リアル・ペイン〜心の旅〜

ホロコーストを生き延びたポーランド出身の最愛の祖母を亡くし、その祖母の遺言のように誘われた「ホロコースト・ツアー」に、従兄弟同士で参加することになったデヴィッドとベンジー。
それぞれがそれぞれの理由で心に傷を負い、それぞれの癒しを求めて参加するホロコーストツアー。
ベンジーはとても陽気で多くの人の心にスッと入り込む魅力のある男性。奥手で引っ込み思案なデヴィッドはそんなベンジーのことが子供の頃から大好きだったが、ベンジーが精神的な不安定さを抱えるようになってからは疎遠になっていた。
そんな二人の最愛の祖母が亡くなり、祖母が二人に残した遺産で、祖母が生まれたポーランドを訪れる計画を立てる。

日々の些細とも取れる心の傷と、究極の苦しみや悲しみと言っていいホロコースト。
自分が大量虐殺の当事者でなかったことと、自分の抱える悩みや苦しみなど些細なことだと思う人もいれば、そう思ってしまう自分の浅はかさに打ちのめされてしまう人もいるこのガイドツアーの様子を通して、観る者の「真実の痛み」への邂逅を迫ります。

映画の最後に、家族の元へと帰っていくデヴィッドと、空港から出られず、行き交う人々を眺め続けるベンジーの対比を通して、本当の幸せとは何か、そして、幸せは自分で掴まないとならないこと、痛みは自身で乗り越えなければならないこと、そして、“痛みから逃げる”という選択肢も決して誤りではないという真実を観る者に提示しています。

(オススメ度:80)

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