今シーズンのスキーはこの5本

10歳で始めたスキーは、途中スノーボードへ軸足を移した間に、年1回なんてシーズンもありましたが、ここまで続けることができている。

スノーボードに軸足を置くことに違いはないものの、ここ3年くらいからスキー熱は再燃してきており、午前スノーボード、午後スキーという、いつぞやのルーティンに戻りはじめている。
なんだかんだ言って、最後の冬にしているのはスキーなんじゃないか。なんて思ったりもしている。

再燃度合いに比例して、スキーの本数も増えてきており、テッパンの『MASTIFF』、イマ風のカービングを味わいたくて手に入れた『MAXI Gran Turismo』に、パウダースキーでありながら、存外の汎用性を誇る『GENIUS Narrow』、先シーズンの最後の最後に手に入れていた『OMNNY 180』という強力なラインナップに加えて、実はずっと前から欲しかった『MAKE BC 190 Ultra Heavy』の出物をやっと見つけることができ、こちらのVECTOR GLIDEの5本で、今シーズンのスキーはいこうと思う。

MAKE BCはもうだいぶ前から、私のフトコロ事情に叶うちょうど良い出物を探していたのですが、なかなか出会うことができず、その代わりのように現れたOMNNYに先に手を出していた。
とはいえ実際OMNNYに乗ってみた私の印象は「現代におけるスタンダードスキー」という触れ込みに反して、いまひとつ乗り切れないというネガティブなものでありました。
MAKEと同様にツインチップを纏ったOMNNYはテールのヌケが良いはず。それなのになぜかテールの振り出しがスムースに行えなかった。
それは振り回すウェーデルンのような滑り方だけでなく、圧雪でのカービングでも同様で、左右の板への乗り換えがスムーズに行えず、どこをどう評価しても私にとってOMNNY は「現代におけるスタンダードスキー」ではなかった。
「もしかしてエッジのセッティングが合っていないのかも?」「春雪と合ってない?」「私には柔らかすぎる?」「そもそもテレマーク向けだから?」など、あれこれ疑ったのですが、シーズンの最後に2日乗っただけなのでその答えは出せずにシーズンアウトを迎えてしまった。

そんなこともあり、OMNNYは諦めて再びMAKE BCを探し始めたわけですが、今年なんとか手に入れることができた。
もうOMNNYは手放そうと考え、OMNNYに取り付けていた『MAKER SQUIRE 10』をMAKE BCに移植しようとしているときにフと「もしかして、オレの体重だとSQUIRE 10では役不足なんじゃないのか??」と、この段になってやっと気がついた。
『SQUIRE 11』は使ったことがあり、問題は感じなかったので、安かったこともあり『SQUIRE 10』を手に入れてOMNNYに取り付けていたのですが、改めて調べてみると『SQUIRE 10』と『SQUIRE 11』は似て非なるモノであることが判明した・・・
取り付けビスの位置も違うし、普通気づくよな・・・あまりに情けない。
というわけで、ビンディングを適切なものに変更して、今一度OMNNYを試さないとならなくなった。

といった自分の頭の悪さを棚に上げて、「ゴールドっぽい色味のOMNNYに、昨シーズンモデルのGRIFFONの『タン』を組み合わせたらカッコいいんじゃねーか?」とか、すっかり買い物に前向きになってしまった。
SQUIRE 10を移植してビンディング代を浮かそうとか思っていたMAKE BCでしたが、おかげでこちらにも別途ビンディングが必要になり、中古のGRIFFONを手に入れる羽目に陥ってしまった。

スキーのビンディングを手に入れる時に気を付けないとならないのが「ブレーキ幅」。
格安な値段など、適当なモノを見つけても、付属するブレーキの幅が取り付けたいスキーの幅と合っていないと使えない。
今回見つけたタン色のGRIFFONはかなり安く手に入れられたのですが、付属するブレーキ幅は「100」。
対してOMNNYのウェスト幅は「90」。大は小を兼ねるで済ませようと思っていたのですが、よくよく考えたらMAKE BCのウェストが「100」だった。そして、MAXI GTのGRIFFONのブレーキ幅は「90」。
MARKERのブレーキは取り外すことができ、JESTER、GRIFFON、 SQUIRE 11はブレーキに互換性があるため交換が可能。

