新たに手に入れたギアを引っ提げて、行ってきました今季初BC。
私がプライベートで行けるバックカントリーエリアはいくつもないのですが、その数少ない選択肢の中から白馬乗鞍岳を選んだのは、早割消化があったから。
この日1時間ですがNSDの時間券を使って栂池のゴンドラでスキー場上部に上がり、翌日に白馬八方尾根の早割を消化する。なんとも都合の良い計画的犯行。
そして、この作戦に春分の日の三連休を選んだのは、休日の方がバックカントリーに入る方が多く、寂しい思いをしなくて済むと踏んだから。
三連休の中で天気を眺めていると、中日の土曜が一番安定しているようだったので土曜日に決定。
当初は私一人で行こうとしていたのですが、ありがたいことに松ちゃんとミナちゃんが来てくれることになった。なんとも頼もしい展開。


松ちゃんミナちゃんもNSDの時間券を持っているので、登る前に1時間ぶんの足慣らし。
もちろん私には初めて使う『Karakoram PRIME-X』の確認の意味もある。


春に二週続けて白馬にいるなんて、自分でもちょっと驚き。
いつもならシーズン最初のBCは行き慣れたかぐらあたりで済ませるのですが、それを白馬でだなんてかなり例外的なこと。
早割によって行動を制限されてしまっている。とも言えますが、早割が残ったおかげでこうしたモチベーションを維持できているとも言える。
雪面は1週間前よりもだいぶ硬くなっておりましたが、それでもまだスピードコントロールの効く、エッジのよく噛む雪でありました。足慣らしとは言え、ここでの体力の使いすぎは厳禁。
シーズン最初のバックカントリーでは自分の登り筋がどれだけあるのかさっぱり分からない。
お二人は夏も山に登る登山愛好家。今季もすでに何本ものバックカントリーツアーに参加している猛者だ。
足を引っ張るわけにはいかないし、お二人がここを登るのは初めてなので、むしろ経験者の私がある程度引っ張らないとならない。責任は重大。気を引き締めてかからないとならない。

ゲレンデを3本ほど滑ってから栂池ロープウェイに乗車。

尾根沿いは風が強そう。気を引き締めてかからねば。

バックカントリー・エリアで「『IMPOSSIBLE』に乗る」という願いを叶えるために揃えた『UNION ROVER』と『Karakoram PRIME-X』をいよいよ投入。
ある程度の目算は立ってはいるので、とても楽しみな反面、心配もないではない。ワクワクとドキドキ。
新しい道具との出会いもモチベーションの源だ。


バックカントリー客だけでなく、この日は登山者の方も多く、バックカントリーエリアは予想通りに賑わっていた。
静かな山の中も気持ちがいいのですが、晴天の日の賑やかなや山行も楽しい。

まずは天狗原を目指して9:30分に自然園駅を出発。

やっぱり晴れた日の冬山を歩くのは気持ちがいい。
バックカントリーの楽しさが、滑りよりも登りにあることはすでに疑いようのない事実。間違いない気持ちよさ。

UNION ROVERですが、想像以上に足取りがしっかりとしておりましたが、とはいえ満点とはいきませんでした。
やはりスプリットボードに比べて足捌きが軽い。感覚としては3割ほど足下が軽快になる印象。
シールの面積が減るぶん、接地感、グリップ力もそれ相応に減るので、扱いにより高い集中力が求められますが、そうした気持ちを維持さえできれば十分に使える性能を持っている。
とはいえ、ただでさえ気が気でない山行で「より集中力を求められること自体、いかがなものか?」とは、私自身も思わないでもない。慣れでカバーできるレベルではありますが、弱気な時間帯に「ここでスプリットボードだったら」に加え、私の場合「スキーだったら」という想像に支配されてしまうのは決して良いことではない。
言ったように、グリップ力はシールと雪面との接地面積に比例して大きくなるため、短くしたぶん幅を広くして接地面積を稼いでいるROVERの場合、ブーツエッジからボードエッジまでの距離も離れてしまうため、斜面を斜めに登る際のエッジ付近の荷重は、どうしてもかかりづらくなる。
その点、センター幅100mm程度のスキーであれば、斜行していてもシールグリップを足裏にダイレクトに感じることができる。
もちろんハードブーツとスチールバインディングとの強固な組み合わせは、いかにPRIME-Xがスチール製であろうともまったく比較にならないほど剛性感が高く、比例して安心感も高くなる。

そして何より、ボードを背負って歩くのは久しぶりだったので、余計にその重さが身に染みた。
こちらのルート上では覆い被さるような樹木が少ないので、お辞儀をしてボードを潜らせることが少なくて済むのですが、代わりにこの日は風があったため、背中の長いIMPOSSIBLEはかなり煽られた。
登りの行程が半分を過ぎる頃にはまあまあ慣れたので、言ってもその程度のことなのではありますが、慣れるまでは精神的に追い込まれそうになる。
私はやらないけれど、マラソンも同じだと思いますが、苦しい時間帯があってこそ、登りきった時の喜びはひとしおとなる。これも山行のエッセンスのようなものだと思って乗り切るしかない。

