ここ必見です。
それにしてもエリア全体から得も言われぬ波動のようなものを感じてしまう。
こういう体験も、人の多い休日ではなく、人影まばらな平日の午後だからこそなのだろうが、それにしても「何かある感」がスゴい。
包み込まれるようなやつじゃなくて、気圧されるようなやつ。
だからと言って重苦しいとかではなく、背筋がぴーんと伸びてしまうような、そういうやつ。

帰り道に小さい秋を見つける。


もちろんそのまま帰らずに秩父往環道路で奥秩父もみじ湖を一周するようにして秩父市街に戻った。

こちらは滝沢ダムの前に架かるループ橋。
R18でループ橋に差しかかることがやたら多い気がするのは、私がそういう場所を選びがちだということなのだろう。
往復240km。
昼に家を出て、戻ったのは19時。
午後の業務終了であります。
いただいた霊験あらたかなパワーで次の仕事もバリバリと片付けていきませう!
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