というわけで、R18乗り心地改善計画に着手することにする。
兎にも角にも、 一番に試したいのは フロント荷重を下げること。
そのための第一歩として、リアの車高を下げてみようと思う。
もちろんフロントフォークを長いものと交換するのが一番の近道であることは言うまでもない。とはいえ
フロントフォークごと交換したらとんでもない予算が必要になる。
という皮算用もありながら、リアの車高を下げることからはじめ、まずはその考え方が正しいのかどうかを探ることからはじめることにする。

私が装着したドラッグバーを出しているUNIT GARAGEからもOHLINS製のリアサスペンションが出ていて、かなりそそられるのですが、ストローク量が3mm追加され、シート高が10mm高くなると書いてある。
そのまま受け取れば、私の求める方向とは真逆の設定だということになる。

つまりはこちらの倒立サスペンションを併用しろと言うことなのだろう。だとすればリアサスペンションだけ装着しても何も改善しないどころか改悪にしかならない。ちなみにお値段併せて80万円(送料別)。
UNIT GARAGEのものでも車高が上げられるように見受けられるが、そもそもこれらのカスタムパーツが、どういった方向を目指しているのか、想像はできても確たる記載がないため、80万円を払える身分だったとしても、これには手を出しづらい。
ここはやはり、実際に自身で買って、乗って、同じ課題を抱えて調整を繰り返している(日本語の通じる)ショップの意見に耳を傾けたいところなのですが、まだまだ市場に出回りきっていないR18なので、そうしたショップはまだ少ない・・・
・・・と思いきや。あるのであります。
それが佐賀にある『ライダーハウスドリーム』。
未知数な部分も多いR18のカスタマイズをコツコツと繰り返してくれていた。

数種類のR18用のサスペンションをテストしてきたライダーハウスドリームがリコメンドするのは、タイに本拠をもつ『YSS』というサスペンションメーカーのもの。
私はその名前もまったく知らなかったのですが、知れば知るほど性能に関して有名メーカーに勝るとも劣らない品質を実現していることが分かった。
そして何より、その低価格が魅力。もしもの場合も諦めがつくし、まずは私の想定が当たっているのかどうか、試すにはもってこい。高額な有名メーカーの品を試すのはこれのあとからでも充分だろう。
話を聞くに、こちらは乗り味よりもローダウンという見た目をまず重視してパーツの開発に取り組まれているようでしたが、前後サスペンションとも跳ねる傾向にあることは感じられていて、それを改善することも念頭におかれていたとのこと。
自身で乗って試されていることで、同じR18オーナーとして痒いところに手の届く経験値の高さが短い電話で話した中でも窺い知れた。
ノーマルの全長390mmに対して、アダプターの交換で370、380mmの全長が選べるライダーハウスドリーム・オリジナル設定のローダウン仕様リアサスペンションも販売されている。
どちらもオリジナルの黒バネ(国内正規品は赤バネ)が奢られ、+−5mmの車高調整機構が付く。
なので、ノーマルと同じ390mmでも全長を385mmに設定することができ、リアの車高を10mm下げることができる。
当然車高を下げればバンク角が減る。R18のようなオートバイでバンク角を気にすることに違和感を感じる方もいるかもしれないが、意外とすぐにステップを擦ってしまうので、車高を下げ過ぎたくもない。
リアの車高を10mm程度下げれば諸症状は改善するだろうと見込んで全長390mmのものを購入させていただくことにした。
というわけで、交換作業開始。

いきなり脱線するが、スマートキーの受信機がシート下にあると取説にはあった。
オマージュシートに変更した場合はどうなっているのか気になっていたが、
やはり、オマージュシートの下に移設されていた。やはり自分で交換作業をすると、構造が理解できてとても勉強になる。
後日談:
私のR18はノーマルの受信機が移設されていたが、オマージュシートには最初から受信機が仕込まれていた。
つまり、受信機の移設は不要でありましたが、オマージュシートに仕込まれた受信機から生える接続コードが極端に短く、接続カプラーまでギリギリの長さであった。


その受信機のケーブルを外さないとシートを取り外すことができない。

ノーマルのリアフェンダーの場合、サスペンションを目視できるようになるまで、かなりの工数が必要になる。
ボバーフェンダーならネジを6つ外すだけでサスペンションは丸見えになる。それを考えればケーブルのカプラーを一個外すくことらい造作もない。

車体本体部だけを持ち上げて、リアサスペンションをフリーにしないとサスペンションを外せない。
センタースタンドのないR18にとって今回の第1関門はジャッキアップ。
ディーラーのメンテナンスを覗いていたからこそ、このジャッキポイントを知ることとなった。
やっぱりスパイ活動って大事。さておき、手持ちのジャッキで対処できたのはラッキー。
このジャッキも買ってからすでに20年以上が経っている。高かったけれど完全に減価償却が済んでしまった。


想定される第2関門は硬く締め上げられたリアサスを留める前後の12mm径のボルト2本を緩めることができるかどうか。
ここは確かに緩み止めが強めに効いておりましたがトルクレンチがあれば外すことができる程度で済んだ。重ねてラッキー。

こういった作業の場合、想定外の問題が発生するものなのですが、特に問題もなくスムースに作業は進んだ。
画像上がZF社製のノーマル。下がYSS。
スプリングのピッチの広さを見るにノーマルスプリングの硬さを感じさせる。
YSSには36段階の伸び側減衰機能が装備されるなど、各パーツの仕上げを含む品質感など、手抜かりのない高品質感を感じている。
問題ないどころか、カッコイイとさえ思う。

というわけで、サクッと交換完了。

これでリアの車高が1cm下がった。
ボバー仕様の場合、サスペンションが丸見えなのでプリロード調整も容易かと思いきや、シートをシートベースごと外さないとレバーを差し込めない。
スマートキー受信機のケーブルのカプラーを外すには、サイドカバーとその下にあるもうひとつのカバーを外してからでないとできないので、繋ぎっぱなしで手抜き作業をする。
フロント荷重を抜けば理想のハンドリングに近づくはずだという私の見立は、果たして正しかったのか、否か。
実走行での印象については次回お届けしようと思う。


			
			
			
			
			
			
			
			
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