大好きなあのポイントへ行きましょうか 2Days

あちこちで「近ごろはアソコにばかり行ってるよ」「アソコの波がまとまってるらしい」なんて噂話をよく耳にするようになった。
私もそろそろアソコに行きたい。
と、毎日アソコの波情報をチェックしていたら、念じれば通ず、水曜あたりから「この週末はアソコ向きのウネリが入りそうだ」と予報も変わってきた。
他ならぬatuもアソコ好きの一人なのですが、この週もatuと海に行こうと話していたのでこれはグッドタイミングか、はたまた神のお導きか、アソコに行くっきゃない。と相成った。

朝、意気揚々と海に向かうと、残念ながら予報図から感じられたような波のサイズではありませんでしたが、このポイントらしいトロ厚めな波がきちんとブレイクしていた。
ここはそもそもショートボードの方々はあまりいらっしゃらない、どちらかと言えばロング向きのトロ厚い波が立つ場所なのですが、この日は特にロングさん達がほとんど。
ウネリから波をさらって行かれてしまうので、ロングさんと絡まない場所取りがとても大切になるのですが、100mの範囲にピークが4つほど現れ、しかもこの日は1分かからずに次のセットが入って来ていたので、ほとんど悩み無用の状況でありました。
つまり、Happy Hour。

そして、この日の最大のトピックを発表します。
クイーバーの中から2本放出してまで買ってしまいました。
『Ellis Ericson LITE KITE 7’2』通称『MID KITE』。

この画像の光の入り方だと余計に、こいつのボトム形状が浮き彫りになる。
ボード中央の排水性、水の剥離性を高め、スピードを稼ぎながら、一旦集めた水流をサイド方向に効率的に開放させることで、ターンのキレと、ターン時の速度アップを目指しているところはエリス・エリクソンのお家芸。

LITEKITEは、そんなエッジボードというデザイン潮流を現代に再現するエリス・エリクソンの新たな解釈なのですが、私的注目点はやはりクワッド・フィン。
ちなみに、この赤いフィンはボードに付属する専用フィン。
これまで私が経験してきたEllisのボードはすべてシングルフィンだったので、それによる変化が一番のお目当て。

先日、先にatuが手に入れていた『LITE KITE 6’4』に乗っていたので、おおよその方向性は掴んでおりましたが、私としては7’0以上で試したい気持ちが大きかった。
とかいう話はもちろん後付けで、1年前に『Hybrid Hull 7’6』を買ったショップで「実はすでにMID KITEをショップ在庫としてオーダーしてあるんです」と聞かされており、「考えておきます」とかなんとかうそぶきながら、約1年間、そのショップにこいつが到着するのを心待ちにしていた。
なので、atuに乗らせてもらう以前に私の頭の中は7’2に支配されていたわけだ。

そんなわけで、この数ヶ月前に手に入れていた『Hybrid Hull 6’10』は完全な計画外。というか衝動買い。
まあいつ現れるか分からない中古を計画的には買えないので、衝動的以外に買いようがないのですが、2〜3ヶ月の間にはショップにMID KITEが到着しようかと言ったタイミングで、Hybrid Hullにまで手を出そうとは、自分でもまあまあ呆れた。
一応言い訳をしておくと、私のような輩は意外に世間に多く存在していて、Ellis Ericsonに限らず、人気シェイパーのユーズドボードはあっという間にホールドになってしまうので、見つけたときの一瞬の判断が明暗を分ける。そして、6’10はホントに買って良かったと思っているので、結果的には自分の決断を褒めてあげたい。

くれぐれも良い子の皆さんは計画的に、きちんとオーダーして買いましょう。

6’4では「ちょっとテールが引っかかる感じで遅いなあ」と感じていたLITE KITEでしたが、7’2だとそうした印象は緩和されていた。
atuの6’4は私の7’2に較べてロッカーも効いていたのでそこも影響しているようにも思う。
Hybrid Hullではトップのハルボトムからはじまって、中段からエッジを峯としたコンケーブへとつながっていくのですが、LITE KITEでは逆にテールセクションに向かってボトムに与えられた造作はゆるやかにフラットになっていく。
これによって4本のフィンに最大限の仕事をさせようと意図されているものと想像される。
トップがスルッと滑るようにフェイスに落ちていくHullボトムを採用するHybrid Hullに対して、LITE KITEはトップからフェイスを喰って行く。
走り出しはトップのステア効果を利用して、ターン後半はクワッドフィンのリアステアの効果を引き出す意図が持たされているものと想像される。
その意図を垣間見るのがこれからの目標だ。
この日の波はサイズが大きくないので、深いターンを描ける場面にはほとんど遭遇しませんでしたが、このサイズの波でも、充分その可能性を私に感じさせてくれた。

そして、MID KITEに関しても、走り出しの印象は他のエリスのボードと同一線上にあって、こちらも乗り換えに際しての違和感はほとんど感じずに済んだ。
Hybrid Hullの6’10への乗り換えに際してもまったく違和感がありませんでしたが、ボトムデザインに、フィンセットも違うMID KITEへの乗り換えでも変わらないのだから、デザインの目的に関する一貫性には驚かされる。

