2025 海シーズンはじまりました

結局冬の間は一回も海に入らなかった。
それだけスノーシーズンにのめり込んでいたということなので、別に悪い話ではないのですが、心の奥底では一抹の寂しさがあったのは確か。
それはサーフィンへの想いというよりも、これ以上下手になったらどうする?という危惧感と言った方が適切な、かなり邪な感情なのですが、それも素直な気持ちなので仕方がない。

なんだかんだで一日仕事になる雪山よりも、半日海に入れば気が済む海に行く方が諸々都合が良かったのですが、家の状況が変わり、そうもいかなくなってきた。
早朝から動く必要のあるサーフィンと違って、ゆっくり目に出発しても日帰りできるツーリングに行きがちになっているのはそのためだ。
常にワンチャンを狙う姿勢は変わらず維持しておりますが、文字通りのワンチャンになってきてしまっている。
このままだと波乗りの方は初心者に戻ってしまいそうだ。

なんて、焦りにも似た感情も渦巻き始めた、最後の白馬から2週間が経った5月最後の月曜日にそのワンチャンは訪れた。
というのは半分嘘で、“アノポイント”のウネリ、風向きの予報がきれいに整い、それを見たらもう行かないわけにはいかなくなった。
なので、途中で家に呼び戻される可能性も胸に秘めながら、半ば強引に海へ向かうことにした。

そんな具合にちょっとハラハラしながら海に到着すると、コシ〜ハラ、たまのセットでムネサイズと、このポイントらしいトロ厚めの波がきれいにブレイクしていた。これを見たらもう浮世のことなどどこかに飛んでいってしまう。「もう知らんし。こうなったらぶっりぎりだ」。

ここには何度も来ているが、こんなに潮が引いているところを見るのはこれがはじめて。
いつものブレイクポイントがこの日の波打ち際。
それだけきれいな遠浅がキマッているということだ。
ちなみに海水温はまだ低い。裏起毛のある3mmでも大丈夫だったかもしれないが、念のためセミドライを持って来ておいてよかった。

シーズン初日ということもあるが、私的にこのポイントらしい波の日にバッチリと合うのは『Ellis Ericson Tri-Plane Glide 8’0』で間違いなし。ハナっからこれ一本だけ持ってきた。

いつものシーズン初日同様にパドル筋はかなり衰弱しておりましたが、波乗りの感覚はなんとか維持できていたようで、海に入って最初に巡って来た波のフェイスを易々と乗り継げてしまった。
もちろん、このポイントの波のやさしさとTPGの優しさあってのモノダネではありますが、こういう時のために、良い道具というのはあるのでありますよ。ありがたく享受させていただく。

もちろん、この波に一番合っている手強いロングさんたちの合間を縫うように波を選ばないとならないのですが、徐々にサイズは下がってはいったものの、波数は減らなかったし、平日なのでそれほどの競争もなかった。そして何より、TPGならロングさんと5mインサイドで渡り合える。

それにしてもTPG (Tri-Plane Glide)は楽しい。
久しぶりの波乗りで一番悩ましいのがボードの揺れ。その点TPGの安定感はものすごいので、感覚が戻り切らないタイミングでも難なく乗れてしまう。
安定感が高いということは、マニューバーに劣るということにも繋がるのですが、Ellis Ericsonのエッジボードにそれは当てはまらない。中でもTPGは加速性に優れていて、たとえ小波であってもスピードを引き出すことができる。速度に比例して上がる揚力を活かして8’0という長さを感じさせないミッドレングスらしい動きが可能となる(あくまでも私ができる範囲での動きではありますが・・・)。

そんなTPGのおかげもあり、いきなり初日から足腰立たなくなるくらいの本数に乗れてしまった。
久しぶりのサーフィン、私のリハビリサーフィンにもってこいとなってくれた。
やっぱりこのポイントはいいなあ〜〜〜〜

そうして3時間みっちりと波と戯れた。
思った以上に乗れてしまったことで、ほとんど1時間でお腹いっぱいになり、肩も回らなくなってしまったのでさっさと尻尾を巻いて帰りそうになりましたが、次いつ来られるのかも分からないし、と、気持ちを奮い立たせて居残ったのが良かったようだ。
2時間ほどで身体の疲れの峠を越して、使っていなかった筋肉に火が入った様子。
おかげで2〜3日筋肉痛がとれませんでしたが、これをやっておくのとやっておなかいのとでは、この次の波乗りが大きく変わる。

あ〜〜やっぱりサーフィンは楽しい。
でもそれはアクティビティとしての楽しさだけでなく、心まで癒してくれるような効果もあるように感じる。
「母なる海」とか言うけれど、お袋の羊水に浸かっていた時の記憶がまだどこかに残っているのかもしれない。とか、本気で思ってしまう。
それほど海に浸かっていると心と体がリセットされるような強めの癒しを感じる。
そんなところもサーフィンの魅力だと思う。

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