この週は台風の進路にやきもきとさせられていたのですが、台風の進路は南寄りで、海沿いをのぞいて影響は少なそう。
降水確率はそれなりに高くなるので、前もっての計画的な行動は難しいが、晴れの日なんて贅沢を言わずに、前日の判断で動ければ日帰りツーリングで出られそうな日を見つけられる。
そんな金曜日に日帰りで出かけることに決めた。
目的地は、何はなくとも「ほうとう(餺飥)」を食べること。
こういうときは山中湖に向かうのが定石だったのですが、今回は奥多摩湖を絡めて河口湖に行くことに決めた。

まずは奥多摩湖に向けていつもの青梅街道を行く。
ところなのですが、近頃のお気に入りは並行する吉野街道の方。

いつもの奥多摩湖。
気温は15℃ほどだろうか。これまでの連日の猛暑日が嘘のような手のひら返しに体がついていけない。
でも、レザージャケットがちょうど良い季節になったのはかなりウレシイ。

奥多摩周遊道路に向かう道をパスして139号線を大月に向け走らせる。
画像は『道の駅こすげ』。
寒さはいよいよマックス。ここで虎の子のインナーをレザージャケットの下に着用した。


ロングホイールベースのR18でも、きっちりとアクセルを開けていける適度な中速コーナーがつづく。

ふかしろ湖と

深城ダム。
峠道とダムはいつもセット商品。
巨大建造物好きの私としては一挙両得なのであります。

大月を抜け『甲州ほうとう小作 河口湖店』に到着。
大月から河口湖までは市街地走行になるのではっきり言ってつまらない。
次に来ることがあったら大月から河口湖までは高速道路の『富士吉田線』を使うことにする。

この日の小作 河口湖店は平日でも多くの外国人観光客で混んでいたのですが、それでも待ち時間は20分程度ですんだ。座席数は山中湖店と同じくらいなのですが、ウェイティングシートに名前と人数を記入した後に店の外で待つ山中湖店とは違い、河口湖店は店内で立ったまま待つことになる。もちろんどこで待っていてもいいのですが、呼び出しがかかるのは店内なので店内で待つことになり、そのため入り口付近はまあまあ騒然となる。
そのときに周りが外国人だらけだとかなり落ち着かない。

とはいえ、座席に案内されてしまえばこちらのもの。
心置きなく『豚肉ほうとう』を味わわせていただく。
いつ食べても、何度食べても美味しいが、真夏よりも気温が下がり始めた今頃の方が尚のこと美味しく感じる。大満足。

食後、何はなくとも河口湖に移動して一休み。
残念ながら、この日の富士山は重い雲に隠されてしまっている。
山中湖と並んで「富士五湖」の中でも大きな面積を誇ることはご存知かと思うが、美しさでいうと残りの三湖の方が人気があったりする。


こちらは『西湖』。
商売っけの薄さが湖の美しさを引き立てているように思う。
つまり、湖の美しさは人間の侵食具合、開発具合に反比例すると言って過言ではない。
と、ここで唐突に聖地巡礼を思いついた。
バカリズム脚本、市川実日子主演の日本テレビ系のドラマ『ホットスポット』は、明らかに富士吉田市をもじった「富士浅田市」が舞台。
「ホットスポット」の意味は紛争地域であったり、犯罪多発地域、Wi-Fiスポットなどさまざまありますが、このドラマの指すところは“超常現象多発地帯”。
その象徴的な存在として、日本一の霊場である富士山がいちいち背景に映り込んでいた。
そこで見せられていた富士山の存在感がまた素晴らしく、ぜひともこのドラマのロケ地で富士山を眺めてみたいと思っていた。
この日の富士山は言ったように雲に隠されておりましたが、山の天気は気まぐれだ。特に夕方に向けて風向きが変わる可能性は高い。もしかするとワンチャンあるかも。

そうしてやって来たのがドラマの主な舞台となった『精進湖』(劇中では浅ノ湖)。
まだ雲がかかっておりましたが、富士山もその姿を現してくれた。しかも上空を覆っていた雲も抜けて晴天になってくれた。ここでも日頃の行いの良さがでてしまった格好。

中でも一番象徴的に富士山がフィーチャーされたのが、浅ノ湖のほとりに建つホテルの従業員である市川実日子演じるきーちゃんが、小日向文世演じる実は未来からやって来た未来人に、このあと富士浅田に起こる未来の出来事を聞かされるベンチからの眺め。
『他手合浜』には撮影に使われた時と同じ場所に、今もベンチが置かれていた。
やっぱり、テレビで見るほど富士山は大きく見えない。カメラマンのレンズ操作の極み。そりゃそうですよね。

そして、きーちゃんが働くドラマの主な舞台『レイクホテル浅ノ湖』に仮装された『精進マウントホテル』は他手合浜の目の前にあった。
私にとって、ここは聖地というほど尊い場所では決してないのですが、あまりにそのまま過ぎてかなりアガる。
ここ以外にもいつも主人公たちが集まる喫茶店『もんぶらん』も、その名の通りに今も営業されているそうで、そちらにも行きたかったのですが、ドラマが放送された直後には入店に5時間待ちとも言われていたのでやめておいた。

言ったように混雑した市街地を走らないとならない大月に引き返すルートは気が乗らないので、帰りは甲州市から以前も走った菩薩峠を抜けて奥多摩湖に至る青梅街道を走ることに決めた。

途中の笛吹市を走っていて、ふと「リニアの見える丘」の看板が目にとまり『花鳥山一本杉公園』に寄ってみることにした。
実は大月から河口湖に向けて走っていた時に『リニア見学センター』の看板を見かけ、この日に試験走行が実施されることは調べていたので「もしかして見られるかも」と皮算用しての行動。
背景に見える長い高架橋がリニアモーターカーの試験線。
すると、「もうすぐリニア来ますよ」と、カメラを構えたお父さんに声をかけていただいた。

どうして来ることが分かるのか?と思ったら、公園内にある東屋の中に試験走行中のリニアモーターカーをモニタリングできるモニターが設置されていて、リニアの居場所が分かるようになっていた。
ただ、直後に実験センターの位置で列車速度は0km/hになってしまい、それから30分ほどモニターを見守りましたが、リニアモーターカーはそのままそこから動くことはなかった。残念。
リニアモーターカー事業に対しては、環境的にも、社会的にも、経済的にも影響が大きく、さまざまな意見があることは承知しているが、私のいちばんの懸念は、完成時にはすでに時代遅れになってしまってはいないだろうか?ということ。だって、ドローン型の長距離タクシーとか、もうすぐ完成しそうじゃないですか。


画像はフルーツラインの途中にある『牛奥みはらしの丘』から夕焼けに染まる甲府盆地を見渡したところ。
ここもとても良い道でありました。

そうして家に着いたのは陽もすっかり暮れた19時頃。
今回も満タンで出発したガソリンタンクがちょうど空になる距離となった。
BMWのことだから、1日に安全に走れる距離を想定してタンク容量が決められている可能性は高い。
一泊して二日走れるツーリングにも出たいが、この日帰りルートもとても気持ちの良い道程でありました。
またほうとうを食べに富士五湖に出かけよう。


			
			
			
			
			
			
			
			
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