ハンターカブがやって来た

出物を探して右往左往していたことがまるでウソのように、契約から一週間も経たず、ハンターカブはとんとん拍子でやって来た。
「納車まで最低でも1ヶ月くらいは待つのだろう」とか思っていたので完全な拍子抜け。
「梅雨が明ける頃に」という目算は良い方にハズレて契約からわずか4日でナンバーを交付して、5日後には晴れて納車となった。「新車だと待たされて中古なら即納」という思い込みの落とし穴にズッポシと填まっていた。
車種にもよるだろうし、梅雨入り前の需要が高まる前だったり、要はタイミングなのだろうが、新車の方がよっぽど納車が早かったのは目からウロコ。

今回ハンターカブを購入したのは隣町のお店なので、店まではヘルメットを抱えて路線バスで向かった。
中古を探していたときは「静岡くらいまで捜索範囲を広げないと希望の車輌は手に入らないかな?静岡くらいまでなら受取りに行ってもいいかな?」なんて思っていましたが、これもとんでもない勘違いだった。と、たかだか30分のバスの乗車時間で充分移動疲れしている自分に気づきながら思う。

納車と言えば「待ちに待った」みたいな展開が相場だと思うが、そんなわけでAmazonで何か買うときみたいなコンビニエントな展開。感動が薄い気がしなくもないが、こういったサクッと効率的な買い物も悪くない。って言うか大好き。

格安販売店であることのデメリットに関して言えば、もちろん「実は並行輸入車でした」なんてオチもなく、国内正規品だった。あえて言えば、キレイに埃を拭き取ってくれていなかったコトくらい。
ということは、納車整備の内容についても疑わざるを得ないが、エンジンも掛かるし、ヘッドライトもウィンカーもブレーキランプも点いているし、部品や書類が足らないなんてこともないし、油脂類も規定量入っている。納車整備と言っても、それらのチェック以外にやれることと言えばネジの増し締めくらいなので、それなら自分でするから私は気にしない(実際まあまあ緩んでいた)。ちなみにメーカー保証と初回点検、盗難補償がちゃんと付帯する。
思い切って格安店で買ってみて良かった。かなり得したキブン。

さておき、この『ターメリックイエロー』を実際に目の当たりにするのはこれがはじめて。
現物を見ずにポチッといけてしまう自分が怨めしくも誇らしい。
さておき、想像よりもマンゴー方向の黄色だった。
レモン系のイエローだったらどうしよ・・・とか心配だったので良い方向に転んでくれた。
とても良い色だと思う。

そうした色の再現性や、そのための塗装の質の高さ、そして、安易にメッキパーツに逃げたりせずにパーツの質感にもよく目配りされているコトが良く分かる。
通常価格44万円って、かなりのバーゲンプライスなのではなかろうか。
タイ・ホンダが製造を受け持っているらしいが、そうした地道なコストカットによって成立しているのだろう。
正直に告白すれば、カブの聖地、熊本工場で作っていて欲しかったが、それで10万円値が上がってしまうのなら、タイ生産もやむなし。

ハンターカブの見た目は決して悪くはないが、かと言ってシビれるほどカッコイイわけでもない。
でも、アシグルマとして見たときにこれほど質実剛健なノリモノが他にあるだろうか。
良いオートバイを買ったというより、良い買い物をしたという思いの方が強い。

違和感があるとすればそれは“きれいすぎる”こと。ピカピカのカブってどこかイメージと違う。
もっと使い込んだ古着感があった方がハンターカブには似合う気がする。
かといってわざわざ汚す気も起きないので自然な経年劣化を楽しもうと思う。

ちなみに、このハンターカブとは残りの人生一杯まで付き合う覚悟。
免許返納のそのときに、乗っているのはきっとこのマンゴーカブだろう。
今回はそこまで見越した買い物。

500kmほど慣らし運転はするつもりなので、刷新されたという新エンジンをインプレする段階にはないのですが、良い意味でも悪い意味でも、すでに以前テストライドしたときとは印象が違っている。
「あれ?」と思わせる部分もないではないが、距離を重ねるうちにそんな印象も変わってくるだろう。
慣らし中のためまだ速度上限を60km/hに定めて走らせておりますが、幹線道路でクルマに真横をビュンビュン抜かれるのがかなり怖い・・・っていうか屈辱的だ。
一刻も早く70km/hくらいまで速度を上げられるようになりたい。
とはいえ、500kmなど日帰りツーリングで走破してしまうR18とは違い、コミューターとして手に入れたハンターカブで500km走るのは決して容易なことではない。原付二種の慣らし運転はストレスの大きいそこそこの大仕事だと初めて気づいた。

そんなハンターカブの実用燃費は63.7km/L。わずか7.8Lで慣らしが終了してしまう計算になる。
やっぱり世界のカブはスゴイ。

といった具合に新たな相棒との時間はあっさり動き出した。
手を加えたいと思う部分はすでに購入前からあるにはあるのですが、基本アシグルマだし「ノーマルのままでいこう」とか思っていたのですが、ハンターカブのアフターパーツの豊富さにはホント目を見張らされる。
しかも、所詮125cc用のパーツなのでそもそもが安価。
中古車市場ではタマ数が少ないのに、なぜかフリマサイトに出て来る中古パーツは飽和するほどタマ数豊富。
みんなパーツを取っ替え引っ替えカスタムを楽しんでいるのだろう。
そうとなれば私もカスタマイズを楽しまないテはない。
というわけで、慣らしも済まない段階から家にダンボール箱が山積みになっている。
カスタムに関しても随時お知らせしていこうと思う。

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