HEAT MASTER LT ヒートインナージャケット〜暖かツーリングのちに故障

BMW R1200Cが私にとって初めてのグリップヒーター装備車でありました。
以来、電気式のオートバイ用暖房機器はなくてはならない冬の相棒となり、すぐに『WIDDER』の電熱ジャケットを手に入れることとなった。
これも一度使うともう離れられなくなる逸品で、かれこれ20年近く使っている。

R18にも純正でヘラソケットが装備されるので、R18でもWIDDERを使ってみたのですが、ソケットにプラグを刺しても待てど暮らせどジャケットの電熱が暖かくならない。
電源コードを確認するとコードのゴム表皮が劣化して割れているところもあり、コードを全て新しいものに取り替えてみたのですがそれでも電源が入らない。
調べてみると、イマドキのBMWのアクセサリー電源ソケットには5Aの制限がかけられていることがわかった。
すでに20年選手なので他が断線するなどして壊れてしまっている可能性も否めませんが、WEDDERは7A以上使用するのでどうやらそれが原因だったようだ。

というわけで、電熱ジャケットの買い替えを余儀なくされた。
当時は輸入物でしか手に入らなかった電熱系装備ですが、今では様々なブランドから販売されている。
どれにすべきかかなり悩まされたが、市販品としては世界初を謳う、わずか5㎛という極薄のカーボンナノチューブフィルムを発熱材料に採用したというこちらの『HEAT MASTER ヒートインナージャケットLT』にした。

なんとハンドルマウントできる無線リモコンも付属する。
便利なのかどうか、意見の分かれるところかと思うが、ハンドル周りがこれ以上煩雑になるのは避けたいので、使ってみてあまりメリットが感じられなかったら使わないことにする。

「 LOW」「MED」「HIGH」と、発熱量設定は三段階。
こちらの丸いスイッチを押す度に設定が変わり「緑」〜「青」〜「赤」と変化してモードを報せる。
なぜか押す度に変化するモードは「MED」〜「 LOW」〜「HIGH」の順になっている。
なぜ低い順に並んでいないのだろう?「 LOW」から始まってもすぐにパスされてしまう程度にしか温まらないということなのか?
「サーミスタ」と呼ばれる半導体素子で低温火傷を抑止しているそうで、異常高温になった際には自動で電源を落とし、温度が下がったら自動で電源が復帰するのだそう。

一緒に写っているのは、無線リモコンを付けるならこちらを付属させておいて欲しかったヘラープラグの電源コード。併せて購入した。

こちら以外に「LT」のないHEAT MASTERもラインナップされているのですが、そちらとは互換性がない。ちなみに「LT」が何の略なのかは分からないのですが、LTが今シーズン新発売された最新モデル。
そして、両者には消費電力についても違いがあり、ヒートインナージャケットLTで5Aに改訂されたようだ。
つまり、最新機種のオートバイにはR18を含むBMWのようにアクセサリー電源の使用量に制限をかけられているモデルがそれなりに存在しているということなのだろう。
LTシリーズにも電熱インナーパンツやグローブなどがラインナップされているのですが、それらも追加で使用すれば使用電力は増えるので純正ソケットから電源を確保する限り、それらを追加して使うことはできないものと思われる。
いずれにせよ小型のバッテリーを装備するハンターカブで、この電熱ジャケットだけでも使うのはかなりリスキーだ。

発熱素材が極薄だとか大袈裟な言い方をしているのは、オートバイ乗車時の重ね着は上半身の操作性を妨げるから。薄くて柔らかいジャケットの方が良い。もちろんその方がシルエットも良くなるので見た目的な効果も期待できる。
身長178cm。体重78kgの私がLサイズを着てほんの少しゆとりを感じる程度のほぼジャスト。
ゆったりさせ過ぎると今度は発熱素材が体から離れてしまうため暖かみが下がってしまう。

実際に先日の赤城山ツーリングで着用してみたのですが、一番に驚かされるのは本当に1秒で暖かみを感じられること。WIDDERは少なく見積もっても暖かさを感じるまでに30秒はかかったので、これはまさに「即暖」を超える「瞬暖」と言っていいほどの性能。
ただ、WIDDERの方が使用アンペアが高いことに加えて、熱線が配置されている面積が広く、私はアームチャップスも装着していたので、上半身くまなく暖かくなったのに対し、HEAT MASTERは背、胸、腕のそれぞれ局地的に暖かくなる印象。
中でもWIDDERは襟の部分にも熱線が配置されており、首が暖かくなることのメリットは言うまでもない。
HEAT MASTERの方が薄手で軽くできており、着心地も良いのですが、暖かさだけで言えばWIDDERの方が格上。
とはいえその差は較べなければ分からない程度の差でしかない。HEAT MASTERが初めての電熱ジャケットならこの性能に文句を言う人はいないだろう。

と、このジャケットを褒めはじめたところで問題発生。
赤城山からの帰り道、勝手に電源が落ちるようになってしまった。
再びスイッチを押せば電源が入るのですが、5分としないうちに電源が切れてしまう。
「MED」「HIGH」に設定すると瞬間的にでも5Aを超えてしまうのかもしれないと思い「 LOW」に設定してみても電源が切れてしまう。サーミスタの温度管理かと思ったが、体感的に寒くなっても電源は復帰されない。

スマホのワイヤレス充電機もアクセサリー電源から引っ張っているので、それとの合算で定格値を超えているのかもしれない。と、車体の方を疑っていたのですが、別の日に使った時にはジャケットの電源すら入らなくなってしまっていた。

おいおい。まさかの故障かよ。
(つづく)

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