11:35分に天狗原上部に到着。


天狗原までの道中でも、風に叩かれ雪面の硬い箇所が多くあった。
斜度のある場所で、早速『MROZY CramponsXS』を投入することにした。
ベルトをしっかりと締め上げておかないと、クランポンが後ろにズレていってしまうので装着時に注意が必要になりますが、それにしてもどれだけ締め上げれば良いのかが分かれば面倒な作業ではない。
使い勝手とグリップ力も想像通りでまずは一安心。

ミナちゃんはSPARK R&Dを使っていて、SPARK R&Dのクランポンを使っていたのですが、スプリットボードであるぶんUNION ROVERに比べてシール面積が広いことに加え、雪面に深く刺さるクランポンによって、私よりも一歩一歩の確実性が高いように伺えた。
UNION ROVER + CramponXSの組み合わせでは、むしろカチカチであれば何の問題もないのですが、硬い面の上にグズグズの雪が載っていたりすると、踏みしめた足が数センチですがズルッと下にズレてしまうことがあった。
毎足というわけではないのですが、こうなるといつズレるか気が気でなくなる。
それを危惧しながら登っているとお二人から確実に距離が離れていってしまった。加えて、言ったようにこの日は陽差しだけでなく風も強く、より速く風の抜ける開けた急場では、風への対処により多くの注意力を割くこととなった。
そうしたことも含めて考えると、結局はスノーシューで登る松ちゃんが一番足下が確実で速かった。
もちろんお二人は私とは明らかな体力差があるので、そのことは割り引いて考えないとならないのですが、こうした雪面が硬くて斜度のある箇所が想定される山行ではUNION ROVERよりもスノーシューの方が適していること、そしてスプリットボードのバランスの良さが、奇しくも白馬乗鞍まで来たおかげで明らかとなった。
といったことを総合して考えると、UNION ROVERは、山の取り付きまでが緩やかで長い場所での雪深いトップシーズンでこそ、その威力を発揮する道具であるように思う。
やはり道具は適材適所なんだなあ。

そうして12:40。
白馬乗鞍岳のドロップポイントに到着した。


素晴らしい景観。これもまたバックカントリーの醍醐味。
たぶん小松基地に向かったと思われる空自のジェット戦闘機(最近噂のF-35?)が、我々のすぐ頭上を飛び去っていったのですが、音速に近い速度だととんでもない轟音が鳴り響く。「かなり近いのか?」と思い頭上を見上げると豆粒大にしか見えないほど遠くを飛んでいることが確認できた。爆音と距離が全く合っていない。これはこれでものすごい経験。


13:00。
乗鞍岳にドロップ。



硬いアイスバーンも混じるかな?と気構えて滑り始めたのですが、存外に柔らかいクリーミーな雪面。
苦労してIMPOSSIBLEを背負ってきて良かった〜〜〜〜〜
あ〜〜〜〜〜〜気持ちイイイイイイイイイイイイイイイイ〜〜〜〜〜〜〜
そして、思った以上にKarakoramの反応の仕方は良かった。
もう少し乗り込んでから、また改めて印象をまとめさせていただきますが、ファーストインプレッションとしては『UNION FORCE』と同程度のレスポンスであることを強く感じた。
もちろん雪面状況が一定ではないバックカントリーエリアでは、雪面変化に即座に対応できるハイレスポンスな道具の方が適していることは言わずもがな。
対応レンジの広いIMPOSSIBLEの性能を余すことなく引き出してくれている。
そうした印象は「ボディ剛性が高いから」と言うよりも、トゥサイド、ヒールサイドともに、荷重面が四隅で踏ん張ってくれている感触があるからのように感じる。
朝イチのコース滑走の時の印象も含めれば、『BURTON GENESIS』とはIMPOSSIBLEの感じ方がだいぶ違っていて、かなりソリッド。
よく言えば「キレがいい」。悪く言えば「行間がない」。
つまり、IMPOSSIBLEの放つ、機微のような微妙な感触やら情報やらの、かなりの量が間引かれてしまう感じ。
とはいえ、UNION FORCEと同程度のことなので、このレベルで収まっているのはスプリットボード・バインディングとしては大したものだと思う。



そのあと風を避ける天狗原でランチ休憩。
カップヌードルに加え、もちろん私はここで『TIGER断熱炭酸ボトル』に忍ばせたビールもいただくことにする。
自らのラインと、壮大な白馬の景色に乾杯。まさに感無量。



そのあと、天狗原を滑り降り、

無事、栂池ゴンドラ乗り場に帰着した。
楽しかった〜〜〜〜〜!
やっぱり仲間と滑るバックカントリーは楽しい〜〜〜〜〜
案の定と言いますか、やはりバックカントリーもIMPOSSIBLEで滑るのは超楽しい。
安定感による滑りやすさもさることながら、IMPOSSIBLEのもつ純粋な楽しさはバックカントリーエリアでも変わらない。
つい特別視してしまいがちになるバックカントリーを、大好きなボードで滑ることの悦びは格別だ。
IMPOSSIBLEのスプリットが欲しくなっちゃったな〜〜〜
このあと『蔵下の湯』で長旅の疲れを癒してから、八方の町で3人で夕飯を食べた。
翌日、私は早割を消化すべく八方尾根へ。お二人はNSDの消化のために栂池へ。
この日は車泊する駐車場でお別れとなったが、もちろん、今シーズン中にまた一緒に登る約束も交わした。
松ちゃん、ミナちゃん、またよろしく〜〜〜〜!


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