慣らしも終わったのでここらへんでハンターカブのファーストインプレッションでも(進行中のカスタム計画もチョイ見せします)

500kmの慣らし運転が完了し、少しずつエンジンに負荷をかける段階まで来たので、まずはここでファーストインプレッションをお届けしておこうと思う。
私の感想は基本的に以前『HondaGO Bike Rental』で借りたJA55との比較が中心になっています。

JA55からJA65への変更点は多岐に渡る

JA65への変更点で一番のトピックは、ほぼ新設計と言われるエンジンJA65Eだろう。
ボア×ストローク:52.4×57.9mmの124ccから、50.0×63.1mmの123ccに変更され、圧縮比が9.3から10.0に、最大出力は6.5kW(8.8PS)/7000rpmから、6.7kW(9.1PS)/6250rpm、最大トルク(11N・m(1.1kgf・m))の発生回転数は、4,500から4,750rpmに変更されている。
最大トルクの発生回転数が上げられていることと、減速比(1次/2次):3.350/2.785から、3.421/2.714に下げられている点が私的注目点。燃費性能の向上が目的のロングストローク型への変更かと思いきや、燃焼消費率(WMTCモード値)は67.2km/Lから63.7km/Lへとむしろ下げられていた。
これはたぶん厳しさを増す排ガス規制に対応させるため、常用域の燃焼効率を上げて排ガス濃度をコントロールするための数年先を見据えた変更だと思われる。
とはいえエンジン性能、中でもエクセルレスポンスや、トルクレスポンスといった官能性能を低下させてまで行わないはずなので、その双方を満たすアップデートだと推測される。という勝手な希望的観測。

車体側に関しては問題点の修正と、使い勝手の向上が主だったところで、目立ったところでは変更がないのですが、細かい所では重要な変更が施されていて、中でもうれしかったのはシフト・シャフトの剛性アップ。
ハンターカブには『シフトガイド』と呼ばれるシフト剛性を高めるアフターパーツがあり、納車前には私も是非取り付けてみたいと思っていたのですが、私のハンターカブは剥き出しだったはずのシフトロッドを覆うようにエンジンケース自体が延長され、シフトガイドの必要がなくなっていた。
この修正がいつから施されたのか私には分からないが、こうした気の効いたマイナーアップデートが確認できるのは、他にも目に見えない部分が改善されていることが窺い知れて、オーナーとしてはとてもうれしい部分。

4速が使えるようになっていた

100kmまでの走り始めはあからさまにエンジン内のバリが落ちていない印象で、回転が重いと言うより回りたがらないくらい貧弱な感じであった。
「そのうち熟れてくるだろう」とは思いつつも「もしかしてハズレ車輌か?」と心配にもなりましたが、だんだんと軽い印象に変わっていってくれた。
その時点ですでにHondaGO RENTALで借りたJA55の印象よりも引っかかりのないローフリクションな感触が伝わって来ており、安心を通り越してこれからのエンジンの成長に大きな期待を持つことができた。
私が借りたJA55は3速と4速のギア比が離れすぎており、4速に入れるとトルクがついて来なくなっていた。
そのため3速を主に使うことを余儀なくされたのですが、’24モデルのJA65では4速でも充分なトルクが確保されていて、70km/hくらいのパーシャルスロットルからでも加速するはっきりとしたトルク感があった。
1〜2速は走り出し以外では使いでのない“捨てギア”で、3速〜4速をクルージングギア、加えて4速をオーバードライブとして使えるほど柔軟なトルク特性に変わっていた。
これはエンジン特性だけではなく、ギア比の設定にも変更があったものと思われる。
私が借りたJA55の車体がまだ慣らし中だった可能性や、個体差であることも考えられるので、あくまでも参考程度に留めていただきたいが、JA65でも3速以外は使い物にならないだろうとか思っていたので、オーナーとしてはこれが一番うれしい誤算となった。

最高速はメーター読みで●●km/h

あまり大きな声では言えないが想像以上の数値が出た。下り坂ではなく平地での数値。
ただ、最高速までにかかる時間は感覚値で10秒以上必要になるので、出す気になってアクセルを煽りつづけないと出ない数字。つまり現実的、もしくは実用的なものでは決してないのですが、素直にウレシイ。
同じ125ccでも、無段階変速のスクーターの方がアクセルを開けっ放しにしていれば良いだけなのでスタートダッシュは速いのだけれど、最後はまくれる感じ(直線が長ければ。ですが)。
実用域は50〜75km/h。とはいえ60km/hあたりで走らせるのが一番気持ち良い。幹線道路で周りに迷惑をかけないために一旦75km/hくらいまで加速させる以外は流れに付いていく走らせ方が合っているしその方が楽しい。
文句があるとすればタンデムや荷物満載まで想定したギアリングを含めたエンジン設定であること。
一人乗車でのつながりよい車速の増し方を確保しているワイドレンジな特性なのだから大したエンジンだと言わざるを得ないのですが、だからこそ一人乗りに特化した割り切ったギアリングだったらな、と思わされる。
中でも1速が重すぎる。スタートダッシュさえ諦めれば2速発進も許容するほどトルクがあるので、1速と2速の中間くらいまで上げて欲しい。その上で2〜4速も、もっと高速化してくれたらベストだ。
とはいえ、ノーマルエンジンのままでも、4速を高速化したら100km/hの壁を軽々と超えてしまうだろうから、メーカーとしての便宜上、そうは問屋が卸さないだろうけれど。とにかくそういうエンジン。
といった結果を踏まえて言わせてもらうと、あくまでも傍らにR18というファーストバイクがいることが大前提になる話しではありますが、ハンターカブがあれば私には250ccの必要性が感じられない。

