ハンターカブのホイールをリム幅1.85インチのものに交換した話はしましたが、一緒に着いてきた3.00サイズのタイヤが、というよりチューブがスローパンクチャを起こしているようで、いくら空気を入れてもだんだんと空気圧が下がってしまうようになっていた。
もちろんチューブを交換すれば良いのですが、タイヤのウェットグリップにも少なからず不満があったので、いっそタイヤも交換してしまうことにした。
というのは半分ウソで、この『RCB Racing Boy 1.85×17』ホイールに交換した時からいつかはブロックタイヤを履かせたいと思っていた計画が、単に前倒しになっただけだ。
タイヤはHP2 Enduroの時に使ってみて、そのコスパの良さに惚れてしまったのでメーカーはSHINKO一択。
インチ展開されているチューブタイヤの『SR244』に即決定。
ノーマルは前後サイズとも2.75サイズ。この1.85インチリムのホイールには前後とも3.00サイズのタイヤが装着されておりましたが、今回は前後でサイズを変えてフロント3.00、リア3.25にしてみた。
んで、いろいろ調べましたが、実店舗のあるタイヤショップで買うとやっぱり高い。
ネットで買うとリアル店舗の半値以下。もう比較以前の問題。
なぜ同じものの値段がこうも違うのか。
これはネットとリアルの違いという一言で片付けることのできない大きな問題。
商業構造の問題だと思う。
安く買えたからソレで良いという話ではない。オートバイタイヤ屋さんの存続、強いてはオートバイ文化の存続に関わる問題だ。って、私が言えた義理ではないのですが。
例によって持ち込み交換をお願いできるタイヤ屋さんに交換作業をお願いしようとしていたのですが、そんな大義について考えていたら「自分でタイヤ交換しよう」と、急に気が変わった。
オフロードを走るにおいては現地でのパンク修理技術は必須。
チューブタイヤを履くHP2 Enduroであれば尚のこと、タイヤを脱着してチューブを引き出すことができないとパンク修理ができず、場合によっては下山することもできない。オフロードライダーの最低限の嗜みとして、私もタイヤ交換くらいはできるよう心がけてはいたのですが、正直に言って、タイヤ交換は得意ではない。
タイヤ交換はビードを剥がすための力技が必要になる反面、チューブを傷つけたり皺を寄せたり、偏ったりしないように作業をする繊細さも兼ね備えていないとならないのですが、力を最大級に加えた状態での繊細な作業が、私は滅法苦手。
HP2 Enduroのタイヤサイズではトラウマレベルの失敗という名の練習と、教材という名のチューブの買い直しを何度も繰り返してきたのですが、このサイズなら私でもイケるのではないか?と思ってしまったことが、急な心変わりの原因。
そうして火中の栗を拾いにいってみると、大型車のタイヤだとまあまあ苦労するビードを落とす作業も超ラクで、ほとんどアッサリといった感触でタイヤを外すことができてしまった。
ちなみに、前夜から交換するチューブに空気を入れてシワ取りをしておくのはへそ曲がり流。
もちろんリムバンドも併せて交換。っていうか、ネットで買うとチューブとセット売りの場合が多い。
タイヤ交換のための道具は携帯性に優れたツーリング用の物ですが、今でも一揃え持っていて、中でもこのチューブのリムバルブにワイヤーを着けてホイールのバルブ穴から引き出しやすくする工具は、とても細かいモノですが、あるとないとじゃ大違いの便利グッズ。
そして、ホイールにタイヤを嵌めるのもラクだった。
やっぱりこのサイズのチューブタイヤはビードも柔らかいし、タイヤレバーの操作にほとんど苦労がない。
ポコポコとビードがリムに納まっていってくれるので、チューブに対する注意も並行して維持できる。
まさに案ずるより産むが易しの展開でありました。
空気は自転車用のポンプでも規定値を上回る空気圧まで入れることができる。
念のため近所のガソリンスタンドまで走って行って、一旦4.0 kg/cm2くらいまで空気圧をかけてビードを上げてやってから通常の空気圧に戻す作業をしておく。
そうして作業は無事終了。ガソリンスタンドからそのままテスト走行に出た。
例によってブロックタイヤの乗り心地はキッパリと悪いのですが、SHINKOのブロックタイヤはタイヤパターンが発生する振動で手が痺れるようなこともない。一般道を考えたとても良いタイヤだ。
そのためいたって小型車的な平安な乗り心地。
そして、今回は前後タイヤの幅を変えたことでリーンのし始めがより一般的なフロントから入っていく作法に変わってくれた。ただ、「より自然に」ではなく「より一般的な」とか言っているあたりで私の心情を汲んでいただきたい。
ハンターカブは、小型車らしい日常使い性能と、ツーリングなど趣味性の高い使われ方ができる性能の、双方のいいとこ取りをしているモデルだとも言えるが、それはつまり中途半端だとも取れる。
近距離走行を中心に考えている私としては、もうちょっとオンロードでの楽しさに振って欲しいところなのですが、そうしたことはスーパーカブやDAX、GROM、もっと言うとCB125Rを選ぶべきだということが、ハンターカブを所有してみてよく分かった。一応言っておきますと、ブロックタイヤでもオンロードを楽しく走ることはできますので、タイヤへの依存性について話しているのではなく、あくまでも車体の基本性能についての見解です。
近所の畦道も走らせてみましたが、ハンターカブはやはりダート路の方が主戦場の印象が強い。
そんなハンターカブにダートでのグリップ感や安心感がノーマルタイヤの5倍増しとなるブロックタイヤを装着すれば、積極的に砂利道に入っていきたくなるレベルとなるのは必然と言える。
とはいえ今回はハンドリングをウンヌンするためのタイヤ交換ではなく、あくまでも見た目重視のカスタマイズ。そうした本来の主旨に則って見れば、狙い通りにかなりオトコマエな風貌に変わってくれた。
ちなみに、タイヤハイトが上がったため、センタースタンドをかけてもタイヤは前後とも1mmも浮かない。
それ以外にも完全なオーバーキャパシティとなるためあちこちに皺寄せが出ている。
タイヤが届いた時点でフロントフェンダーの幅が狭すぎて使えないことがすぐに判明。
ノーマルのフロントフェンダーはガッチリした鉄製で、フロントフォークのスタビライザーの役目を果たしてくれていたであろうことに加え、塗装もキレイでとても好きなパーツだったので流用できないのはとても残念。
ノーマルフェンダーの幅に納まりそうな2.5サイズにしておけば良かったかなあ。と思っても後の祭り。
ただ、フロントフェンダーのない見た目がまたワイルドでこれはこれで悪くはない。
そして、一番の問題はリアタイヤがフェンダーに当たりまくること。
そのため、高荷重を掛けるなど充分なテスト走行もできなかった。
仕方がないのでタイヤと干渉する部分のリアフェンダーをカットすることにした話はまた来週。
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