
バックカントリー愛好家と同じくらい、ハイカーの方々もいらっしゃっており、この日の至仏山の山頂は大賑わい。
当たり前だがハイカーの方々はここから歩いて下山する。シンジラレナーイ。
正面に見える雪に覆われた真っ白い広大な平地は「夏が来〜れば思い出す〜はるかな尾瀬とおい空〜♪」の、尾瀬ヶ原。その奥にそびえるのは燧(ひうち)ヶ岳。この山も滑れるらしい。

いそいそと滑走準備を始めたら、さっきまでかけていたはずのサングラスがなくなっていることに気がついた。山頂碑の前で記念撮影したときに撮っていただいた方のことをお返しに撮ってあげたときにサングラスをかけたままだと液晶が見えなかったので、帽子の上に掛け直したはずなのに。と、大騒ぎして二人に迷惑をかけたのですが、そのあとサングラスはジャケットのフードの中から出てきた・・・おでこに着けた状態で「ないない」言うよりはマシだが、ほとんどおじいちゃんだ。凹む。


そして11時40分ドロップイン!


噂には聞いていたがすごい大斜面だった。
「だった。って、ここに来るのは2度目のはず」と思ったそこのあなた。そうです。前回はガスに包まれた真っ白い世界での滑走でしたので、この大斜面を目の当たりにするのはこれがはじめて。
確かにバックカントリー冥利に尽きる大斜面なのですが、登る時にはあれだけ惑わされた縮尺法は、滑る時には採用されない。すぐに滑り終えてしまうのはなぜだ。
これだけ汚れの浮いた雪面でしたので、それなりに覚悟はしておりましたが、案の定、汚れ雪に板を掴まれた。
ただブレーキもほどほどで済み、ギリギリ走ってくれた。
とはいえ、足裏には常にマイナス方向の荷重を感じており、この斜度なのである程度速度が乗ったところで急激に掴まれると大前転になるだろう。というネガティブな想像に頭が支配されてまったく気を抜くことができない。
実際、鳩待峠に帰着する頃に大斜面方面を旋回するヘリコプターのプロペラ音が山に木霊した。
あとから分かったのですが、転倒して大怪我を負ったスキーヤーを回収に向かったものらしい。
もちろん状況は分からないが、滑走ワックスが雪に合っていなければ、かなり急激に板を掴まれただろうことは想像に難くない。


そうして森林限界を過ぎ、再び森の中へ。
振り返った至仏山はすでに遠い過去。あっけないなあ。


最後は沢沿いをトラバース。
春用の滑走ワックスのおかげでなんとか止まらずに滑り抜けることができたのですが、登りと大斜面滑走で、ほぼ体力を使い切ったこのタイミングでスノーボードで滑る沢トラバースは体力的にかなり辛い。
という今回の滑走の模様を追った動画を編集したのでご覧ください。
※音楽が流れます。試聴の際はご注意ください。
今回もバックパックに自撮り棒を刺して撮影したのですが、伸縮のロックが甘かったようで、滑走中に自撮り棒が勝手に縮んでしまった。そのため途中から画角が下がってしまい広大な景色がほとんど映ってない・・・そういうのアリかよ。

すっきりと滑ってくれないストップスノーに加えて、足下から川の流れの音が聞こえてくる沢沿いを気を遣いながら滑り、ボトムに着いた時は文字通りのバタンキュー。やり切った〜〜〜


ここでゆっくりランチを摂ってから、最後の登り返しをこなし、13時30分、鳩待峠に帰着した。
途中では苦しい思いの方が気持ち良さを上回ってしまうこともしばしば。それでも帰着すると楽しさの方が数倍上回っていて、数日するとまた登りたくなる。(そして一年すると登りの苦しさの記憶の方が勝りまた億劫になる)まったくもってバックカントリーは不思議な遊びだ。
マッチャン、ミナちゃんありがとう〜〜楽しかった〜〜〜!
これに懲りずにまた付き合ってね〜〜!
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