仲間とは近ごろ話題の『R天国』に行ってみたい。と、先シーズンから話していた。
とはいえ埼玉から片道434km。さすがに下道で向かうのは無理があるし、高速を使っても5時間半かかる。
埼玉から妙高まで下道で行こうとすれば、同じくらいの時間はかかるので、高速道路が退屈であることを除けば運転自体は我慢できるのですが、ガソリン代が高騰を続けるご時世に、なかなかにシビれる高速道路代がのしかかってくるので、それ相応に腰は重くなる。
と、ずっと遠くに感じていた東北でしたが、
今回の二泊三日のトリップを通して、冬の東北という場所への見方が完全に変わってしまった。
まっつんもシーズン前から湯殿山行きの計画を練っており「タイミングが合えば是非」と誘われていたのだが、天皇誕生日の三連休に諸々が整うこととなった。
というわけで、2月の三連休のお目当ては『湯殿山スキー場』。
その前に、手前に位置する『天元台スキー場』を滑ってから寒河江で一泊してR天国を目指す。
最終日は出たとこ勝負という計画となった。
ちなみに山形のスキー場は蔵王以外には行ったことがないので、どこへ行ってもお初物件。
この三連休は『最強・最長寒波 第2弾』が襲来しており、特に高速道路を含めた移動に関して、出発前は気が気でない状況となったのですが、寒冷前線は石川から新潟を中心に張り出していたようで、東北自動車道に通行止めや今後の降雪の予報はなくスムースに山形入りすることができた。これは後日談ですが、私の知る限り湯沢方面の降雪量が多かったようで、交通障害に加えて除雪が間に合わず休業状態に陥ったスキー場もあったようだ。
トップシーズンである2月の中旬ですので、降雪予報とは関係なく、白馬や野沢温泉などの人気のスキー場は大混雑になっていたようだ。結果論ではありますが、この三連休に山形を目指したことは大正解であった様子。
高速道路の深夜割を活用すべく、金曜日の夜に米沢を目指してクルマを走らせた。
0時過ぎに高速道路を降り、米沢中央ICの鼻先にある『道の駅 米沢』入りするつもりだったのですが、東北中央自動車道の福島大笹生IC〜米沢北IC間が無料区間だと気づいたのは福島ジャンクションを通過した瞬間。
つまり、深夜割を使おうと思ったら、有料区間である東北自動車道の福島JCTの料金所を0時過ぎに通過しなければならなかった。
米沢中央ICを0時に通過するペースで走ってきたので福島JCTの料金所に着いたのは11時40分。
料金ゲートの前で20分ねばるのも気が引けたので、何の割引きもない通常料金の¥6,110となってしまった・・・時間調整をしながら80km/hで巡航して来たので、クルマの燃費計は20km/Lを超えていたのは不幸中の幸いではありますが、わずか20分の違いで¥1,830を無駄にした。自分の詰めの甘さに嫌気がさす。
悔しい〜〜〜〜〜〜〜〜ぃぃぃぃ!


そんな悔し涙を缶ビールで飲み込み、さっさと就寝して翌朝6時に起床。
スッキリ気持ちを切り替えて天元台を目指す。
クルマには3cmほど雪が積もっておりましたが、文字通りに吹けば飛ぶような乾雪で、さっと払うだけで除雪は完了した。旭川で感じたようなドライパウダー。
朝の道がカッチカチに凍っているのはいつも通りなのですが、山形のアイズバーンは、ステアリング、ブレーキ、アクセルペダルから伝わってくるタイヤの感触が明らかに違う。なかなかの緊張感。


ロープウェイの湯元駅がスキー場への入口となるのですが、上の画像は駅舎から上がってきた最後の坂道を撮ったもの。駅舎の上側とこの坂道の途中に小さな駐車場が点在するのですが、駅舎の近くになる駐車場は30台ほどで満車になってしまう。ちょうど私の3台前で満車になってしまったようで、カチカチの坂を下って下の駐車場に入れ直した。
さておき、この凍った坂を歩いて上がるのはかなり手強い。私はスノーボードブーツだったのでことなきを得ましたが、スキーブーツならかなりシビれたはず。近頃スキーブーツに徒歩用のソールを被せている方をよく見かけるようになったが、この坂を見てその有用性がよく分かった。最低でもこの坂ではヘルメットは必須だ。