車体の剛性感も充分以上に確保されている

というくらいのパワーや速度にも対応できてタンデムまで想定している車体構成ゆえに、直進時に関してはフロントもリアも剛性感が高く、安心感の方が上回る設定。
軽量ライダーだと足廻りに硬さを感じてしまうかもしれないが、体重が優に70kgを超える私には適度に感じる。身長178cmの私でも踵が浮くくらいリアサスは硬め(高め)に設定されているが、軽量なので踵が浮いていても不安に感じたりはしないので無問題。
ただしハンドリングという観点で眺めれば、まさしく軽量オフローダーのもの。
軽いだけでなく重心位置も高いため、タイヤグリップが高まる前に高いところからパタリと倒れ込む。
JA55の方がもう少し重心位置の低いオンロード的なハンドリングだったように思う。
軽量であることが災いして、グリップ感に抑揚がなく、操っている感じがほとんど伝わってこない。残念なことにハンターカブは舗装路でのコーナリングが楽しいオートバイではまったくない。
じゃあオフロードバイクなのか?と言うとそういうわけでもない。
砂利道を比較的ゆっくりと真っ直ぐ走っているぶんには楽しいが、少しでも飛ばすとすぐにボトミングしてしまう足の短いサスペンションにはまったく抑えが効いておらず、かなり跳ねる。
直線路はかなり速いが、舗装路であれ不整地であれ、右に左に振り回して遊ぶオートバイでは決してない。
やはりこいつは優秀な移動手段、根っからの“コミューター”なのだ。
全方位で250ccと肩を並べてくれそうな可能性を強く感じさせるぶん、とても残念。

ハンターカブをファーストバイクとされる方々の気持ちが分かる

今回私はR18のセカンドバイクとしてハンターカブを購入したのですが、一台目を検討している段階であればハンターカブは検討の俎上にも上がらなかったろうと思う。
ただ距離を重ねるにつれてハンターカブの魅力が滲みるように理解できてきた。今ではハンターカブをファーストバイクとして付き合われている方々の気持ちも分からなくもないと思えるまでになった。
こうした趣味のモノに対して「ヤセ我慢」ほど意味のないモノはないと私は思うが、予算に置き場所、気兼ねなく扱えるサイズ感など、それぞれのライダーが抱える様々な制約に対して、ハンターカブは、ミニマムな歓びと同時に、最大公約数的な歓びをももたらしてくれる選択肢であると今は断言できる。
そして、豊富でリセールバリューの高いアフターパーツ群の存在は、細かく手を加えながら自分に合った一台に仕上げていく楽しみも同時に提供してくれる。これは飽きることなく永く付き合える要因としてとても重要な点だと私は思う。
言ったように、ハンターカブがあれば私には250ccはいらないし、今回もしハンターカブではなく250ccにしていたら、すぐに飽きてしまうか結局600ccあたりに惹かれてしまっていたかもしれない。
決して「ヤセ我慢」などではなく、今は積極的なFUNの在処としてハンターカブを見られるようになった。
ものすごいコスト×パフォーマンス(所有感)の高さだと思う。

125ccが“原付一種”になる日も近い

先頃ホンダは、年々厳しさを増す排ガス規制への対応を理由に、50ccのカブの生産を終了することを発表した。
寂しいと感じる反面、警察庁は今後、原付免許で125cc以下のバイクを運転できるよう法律を改正する方針を示していて、それはそれで二輪業界の新たな可能性を感じさせる。
そうした状況に移行したとき、果たしてハンターカブがどうなっていくのか?
たぶん125ccではなく、150か200ccになってそことの差別化が図られるのだろう。
できれば極力いまの車体構成を維持したままエンジンだけ変更してくれたらと思う。
とか思うくらいに、今はハンターカブには息の長い可能性を感じずにいられない。

すでにカスタマイズは完成しつつある

最後に予告編的に現在の姿をチョイ見せしておこうと思う。
専用の取り付け部品を持たないトップケースを、上手いこと装着できたことにすっかり味をしめ、そこから一気呵成にカスタマイズを繰り返してしまい、私の“マンゴーハンター”はすでにご覧のような姿になっている。
納車から1ヶ月でこれだ。我ながら堪え性のなさには呆れるほかない。
しかも、こいつはあくまでも通勤快速。ここまでやる必要があるのか。自分でも甚だ疑問に思うところではあるが、パーツを交換する度にこのオートバイに対する新たな発見や理解がある。もちろん、改善されるものばかりではなく、“改悪”になるパーツもあって、それに対処しようとまた別のパーツを追加して・・・と、「三歩進んで二歩下がる」を繰り返しているわけですが、今はそれがとにかく楽しい。ほとんど実物大のプラモデルだ。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • モータースからの連絡待ちでまだ来てません。
    チューブレス化はしたいなあ、ホイル、まさか自分で組んではないですよね。

    • ontake.telemarkさん
      私はポン着けできるものしか買いませんw
      はやく届くと良いですね

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