というわけで、MAXI GTのブレーキをOMNNYへ、OMNNYのブレーキをMAKE BCに移設することにして、MAXI GTの「90」のブレーキは追って手に入れることとした。
ブレーキ幅が適正なものになっていると、畳まれた時の美しさに大きな違いがあるんです。
期末テストに出ますんでここ大事ですよ。

ちなみに、今回もビンディングは自分で取り付けた。
取り付け作業を重ねるごとに上手になってきている実感はあるが、それでも他人様のスキーに取り付けるのは、まだまだはばかられるレベル。
とはいえ、私が手に入れるのはいつも中古スキーなので、格安物件ともなれば尚のこと、前オーナーもビンディングを取り替えている場合も多く、いくつもの取り付け穴が開けられていることも多い。
そうした多数開けられた穴を避けながら、私のブーツソールサイズでセンターを出す作業を依頼するのは、かなり気が引けるので仕方なし。

そんなわけで、私の頭の悪さから、OMNNYとMAKE BCを同じシーズンで試すことになってしまった。

MAKE BCはツインチップでウェスト100mmのバックカントリーモデル。という近頃のソッチ系の王道をいくアピアランス。
そもそもMAKEシリーズはVECTOR GLIDEのフリーライドモデルのセンターを務めるモデルなので、その昔、『SALOMON Teneighty』をこよなく愛した私としては、12月から3月までのオールシーズン・モデルとして考えたとき、実はこれが一番乗りやすいのではないか。という想像を長いあいだ胸に秘めておりました。
だったら真っ直ぐにMAKEに行けば良いものを、MASTIFFにMAXI GT、そして、ひょんなことから、というか完全に意識のナナメ上から現れたGENIUS Narrowたちと先に目が合ってしまった。
そうした寄り道の中でも、GENIUS Narrowのあれだけファットなのに、コブ斜面もある程度イケる汎用性の高さを知ってしまったことで、より一層MAKE BCへの思いを強くしてしまった。
遠回りもまた、新たな発見につながったりするんです。

ちなみに『Ultra Heavy』というサブネームは「超重いスキー」という乗り味を示す意味ではなく、このデザインを施したデザインユニットの名義。
「どうせならUltra Heavyが欲しい」と思ってきたのですが、数が少ないのでなかなか出物に出会えなかった。これまたカッコええ付加価値高し。

さておき、こうして並べて見ると、いっそう『MASTIFF』が異彩を放っていることが分かる。
それは特徴的なWOODデッキだからではなく、一番長いのにブーツのセット位置が一番後に下げられている点など、オーソドクスでありながら、今の時代にあってはそれが逆に斬新に映るところにある。

VECTOR GLIDEは、日本独自と言っていいスキージャンルである、いわゆる“基礎系”のスキーをベースにしながら、バックカントリーを含むビッグマウンテンへ向かっていったスキーだと私は思っている。
基礎系のスキーで育った私には、すべてのモデルの根底にある“ターンへの情景”が、とても肌に合っている。
それは“カービング”とも違う趣で、特にMASTIFFや、以前乗っていた『SHIFT』に色濃く残されていて、私にとって大切な基準値のような存在となってくれている。

この5本に加えて、『LINE SAKANA』も我が家のスキーラックに納まっており、スキーに関してはこの先、同じモデルの年式の新しいものに乗り換えることはあっても、もうこれ以上乗りたいと思えるスキーはない。なんて私が言っても説得力ゼロですが、今は真剣にそう思っている。

というわけで、今シーズンは一気に2本増えた。間違いなく5本も乗り切れないのでありますが、五者五様、それぞれに魅力的。満遍なく乗ろうとするのか、はたまたどれかにズッポシとはまってしまうのか。自分でも自分の反応がとても楽しみだ。

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