20分おきに出発するロープウェイの、3本目8:40の便に乗って初めての天元台へ。
一日券は大人¥5,500。ただしシニア割リフト券は55歳からで¥4,400。しかも、JAF会員割10%OFFも併用可。ふたつの割引を併せて¥4,000。高速代に泣いた私の荒んだ心にとてもありがたいお話。

リフトは3本。
決して規模の大きなスキー場ではなく、ローカル感の強いスキー場なのですが、それだけに雰囲気はとても良い。
まずは、この日の(家庭内)ファースト・ランの権利を獲得したまっつんと二人でセッション。
ちなみにまっつんは私の一番身近なカービングマスター。
近頃は子供たちと滑ることが多いため自由に滑れる距離はめっきりと減ったが、それでも許される時間の中で自らの理想のカービングを追求し、熱心に研究と実践を重ねている。最近は宮内皆人くんが繰り出す両手を雪面に付けてするバックサイド・ビッテリーの習得に熱を上げている。
まっつんはマンタレイに乗っているのですが、私がマンタレイを手に入れたのは実はこの男の存在が大きい。
あいにくマンタレイは手放すことになったが、マンタレイに乗ったからといってこのターンができるわけではないことが分かっただけでも収穫。
このビッチビチに整ったピステンバーンの後ろを滑るなら、この男が一番。今回はそういうトリップ。

とにかくエッジが噛みまくり、それでいてクッションのようなアブソーバーの効いた踏み応え!これは北海道に負けず劣らずの素晴らしい雪質だ!
この3週前に、白馬岩岳で滑ったピステンバーンが今季最高でありましたが「最高」はここで更新となった。しかも、ダブルスコアでの完勝だ。
このドライパウダーを非圧雪コースで味わいたい気持ちももちろんあるけれど、このピステンバーンの価値は同じくらいに高い。特に、今シーズンはここまで充分に深雪斜面を楽しんできているので、尚のことこのピステンを滑れたことの喜びは大きい。
感動であります!スゴいぜ!天元台!スゴいぜ!山形!

この日はそんな予感もあって『SPEEDMASTER』。
ほぼ全自動で雪面から全てを引き出すSPEEDMASTERでこの雪質に挑めば、モモ筋が追いつかないくらいの荷重が全身に架かってくる。まさに“スピードを制するマスター”だ。がっつりと体重とGを架けたカービングが超絶楽しい!
そんなSPEEDMASTERの能力を最大限に活かすことのできるこの雪の良さはいったいナニ?!天元台マジでヤバいんですけど!


天元台の樹氷もしっかりと育っておりました。
ナイスビュー!

まっつん家全員集合でファミリーセッション。
キャンピングカーで様々なスキー場を巡るまっつん家。
夫婦からはスキー場のみならず様々な苦労が垣間見えるけれど、子供たちにとっては最高の環境。羨ましい。
そんな天元台でのひと時を動画に収めたのでご覧いただきたい。
※音が出ます。ご注意ください。

寒さのためかスキー場の水道にトラブルが発生したそうで、この日のレストランのメニューは前日にスープを仕込んでいたラーメンのみ。
いつにも増して寒かったということか。さすがの天元台でも、こんな素晴らしい雪質をいつも味わえるわけではないのかもしれないな。つまりとても幸運な日に訪れていたようだ。

10時くらいからはゴン降りの雪。トラックが埋まるほどのリセット降雪。
一粒で二度美味しい一日。
朝はまっつん、そのあと子供達、最後は奥様のゆかちんと滑ったので、私としては滑走量も大満足の1日となった。
とても3つしかリフトがないスキー場とは思えない。まさに天元台マジック。


寒河江の街に移動して、この日は豪勢に焼肉パーティー。

冷麺まできっちりメイクして、とてもトリップらしい夜を完遂した。
やっぱりトリップはこうでなきゃ。
明日はいよいよこのトリップの本命となるR天国!
興奮しすぎて眠れなかったらどうしよう。なんてことあるはずもなく、ここまでの運転の疲れも相まって寝袋に入った10秒後には寝落ちした。
(つづく)
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