その晩の降雪は一切なし。
代わりに、朝は「ぎゅーーっ」と音が聴こえてきそうなほど冷え込んだ。
夜中にフと思い立って車外に出てみると、肌を刺すような寒気の中、驚くような数の星が天空を埋め尽くしていた。
「息を呑む」とはまさにこのこと。まっことビューティフル。

杉ノ原スキー場の駐車場に着いたところでちょうど日の出。
これまたビューティフル。
運動するためにわざわざこんなに寒いところまで来ているワケですが、こうして自然の「気」のようなものを五感で感じ取るだけで、運動以上に健康になれるような気がしてしまう。

杉ノ原のピステンが硬くないことを祈りつつ、この日も『TT168ミズメヒノキ』。
前日まで一日曇りの予報でしたが、どうやら晴れてくれるらしい。


ついゴンドラ直下を走る全長3kmを超える『白樺コース』に吸い込まれそうになってしまいますが、その気持ちをグッと堪え、三田原エリアの『パノラマゲレンデ』に向かう。
森の中を走る白樺コースとは違って、こちらは日差しを遮るもののないオープンバーンなので、雪面には日の出から陽が当たるため締まった雪が緩むのも早い。
白樺コースに較べれば短いが、それでも全長が2kmに迫るロングコース。そして、カービング道場と言っても差し支えない適度すぎる斜度とワイドなコース幅が魅力。誠に素晴らしい。


んで。想像以上にヨカッタ。
あまりに良過ぎて、TTだとちょっと怖いくらい。
頭ではイケることは分かっているのですが、どこかで横にすっぽ抜けてしまいそうな強迫観念に囚われてしまう。
あとで動画を観返したら、まあまあおっかなびっくり滑っている様子がしっかりと映っていた。
とはいえ、こんなにヒリつくスノーボーディングそうそうできない。

皆さんスキー場上部に行かれたようで、こちらは空いたまま。
ありがたくおかわりさせていただく。美味しいピステンをしつこく5本回し。
3本めからすでに腿筋が悲鳴を上げているがやめられない。
真剣にTTと向き合ってしまった。っていうか、真剣さが足りないとTTというボードには乗っていられない。

それからスキー場最上部へ。
カメラスタンドが設置されており、それを見かけるとつい記念写真を撮ってしまう。
ここからの眺めがまた素晴らしい。


標高が高く気温も低いことに加え、風も当たるので、ここの斜面は硬くなることが多いのですが、この日は締まりながらも、エッジがよく噛むとても滑りやすい斜面。
ここは林間コースと言ってよいコース幅のため、いつもまあまあ混み合うコースなのですが、この日の杉ノ原は成人の日の三連休のあとの平日ということもあってかとても空いていたため、そこそこ飛ばして抜けて行くことができた。
ちなみに、体感的には来場客の99%が外国人観光客。つまり、この人たちがいなかったら来場者数は1%。
これを見るとインバウンド頼みも致し方なしと思わされる。

ここ杉ノ原では「平日20歳リフト無料」。
こういった次世代のスキーヤーやスノーボーダーを生み出すことに繋がる活動には両手を挙げて協力したい。
できることなら休日を含めて学生価格を復活させて欲しい。
インバウンドだけに頼らない、この国のウィンタースポーツ文化の持続可能性を確立させたい。


11時にクルマに戻り一旦休憩。
12時からスキーに乗り換え第2ラウンドに出かけた。
この日も『MAKE BC』。コイツホントに乗りやすい。
整地バーンはもとより、荒れた悪雪であろうと、雪面が柔らかろうが硬かろうが、コントロール性が失われることがない。
前回乗った『MASTIFF』は、ある程度スピードが乗ってくるとABSやトルクコントロールなどの電子デバイスが装備されていない素のクルマのように、一切気を抜くことのできないヤバい雰囲気がバリバリに漂ってくる。
対してMAKE BCは、ほぼフルオートでかなりリラックスして乗り続けることができ、そのぶんターン操作に集中できる。
私の場合これ一本あればゲレンデで出会うほぼ全ての斜面がカバーできてしまうだろう。
それはそれでちょっと寂しい気もして、たまにはMASTIFFでヒリつくスキーを味わいたくなる。
オールマイティでマルチな特性を持たされたプロダクトは、とても頼もしい存在になるが、単一目的に絞り込まれたプロダクトの放つ怪しげな魅力にも抗えない。
それはSPEEDMASTERとTTの関係によく似ている。
オッサン心は複雑なのだ。

スキーでもパチリ。
バリバリのスノーボードウェアであるGREEN CLOTHINGですが、意外とスキーでもイケるな。
天気予報では14時あたりから雨マークが付いてたものの、結果的にこの日一日雨は降らなかったのですが、このあたりから曇りはじめてきた。まあ午前中だけでも太陽を拝めたのはラッキーだった。

ここ杉ノ原スキー場も、スキーが楽しいオールドスクールなスキー場だ。
上越の雪は日本海の水分をしっかりと含んだ湿り雪が多く降るため、新雪が積もった日でも、昼前には雪面が締まりはじめてしまう。
スノーボードではまあまあ弾かれるそうした雪面でも、スキーならば何の問題もなく走り抜けることができる。
むしろ、硬いぶんスキーが良く走りながらも、エッジが強く噛み込んでくれるので、ハイスピードコントロールを存分に楽しむことができる。
そうした雪面をゴンドラ一本で3km滑ることができる。しかも、コース幅も斜度もスキーにドンピシャの設定とくれば、もう言うことなし。同じ西武系だからというわけではないが『富良野スキー場』に似ていると思う。
そんなわけで、ここも大好きなスキー場のひとつだ。
スキーで三田原エリアを3本滑ってから、3kmの白樺コースを一本やっつけたら帰ろうと思っていたのですが、白樺コースがあまりに気持ちよくてもう一本おかわりしてしまった。
白樺コースは一本滑っただけで十分削られるボリュームがある。そこを、すでにだいぶ体力が削られた状態で二本つづけて滑るというのはなかなかのチャレンジだ。
おかげで帰りの運転中から足が攣りまくるほど、脚を使い切ることとなった。
後日談ですが、このあとの2日間、腿筋の筋肉痛が取れませんでした。
久しぶりの方と極上のピスパウ・セッションした翌日に、噛みっカミのピステンバーンをTTと向き合い、スキーで脚がなくなるまで追い込むことができた。おかげさまで、内容の濃い素晴らしい2日間となりました。
妙高もまた、とても滑り甲斐のある場所であります。
もちろん、近々また来ますよ。
明日はこの日撮った動画をポストいたします。


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