2年ぶりの妙高 杉ノ原は新雪ざんまい!

妙高杉ノ原に来るのは2年ぶり。
間違いなく好きなスキー場のひとつなのですが、先シーズンは諸々噛み合わずに訪れることができなかった。
杉ノ原の良いところはコースの長さと幅、そして適度な斜度。まさにカービング天国。
平均斜度11°、全長3,000メートルを超えるゴンドラコースは、一本滑るだけでモモ筋がかなり削られるほど、滑り応え満点のコース。それ以外にもきっちりターンと向き合えるコースが多彩な「内地の富良野」と言っていい、スケール感のあるスキー場だ。

新たに手に入れた『SLAASHER II』のカービング性能を計るのに、これ以上のコースがあるのか。
ってくらいにこの日の目的意識にマッチしたスキー場。
前日の斑尾パウダーと併せて、思惑通りの展開だ。

ただし、前日の夜も降雪が続くとは想定していなかったため、杉ノ原スキー場上部の非圧雪コースも美味しく仕上がっているであろうことは嬉しい誤算。
カービング中心の組み立てで臨んできてはいるものの、新雪の存在を気にするなという方が無理な相談。
よって、コース最上部にアクセスする第3高速リフトが動き出すまでにカービングをし倒すことにする。

やっぱり前足を思いっきり踏み込んでするターンは楽しい!!!
誤解のないように言っておくと、「思いっきり」と言っても前足全荷重というわけではもちろんない。
言っても最大で前後5:5。
ターンインのタイミングで“いつもより”前足を強めに踏み込んでいき、ターン中はセンター荷重。
出口では後ろ足荷重に戻す。要はセオリー通りの滑り方なのですが、これまでの私はターン出口で後足を使わなすぎていたことを『MOSS Q』に乗るようになって自覚するようになった。
SLASHERやTTではその縛りから解放され、気にせず前足を踏んでいける。ということに気づくことができた。
なので、SLASHER IIが前足荷重をすべきボードだということではなく、あくまでも私とSLASHER IIの組み合わせ、相性としての操作の方法やそれによって引き出される官能性能ということになる。
極めてパーソナルな話しで恐縮ですが、そこに気づけたことは私にとってとても大きい。

ちなみに、私はオートバイでも前輪の接地感が強いハンドリングの方が好み。

SLASHER IIは長さがあるぶん自然とMOSS Q57/545よりもターン弧は大きくなりますが、ターンを急かされないぶん乗り心地がとても良く感じる。クイックさでは劣るが小さい弧で回ることだってもちろんできる。
体を低くしてする深回りターンと、ある程度膝を伸ばして体軸を内側に倒してするリラックスした姿勢での大回りターン、そしてコースの端に当てていくスラッシュなどを組み合わせる、まさにフリーな滑り方が、私のイマの気分(年齢?)と絶妙にシンクロする。
タノシー!

とか言いながら、ついつい森の中に吸い込まれるワタシ。
ちなみに、ガスっているように見えるがこれは木に着いていた粉雪が風で舞っている様子。雪はそれだけフワッフワで森の中はちょっと風が吹いただけでホワイトアウトしてしまうほど。
そんな粉雪が降り積もったノートラック斜面であれば、狭いツリーランでもSLASHER IIの庭だ。
忍者のように右に左に跳ねるように落とすQ545とは違い、ノーズからガンガンに新雪に突っ込んで行って、直線的なラインで走り抜けていく感覚に超絶シビれる。
ひゃ〜〜〜タマンネー!

そうこうしている間に第3高速リフトが動き出した。
乗り場はすでに100人以上のハンターたちの列ができていましたので、私がコースに到着する頃にはすでに無数のトラックが刻まれておりましたが、端パウを中心にまだ多くのノートラックが残されていた。
とはいえ、SLASHER IIの官能性能を完全解放できるのはノートラックのオープンバーンだろう。
この雪質で、10メートルくらいの幅のターンを200メートルつなげてみたい。って、そんな斜面なら何に乗っても気持ちいいか。

そして今回の核心部はこちらの森。
以前、スキーヤーのIKさんに連れて来てもらった場所。
なぜかこちらはノートラックだった。
もちろんノートラックには理由があるわけで、まあまあ強めの自己責任エリア。
一本目はまっすぐ落としたい気持ちをグッと堪え、トラバース気味のラインの組み立てで斜面の様子を見ながら対処する。

リフト乗り場に戻れば、また10分以上行列に付き合わなければならないのですが、それにも関わらずここを3本も回してしまうほど超絶に美味しかった!
もちろんこれをして「バックカントリー要らず」とは言わないが、ここより登った甲斐のない斜面ならいくらでも滑った経験がある。

12時までSLASHER IIと戯れたあとはスキーにモードチェンジ。
これまた2年ぶりとなる『VECTOR GLIDE MASTIFF』。
先シーズンは『CORDOVA』にばかり乗っていて出番がなかった。
ちなみに、私にはCORDOVAは手に負えず、すでに手放してしまった。

今シーズン、カービングスキーである『MAXI GT』を手に入れて、圧雪でのターン性能を大切にするベクターグライドのカービングの解釈に触れることができたと思っている。
MASTIFFやSHIFTは、私の勝手な解釈だと何よりベクターグライドらしいスキーだと思っているので、カービングという演出としてのターンと、ベクターグライドらしいターンについて、改めて確認したくなった。

結論としては「どちらも甲乙つけづらい」。
という玉虫色の回答で誠に恐縮であります。
MAXI GTの深回りも楽しいのですが、MASTIFFの直線的で重厚とも言えるターンにもたまらない魅力がある。
私にとっての万能性、汎用性はむしろMASTIFFの方にあるようだ。
というわけで、万能性を期待して手に入れた『GENIUS Narrow』は少々蚊帳の外。
ただし、それはコース上での話で、クルマへの積み下ろし、スキー場での持ち運び、ゴンドラに乗りづらいことなど、全長193cm、幅14cmのボリュームを誇るMASTIFFは、主にコース外でのハンドリングの面で難があり、つい持ち出すのが億劫になってしまう。
その点、170cmのMAXI GTはスノーボードに対するスノースケートのような軽快さを持っており、ついついMAXI GTの方をクルマに積み込んでしまう。
今回2年ぶりにMASTIFFに乗ってみて、それを押してでも乗るべきスキーだと改めて思うに至った。
やはり良いものは良い。

15時頃にはゴンドラコースも刻まれたトラックで固まりはじめ、疲れの溜まり出した足腰に響くようになってきた。
この日は飛び石連休の飛び石日。つまり平日。このあと17時からのリモート会議に車内で対応しないとならない。電波状況の安定した場所まで移動しよう。もちろん画面はオフ。これにて隠密行動コンプリート。

さておき、またまた二日間に渡ってパウダースノーを満喫させていただいた。
記録にも記憶にも残るビッグシーズンとなっている。
ニュースでは「そろそろ春一番がどうした」とか言っているが、まだ寒波は入ってくるのだろうか。
もう充分。お腹いっぱい。とか思いながらもやっぱり新雪が降り積もれば居ても立っても居られなくなる。
趣味にとって、そこに向かうモチベーションのあるなしってやっぱり大事だな。と、当たり前のことに気づく今日この頃。こうなったらこのまま降りまくってもらうことにしよう。

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