タイヤの直径が増えたのだから、サイドスタンドの長さを調整しないと駐車時に車体が傾き過ぎることは、ちょっと考えれば分かりそうなことなのですが、想像力に欠ける私は実際にタイヤの交換を済ませるまでその事に気づかなかった。無駄遣いが次の無駄遣いを呼ぶまさにカスタムの玉突き事故。
90/80-17から、3.00-17に換えることで約1cmタイヤハイトが高くなり、そのぶんサイドスタンドを使用した停車時の車体の傾きが増えてしまった。
空荷であれば無視できなくもない不具合なのですが、トップケースに荷物を多めに入れていると話は違って、軽い車体の重心位置の高い場所に重量物が来ると、荷物を収めてバイクに跨がるまでの短い時間も気が気でなくなるような、かなり不安定な状態に陥ってしまう。
ハンターカブでキャンプツーリングを楽しまれる方も多く、大荷物の積載を可能にするために追加する補助のサイドスタンドも出回っているくらい、軽量で重心位置の高い車体構成を持つハンターカブは、停車時の車体の傾きに対して神経質な一面を持っている。
どうやらサイドスタンドの取り付け位置が前過ぎるようで、後ろが重くなると前タイヤが浮いて後ろ側に倒れてしまうらしく、取り付け位置を5cmほど後ろにオフセットさせるためのブラケットも売られていたりする。
どうやらセンタースタンドの位置を優先して、それを避けるようにサイドスタンドの位置が設定されているためどうしても不安定になってしまうようだ。つまり横着しないでセンタースタンド使えよ。というメーカーからのありがたいメッセージが籠められているわけだ。
そんなハンターカブなので、長さを調節できるサイドスタンドなんかもトーゼンのように手に入る。
この『G-Craft ワイドアジャストスタンド』を選んだのは、作りも良い上に価格がお手頃だったから。
接地部に下駄を履かせるパーツならもっと安く手に入るのですが、それで長さが足りるのか分からなかったことと、何よりカッコ悪いので却下。
リターンスプリングの取り付けが面倒そうなことを除けば、たかだかボルト一本で留められているだけなので作業は5分程度だろうと思っていたら、このボルトがメッチャ硬い。
どういった理由なのか、通常の2/3程度の高さしかない低頭ボルトが使用されており、ややこしいボルト位置と併せて、レンチに力が掛けづらくなっている。
柄の長いトルクレンチをもってしても、一筋縄には行かないシロモノであった。
「うわ〜〜マジかよ〜〜」
緩み止めが強くかかっていることも想定されるので、バーナーで炙ってみたら?とか、頭を抱えること約10分。
試しにマキタ(中華のパチモン)のインパクトレンチを使ってみたら、いとも簡単に外れてくれた。
こういうときに「インパクト」の大切さを思い知る。
ボルトは捻るのではなく、叩いて回すのであります。
さておき、助かった。
インパクトレンチの右にあるのはテンションスプリングの脱着に使うフック。
これがなくても脱着はできるとは思いますが、あるのとないのとでは大違い。ゼッタイにあった方が良い。
手荒い使用によって曲がってしまっていますが、これはその昔、どこかの社外マフラーを買ったときに付属してきたもので、未だに重宝している。道具ってほんと大事。
装着を完了し、長さを調整して気がついた「これ、ローダウンさせたい人のためのパーツだ」。
短くさせる方に余裕が持たされていて、長くさせる方は残念ながらノーマル比+2cm程度が限界。
そういえば、ハンターカブの足つき性の悪さを指摘する人が意外に多いことを思い出した。
サイドスタンドの対策部品と同様に足つき性を良くするためのパーツも多く目にする。
それでもこれくらいには車体の傾きを抑えることができた。
とはいえまだ重い物を積むと不安定になる。
車体が軽いからある程度は仕方がないのかなぁ〜〜
大型の台座がなんとも頼もしく見えるが、JA65から変更されたノーマルのサイドスタンドの台座もかなり頼もしいのであくまでも現状維持でしかない。
サイドスタンドセンサーが使えなくなるとの説明書きがあったが、私のJA65ではそのまま使えた。
サイドスタンドセンサーをキャンセルするためのパーツも出ていたりするのですが、ニュートラルに入っている状態であればサイドスタンドがかかっていてもエンジンを始動することができるので、私はその必要性をまったく感じない。JA65からキルスイッチが廃止されたので、ギアが入っている状態でサイドスタンドを出すとエンジンが停止するのでむしろ便利。
こちらには畳まれた状態から引き出しやすくするための足かけがなく、畳むと内側に引っ込んでしまうため、サイドスタンドがかなり出しづらくなってしまった。
足かけの付いているアジャスタブルタイプのパーツもあるのですが、そちらは倍近く高価。
足かけを何かで代用しようかとも思ったのですが、代用品を探しているうちにこれに慣れてしまった。
今ではノールックでサイドスタンドを出せるようになった。まさに習うより慣れろ。って、違うか。
というわけで、無事センタースタンド使用時の車体の傾きは補正された。
とかいうことに気をよくして、案の定カスタムの玉突き事故はまだまだつづく・・・
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