厄除けにR18に乗って三峯神社まで

私は決して信心深い人間ではないのですが、占いとかはよく見るタイプだ。
占いは運命のように事前に決まっていることのガイドではなく、起こりうる事態のリストだと思っている。
問題を回避する、もしくは被害を最小限に留めるための行動を用意するため、それを予め考えておくための可能性の羅列。ちなみに良いことが起こる可能性に関してはありがたく受け入れるようにしている。
厄年という曖昧なリスクに対する回避行動。それが私にとっての厄除けだ。

というのはやっぱり半分嘘で、これまで24歳の時も、42歳の時も、厄除けなんてしたことはない。

Wikipediaによると「厄年は、陰陽道由来とされるものの出典は曖昧」とのこと。
ただ、「めぐり合わせ」のようなものの存在はこれまでの経験値からも感じていて、思い起こすと24のときにも、42のときにも転機になるような出来事があった。厄年はそうしたことの最大公約数的な数字なのかなあ。とか思う。
厄年の信憑性以前に、厄除けの効能の方がよっぽど訝しい。

といったわけで、ただ単にツーリングに出かける理由が欲しかっただけ。難しいことは横に置いといて、初詣くらいの軽い気分でいってみましょう。

そんなわけで、天気の良いツーリング日和を見計らってR18に乗って三峯神社までやって来た。
この時期でもオートバイにはまだ朝と昼の寒暖差があり走行中の装備に悩まされるのですが、日差しの強いこの日の三峯神社は暑いくらいだった。
平日だというのに駐車場はほぼ満車。オートバイもまあまあの台数が停められていた。

三峯神社には、ツーリングで昨年の1月と、11月にも来ている。
すっかり地元の神社へのお参り気分なので、もはやわざわざ訪れた感慨はない。
もちろんここまでの距離感がツーリングに適度であることもあるが、1月に来た時に感じたプレッシャーにも似た威圧感のようなものをこの空間から感じ取り、以来、この場所には特別な何かを求めるようになてってしまったことが通うようになった主な理由。つまり、霊験あらたかな感覚のおかわりが目的。

11月に来た時は休日だったこともあって境内はかなり混雑していて、それが理由なのかはわからないが最初に訪れた時のような鋭い感覚をこの場所から感じ取ることはできなかった。
そして今回も、そうした感覚を得ることはできなかったのですが、こうなると逆に、再びあの感覚を得たくてきっとまた来てしまうだろう。これが出し惜しみなのだとしたら神様も結構商売上手だ。

ここで日本武尊(ヤマトタケル)を道案内したとされ、三峯神社の使い神に定められているオオカミ様の眼光は相変わらず強め。

いつものように参道を進み、本殿の前までやって来た。
今回はここを左に進み、祈祷の受付をするために直接社務所に向かう。
3回目ともなるといろいろ詳しくなる。

祈願料は五千円から。五千円ごとにいただくお札のサイズが大きくなる。
祈願料の大小でどれだけありがたみが変わるのかについての記述は、当たり前だがどこにもない。
もちろん五千円でお願いした。

本殿内では撮影ができないので、これは外から別の御祈願の様子を撮ったもの。
途中、神主から祈祷者の名前と住居地が読み上げられるのはちょっとうれしい。

20人程度のご祈祷は、およそ15分で完了。
私の名前と住所が記載されたお札を頂戴して本殿をあとにする。
これでいくつかの厄災を免れるのであればお安いご用だ。
何より、ツーリングの目的として厄除けって面白くないですか?
四国のお遍路をオートバイで巡る方もいらっしゃるようですが、流石に私はそこまではしません。ただ、そうしたい気持ちはよく分かる。
ちなみに、秩父にも札所34観音霊場を巡るお遍路があるのだそう。

お祓いの後は参道にある食堂『大島屋』のテラス席で秩父のご当地グルメ『わらじかつ丼』をいただく。
眺めと雰囲気は素晴らしいが、残念ながら、というかその名前からうっすらと感じ取れるように、さほど美味いものではなかった。素直に同じご当地グルメの『くるみざる蕎麦』の方にしておけばよかった。

例によって用事が済んだらさっさと来た道を引き返す。
なんて、冷めた言い方に聞こえるかもしれませんが、ある意味ここからが本日のメインディッシュ。

三峯神社に連なる道は心から気持ち良いと言える道。
この道こそ何度来ても飽きることのない旅の目的地。

寄り道の目的はもちろんR18を眺める時間。
タバコをやめてすでに15年ほどが経つが、この時間は今でもタバコが吸いたくなる。そういう時間。

初めて途中にある浦山ダムに立ち寄ってみた。意外なんて言ったら失礼かもしれませんが、かなり大きなダムで、重力式コンクリートダムとして日本で2番目の高さなのだそう。
浦山ダムのある秩父さくら湖を眺める周遊道もあり、ダムの上部にも上がれるようでしたが、このときは気づかずにスルーしてしまった。次に来た時は行ってみよう。と思い調べてみると、浦山ダム周辺はそのスジには超有名な心霊スポットなのだそう・・・ここに来るのは天気のいい昼間だけにしておこう。

秩父市のダムは埼玉県内だけでなく、奥に控える東京都の治水と水瓶としての機能を持つため大規模なダムが多く、しかも埼玉県内のダムの半数以上がここ秩父市に集中しているのだそう。
それをして「ダム銀座」とか揶揄されてもいるらしい。
大手ゼネコンや政治家の絡む巨大投資が背景にあるので、そうした陰口が絶えないのでしょうけど、豪雨災害が急激に増えた現在のことを思うと、この時期に行われていた治水事業というのもあながち無駄な投資ではなかったと思うようになった。

そうしてほとんど明るいうちに家に帰った。
片道400kmはペロリと熟すBMWにとって、三峯神社までの100kmは取るに足らない距離なのですが、どういったわけか帰ってくるとこの距離がほど良く感じられる。
それはきっと埼玉の奥座敷であるから、という埼玉県民にとってのストーリーにほだされているだけなのだろうが、そういったストーリーのあるなしって、オートバイ乗りにはとても大切なんだよね。
少なくとも一年後には今回いただいたお札を納めに行かないとならないので、間違いなくまた訪れることになるだろう。そういった義務感もまたオートバイ旅の楽しみ。

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