台風7号の置き土産を狙って千葉南エリアへ

お盆休みの列島を弄ぶかのように、土曜日に関東をかすめ、そのあと東の海上に抜けていった台風7号。
飛行機が欠航になったり、新幹線が計画運休になったりとまあまあの混乱が起きていたようだが、私はお盆時期も暦通りに家で仕事をしていたので完全に他人事。
なので週末までに過ぎ去ってくれればそれでヨシ。
そんな日曜日にはその台風7号の名残もあってか太平洋沿いはウネリ強め。
過ぎ去ったあとのスウェルも台風スウェルに含まれるのかは知らないが、土曜までの大荒れの海が落ち着きを取り戻しはじめたサイズアップ傾向の波なのでここはひとつ台風スウェルと呼ばせていただく。

ただ、茨城から千葉の北部沿岸まで、さほど強くはないものの東に抜けた台風からの吹き出しによるものと思われる東よりのオンショア傾向。唯一千葉南エリアはオフショアの予報が出ていた。

埼玉から遠いことに加えて、都心部を抜けないとならない千葉の南側にはなかなか足が向かないのですが、ここは一念発起。気が変わらない前夜のうちに和田浦を目指して埼玉を出発した。

そんなわけで、久しぶりのアクアライン。夜に走るのアクアラインもオツなもの。
気分は上々であります。が、それはこのあと襲いかかる灼熱地獄のことを知らないからだ。
いつもクルマを停める海沿いの駐車場にはお盆期間中のサーファーの駐車場使用を禁止する張り紙。
仕方がないので別の、海からは離れた場所に移動しそこを寝床としたのですが、そこには風がまったく吹いて来ず、この度を超した熱帯夜の前ではアレコレと策を講じた私の車中泊アイテムではまったく歯が立たなかった。
それでもエンジンを掛けてエアコンを点ける気にはならず、ぶっちゃけ海は諦めてもう帰ろうか、と3回くらい心が折れかけた午前2時。なんとか眠りにつくことができた。マジ辛かった・・・いい歳して真夏の車中泊なんてやるもんじゃないよなあ。って、今さらだけど。

翌朝。
チェックしに海に向かうとムネ〜カタの波が!
いやっほーーー!と叫んで海に飛び込みたいところですが、和田浦の駐車場にはこれ以上クルマを停めておけない。クイックサーフでサクッと・・・とか、不埒な思いが頭をよぎるがそれこそいい歳してやることではない。

急ぎ民間の駐車場のある白渚に移動。ここも悪くない。
ただ、夏バテかここのところお腹の調子が芳しくない。
気軽に使えて、できればきれいなトイレがあるとうれしい。

と、思いつつ、隣の花籠を見渡すと、そちらも悪くなさそう。

というわけで、きれいなトイレとシャワーが完備された花籠の駐車場にクルマを停めた。
こちらのポイントも人は少なめ。
これなら久しぶりのサイズに腰が引けている私でも辺りを気にせずチャージできる。

いつも必ずEllis Ericsonと一緒に載せている『Andrew Kidman “GREEN”』。
なかなかコイツを出すまでもない波ばかりだったので、文字通りのお蔵入り状態がつづいていたのですが、この日はノリノリでこいつを取り出した。

ただ、“GREEN”に乗ったからと言って久々のセットカタを楽しめてしまうわけではトーゼンない。
この日の波はサイズにに加えて、まあまあ速くて捕まりがちなヤツ。
しかも白波過多でアウトに出るのに苦労させられる。

ご覧の向かって右から2番目の方のように、ピークから乗ろうものなら即座にギロチン刑に遭う。
なんとかショルダーやら切れ目やらを探ってウロチョロするもののギロチン率は70%超え。
そのまま捲かれることもあるのですが、スープの上を滑って行けたりもするので、よせばいいのにそのままインサイドまで乗り継いでしまう。一本乗ってラインナップに戻るのにそこそこ時間と体力が削られるので、そんなことを繰り返していると何本も乗れない。
結果的にはこの日2時間で10本やっつけたのですが、そんなわけで、切れ目を掴めたのはわずか3本。
しかも全部レフト、グーフィーだった。
まあでもその3本は久しぶりにヒリつくような気持ち良いラインだったからヨシとしよう。

さておき、久しぶりの“GREEN”を堪能させていただいた。(厳密には言ったように3本だけだけど)
もう少し厚めの波だと更に味わい深い思いができるのですが、欲張っても仕方がない。
EPSフォームのEllis Ericsonにばかり乗っていたので、PUフォームの“GREEN”を久しぶりに小脇に抱えると、かなりズッシリと来た。
ただ、その重量感が大きな波のパワーをガッシリと受け止めてくれている気がする。
そして、走り出しの刹那に感じる独特の“間”が真骨頂だと私は思う。
その“間”と波の速さ(薄さ)が噛み合わずに、目の前を通り過ぎていくフェイスをただ指をくわえて見ているだけ、なんてことも起きるのですが、それらが噛み合ったときの、どんな操作でも受け付けてくれる気がするほどの安定感は抜群。
ただ、フェイスに食らいつくホールド感のようなものは、ツインという事もあるのかも知れないがEllisに譲る部分。
この日のようにホレ気味の波の時はもっと腰を低くしてレールを立たせ、パワーゾーンにしがみついていけないとならないのですが、Ellisの場合はそこが比較的オートマチックで腰高の姿勢でもフェイスをよじ登って行ってくれる。
翻って、サイズがあっても厚めの波になると、ツインであることを含めた“GREEN”の本性が、自由度という尺度に置き換わる。
そういうときの“GREEN”は、安定感を保ったうえでの自由度の高い波乗りが、私でもできてしまう。
あの時の波にまた乗りたいものであります。とか、過去ばかり見ていても仕方がない。
また探しに行こう。

2時間後には割れづらくなり、割れても99%捕まる波になってしまたところで上がることにした。

ちなみに、この日は海パン。
気象情報で、日本近海の異常なほどの海水温の上昇について、繰り返し言っているが、それを裏付けるかのような温〜い海水。それでも夏の身体を冷ますくらいの働きはしてくれていた。

やっぱり海パンって夏っぽくていいよな〜〜〜
ザ・夏休み。

とか、悦に入りながら振り返ると、そこには今にも泣き出しそう、というかすでに泣き出している厚い雲。

少しクルマを走らせたらすぐに大粒の雨が束になって落ちてきた。
これもまた今年の風物詩と言っていいほどの日常。
気象状況が年々悪化しているのは間違いない。
台風だけでなく、ゲリラ豪雨やら線状降水帯やら、つい日本の状況にばかり目が向いてしまうが、この傾向は地球規模のことだ。なんだか嫌な予感がするよな〜〜〜
とか、ちょっとセンチな気分に浸りながら、この日は下道で4時間かけて埼玉まで帰った。

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