今年もビーナスラインを抜けて松本へ

今年もビーナスラインへ
ただ、今年は中央道側からではなく、上信越道側からビーナスラインに入ってみることにした。
季節も昨年の秋とは大きく異なる盛夏でのタイミングなので、同じビーナスラインでも、もろもろ勝手は違うだろう。そこが何よりの楽しみ。

上信越道を下仁田I.Cで降りて、大好きな254号線から旅は本格的にスタート。
254号線を佐久まで進み、そこから初めて走る『蓼科スカイライン』に入るルート。
国道254号線、通称「川越街道」は私にとって子供の頃から通いまくった大動脈のひとつ。
都心に行くにも、川越に行くにもいつも“ニー・ゴー・ヨン”。
そんな最も身近な一級国道と言っていい254ですが、都心の池袋から長野県の松本までの約220kmを、ほぼ一筆書きで走破できてしまうことを知ったのはかなり最近になってから。
中でも下仁田から松本へ至る道は、地味ながらもかなり走り応えを感じられる大好きな道だ。

初めて走る『蓼科スカイライン』。
スカイラインという名前の印象とは違い、空の上のような広い景観を臨めるわけでも、飛ぶように走れる高速林道でもない。実際はいたって普通の山道。
道幅は狭い部類で、大型バイクではお世辞にも走りやすいとは言えないが、森の中を抜けるつづら折りの道はとても気持ちがいい。通行量も少なくて夏のツーリング向きの良い道だ。

丘の上に電波望遠鏡らしきものがずーっと見え隠れしていたのですが、一旦見えなくなり「離れてしまったか」と思った頃に目の前にドーーーンと現れるのが『JAXA 美笹深宇宙探査用地上局』。
パラボラの直径は54mあるそうでその姿はかなり圧巻。この迫力、画像じゃあちっとも伝わらん〜〜

そこからの道がまた気持ちよかった。
この日も関東は35℃近い真夏日でしたが、ここまで来るとかなり涼しい。

しばらく走ると道路脇に路上駐車車両が増えてくる。
言ったように道幅の広い道ではないためかなり制限されるので対向車が来たらと思うとかなり怖い。
少なからず山を嗜む人間ならこの近くに登山道の入り口があることはすぐに想像がつく。
もう少し進むと大河原峠に着き、そこに駐車場があったがもちろん満車だった。
人気の登山道のようだ。
夏でも冬でも、山で駐車マナーが問われることに変わりはない。
一応山で遊ぶ身として、なんだかこっちが恥ずかしくなってくるのは勘弁してもらいたい。

そうして昼前にビーナスラインの玄関口となる白樺湖に到着。
あ〜〜〜気持ちいい〜〜〜〜〜

ただ、台風10号が過ぎ去った台風一過の晴れ間を狙って、多くのライダーたちが集結しており、マスツーリングの大群に追いついてしまうとかなり面倒。
旧車の多いグループだと排気ガスが臭くてかなり悲惨な目に遭うため仕方なく休憩するハメに。

そのおかげもあって、前回は駆け足で走り去っていた三峰茶屋の展望台にも立ち寄ることができ、ゆっくりと広大な美ヶ原の景観を堪能することができた。
というわけで、今回のビーナスラインは走りよりも観光色の強いツーリングとなった。
走りを重視するならば、ビーナスラインには昨年と同じくらいにもう少し寒くなってからか、平日に来ないとならないらしい。

そして、去年はタイムオーバーと雨で断念せざるを得なかった『美ヶ原高原美術館』まで行くことができた。
ここに来るのはたぶん2度目だと思う。前回はクルマだったような気がする。とにかく久しぶり。

ここでランチ。そば好きは信州まで来たら、そばを食べないわけにはいかないのであります。

美ヶ原から小諸の市街地方面を見下ろす。
雲の下半分が一直線に影になっているこの現象を、なんと呼ぶのだろう?

美ヶ原から扉峠まで一旦戻り、昨年同様アザレアラインで松本市街へ。
ここもとても気持ちのよい道。
特にこの道はビーナスラインとは違って空いているので好きなペースで走ることができた。

リアシートをBMW純正の『オマージュシート』に戻した話は前回したが、足回りはUNIT GARAGEの『SPORTAIL』の時に出したセッティングのままだった。
SPORTAILは肉厚のあるシートで、そのぶん硬めのセティングを許容できたが、オマージュシートはカチカチに硬いシートであるため、少々バウンシングが強めに感じておりましたが、今回伸び側減衰を3ノッチ弱めたら、リアのレスポンスは気持ち下がったものの、すこぶる乗り心地が良くなった。
こうしてセッティングの最適解を探す道のりはまだまだ続くのであります。

16時に松本駅前のホテルにチェックインして、目的地に向かって少しだけ市内を散策する。

向かった先は『塩井の湯』。
味気ないホテルのシャワーではなく、町の銭湯で汗を流す作戦。
本当は温泉付きのホテルにしたかったのですが予約できなかった。
おかげで土地の銭湯でほっこりできた。
これもまた臨機応変に楽しむ旅の醍醐味。

銭湯から松本城までは目と鼻の先。コンビニで缶ビールを買って苑内に入る。
風呂上がりに名城を肴にビールを飲れるなんて、何という贅沢なのでしょう!

松本城はいつ見ても、何度見ても見惚れてしまう美しさ。

この日は久しぶりのお泊まりツーリング。
たっぷりと一人酒を堪能させていただいた。
去年入った居酒屋に行ってみたらカウンターが2席空いていたのに断られた。
そういえば松本の店ってこんなんだった。
地方都市って、一見さんにもやさしいイメージがあるのですが、松本の店は一見さんにまあまあ冷たい。
そのおかげで初めて行く『居酒屋太助』に入ることができたのですが、ここも旨かった!
こちらはカウンターが3席残っていたので入ることができたのですが「場合によっては入店から30分までになります」とか、ここでも暖簾をくぐる前にかなりヒンヤリとした言葉を投げかけられた。
それはつまり「ちびちび飲むだけじゃなく、ちゃんと喰いもんも注文せーよ」というメッセージだ。
無論、ハナからそのつもりじゃ!受けて立ってやる!
とは言わなかったが、結果的にどれも旨かったので問題なし。
しめ鯖は脂が超絶のっていて、絶妙な甘酸っぱさがすばらしかった。
そして、なんと言っても『霜降り馬刺し』は掛け値なしに過去最高の馬刺し体験でありました。

そして〆はやっぱり蕎麦。
あえて我慢してらーめん屋の暖簾をくぐるのも良いのですが、やはり蕎麦の誘惑には抗えなかった。
というわけで、お一人様でも時間制限で追い出されることもなく、2時間近く飲らせてもらった。

ここのところ仕事でもプライベートでもイヤなことが多かった。
私は「飲まずにやってられるか」とは、ならない人だったのですが、ここ一ヶ月はまあまあ精神的に追い詰められた。生まれて初めて酒に頼ってしまった。
オートバイと酒ですっかりリセット。というのは嘘で、オートバイを走らせたところで、酒を煽ったところで、何も解決したりはしない。
大方の問題を片付けたあとだからこそ、こうして酒で癒やされているわけなのですが、片付いた後でもこれだけのダメージが残る経験はあまりない。おかげで酒で気分を紛らわす人の気持ちが初めて分かったような気がする。
間違いなく歳のせいだと思うが、だからこそ、そういうタイミングに私のすぐそばにオートバイがあってくれて本当に良かったと心から思う。

明日は松本から白馬に向かい2011年以来となる『BMW Motorrad Days 2024』を覗いてから帰ろうと思う。

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