気楽に味変できるという意味でも、この2本の組合わせはベストと言っていいだろう。
そして、そこに最後の一伸びが最高に気持ちイイ『Tri-Plane Glide 8’0』が揃えば、私にとって、まさに最強のクイーバーだと言える。というわけで、エリス・エリクソンには完全にハマってしまった。
私にとって、まさに沼であります。もちろん良い意味で。

サイズが落ちたり、持ち直したり、一進一退を繰り返しておりましたが、ブレイクはし続けてくれていた。
あ〜〜楽しい。
そして、海も私のお腹がいっぱいになったことを知ってか知らずか、11時前に波数も減って閉店ガラガラ。

あ、すっかり言うのを忘れてましたが、atuは前日に接待で飲み過ぎて完全な寝坊。
私が1ラウンド終える頃に到着した。
代わりに私がたらふくおいしい思いをしておいたのでまあ良いだろう。

このポイントが夕方に持ち直すことも考えられたが、あまり期待できないので、atuと2人、ユウタくんのいる波崎に移動することにした。

波崎の方はと言えば、逆に風の影響を受けていて面はあまり良くなかった。
ユウタくん、atuとランチブレイクしながら整うのを待ち、サラッと現れたSBYさんも合流して、4人で13時半頃からこの日の第2ラウンド(もちろんatuは第1ラウンド)に入ることになった。

一番ブレイクのハッキリした位置から入ってみたのですが、最初はスルッとゲッティングアウトできたものの、一本乗ったら矢継ぎ早に襲いかかる白波に完全にハマってしまった。
第1ラウンドとはうって変わっての修行系。
ブレイク直後のやつがまあまあパンチがあって、あと一歩というところで3mくらい押し戻されてしまうのはこのテの波の日のあるあるだ。
ピークを避けて行けば行ったでショルダーから乗ってくるサーファーを避ける必要が出てきてしまい、結局ピークブレイクに呑まれて押し戻される。の繰り返し。
ちなみに、SBYさんはスルスルッとゲットして行ってしまう。
単なる実力差、体力差であることは一応申し上げておく。

仕方がないので波数は少ないが南側の方がゲットはしやすいのでそちらに逃げることにした。
そちらから先ほどまで引き戻されていたポイントに横移動で忍び込む。あ〜〜〜めんどくせぇ。
そんなこんなを繰り返している間に全体的にサイズが下がってきて、ゲットの苦労も軽減されたのですが、乗ったら乗ったで捕まりがちな波でなかなか切れ目から入れなくなっているのもいつものパテーン。
ゲットに苦労しない状況ならそんな波でも楽しく遊ばせていただくのですが、こういう苦労の報われない波に遭うと愚痴っぽくなってしまうのはご勘弁いただきたい。

面もキレイ、波間もゆったりあって、ゲットがしやすいのに、ハラ〜ムネの厚い波で、テイクオフにもほとんどパドルも要らない。そんな波が途切れることなく繰り返しブレイクしてくる夢のような海もあったりするので、どんなにひどい目に遭ってもサーフィンってやつは止められない。
ちなみに、朝入ったアソコのポイントでは、そうした夢のような思いをたくさんしている。

そんな、お世辞にも美味しい波乗りではありましたが、そんな中でも気持ちの良いヤツに数本乗れたりする。
それはそれで波乗りだ。ヤセ我慢でもなんでもなく満足できるくらいには、私も成長している。

その晩。
私、atu、ユウタくん、そして私たちと入れ違いに、夕方から波崎に入っていたハラディくんの4人で、波崎の居酒屋で慰労会という名のただの飲み会。
ハラディくんは、ユウタくんの紹介で私の持っていた『Mandala Clandestino』を譲った人で、これまで海では何度か一緒になった事があったが、お酒を酌み交わすのはこれが初めて。
それなのに(それだから?)いつも以上に盛り上がってしまい、すっかりオープン〜ラスト。
波はアレでしたが酒は裏切らない。って、前にも書いたな。まあいいや。とにかく楽しかった。

翌朝。
スケートをしに筑波まで行くという(どうかしてるぜ)ハラディくんとは別れ、atuとユウタくんと7時過ぎまでウダウダして、変わらず風の影響でバッサバサの波崎に見切りを付けてこの日もアソコにやって来た。

前日の第2ラウンドに較べればグッと抑えめのヒザ〜モモではありましたが、たま〜〜に来るコシ〜ハラセットを捕まえられれば1アクションくらいは入れられるフェイスを滑ることができた。
波にパワーもあったのでそのままスープに乗っていけばインサイドまで長くつなぐこともできる。
ラインナップのすぐ手前まで歩いて行けるくらいの遠浅で、ラインナップに着くと次の波が来るナイスなルーティン。まさに有頂天。
やっぱり“めっちゃホリデー”なサーフィンはこうでなくっちゃ。
でも、海の神様、たまには例の夢のようなヤツもください。お願いします。

というわけで、atu、ユウタくん。またよろしく。

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