R18 リバースギアユニットにリコールが出た話

R18のリバースギアユニットのシーリングに問題があり、漏電して場合によっては発火の可能性があるという不具合を、国交相に届け出たことを知らせるBMW Motorradからの封書が家に届いた。

「リバースギアなんてあんまり使わないでしょ」とか思っていたし、確かにほとんど使うことはない。
試しに使ってみたことを除き、必要を感じてリバースギアを使ったのはこれまでで3回ほどだ。
ただ、その3回のいずれもが「もしリバースギアがなかったら」と考えると背中にかなり冷たいものが走る場面だった。回数は少ないながらもリバースギアを使う時とは、それなりの緊急事態だということだ。

休憩する時など、さっさと駐車してトイレに駆け込もうと、何も考えずに空いたスペースにすっとオートバイを入れて停車してしまうことがほとんど。
でも、ごく稀にフロント下りになる傾斜地があったりする。
駐車スペースにされているのですから、ほんのわずかな傾斜なのですが、跨いで足で押そうとも、立ってハンドルを掴んで引っ張ろうとも、うんともすんとも言わない時がある。
そうした時に「リバースギアがあってホント良かった〜〜〜〜〜〜〜〜!」と心から思う。

今回のリコール対策は、恒久的な対策が施されるのではなく、恒久的な対策が用意できるまで、リバースギアに電流が流れないようにする措置でしかない。つまり、その間リバースギアが使えないのであります。
そして、その対策期間は未定でディーラーの方は春までかかるだろうと予想する。

「おいおい!」

とR18オーナーの誰もがツッコむだろう。
私のR18は一番装備が簡素なPureなのですが、それでも動かせない時があるので、重装備バージョンのClassicやIntercontinentalであれば「乗るな」と言われているのと同義。

届いた封書には「リバースアシスト機能が使えない期間の補償として、BMW Motorrad純正アクセサリー(R18専用)を無料で提供いたします」と書いてあった。
かなり珍しいリコール対応だ。少なくとも私は聞いたことがない。
それだけメーカーも火消しに必死ということか。

といった他人事は棚に上げて、セコイ私はその補償とやらに引き寄せられてしまう。

リバースギアが使えなくなる処置を受ける私のR18。
ちょっとだけこの子が不憫に思える。

この作業中になってやっと「無料で提供されるもの」の実態が明かされた。
購入時の車両本体価格の4%にあたるR18専用の純正パーツを無償で提供してくれるのだという。

R18 Pureは車両本体価格2,668,000 円なので、私の場合106,720円までの純正パーツがいただけることになる。
R18の純正パーツが対象で、純正アクセサリーを含む専用でない物品は対象外。私は返す刀で二言目には「サービスインクルーシブは対象ですか?」と聞き返したが「ダメです」と一刀両断にされた。

純正アクセサリーの値段設定は市価の2倍くらいのイメージなので、実質的には5万円程度の補償でしかない。もちろん今回の暫定的なリコール作業に出さなければ補償は受けられないのですが、それ以外にも裏ルールがある。
クーポンを使ってのアクセサリーの注文は、恒久的な修正の対策実施日が発表される前に、ディーラーにそのアクセサリーが届いている必要があること。しかも、ショップ在庫は不可で、このために発注されたアクセサリーが対象なのだという。この「ディーラーに届いていることが必須」であるところがミソ。国内に在庫がなければそれだけ時間がかかるため、その注文ははじかれてしまう。補償金額内なら何でもいい訳ではない。時限性の裏を巧みに突くルール設定だ。
これらは私が聞いた話で書面になっているわけでもないので、私の聞き間違いや勘違いも含まれてるかもしれないので悪しからず。
とはいえ、真剣に申し訳ないと思ってんのか?と感じなくもないのですが、本来なら「ごめんなさい」の一言で済ませてしまうところにこの超例外的な措置を思えば誠意は尽くしていると言えるか。

もちろん私はその作業を待つ間にアクセサリーカタログ(WEBサイトの「見積もりシュミレーション」で確認できる)でアクセサリーを決めてその場でお願いした。

というわけで、現在リバースギアは使えない状態。これからツーリングに出る機会の減る冬になることがせめてもの救いだが、うっかりの多い私に駐車時の注意力を維持できるか、甚だ心配だ・・・・・

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