Disney+ 『ガンニバル シーズン2』

Disney+で配信されている『ガンニバル』が完結した。
引き延ばすようにシーズンを重ねていくドラマシリーズが多い中、2シーズンで完結してくれるのはとてもありがたい。

人喰いの風習が残ると噂される人里離れた山間にある供花村に転属してきた駐在、阿川大吾。
供花村の村民たち、村を支配する後藤家の妨害をかわしながら、阿川がついに供花村に隠された秘密を暴くところで終了したシーズン1。

・供花村の狂気の象徴と言っていい「あの人」とは一体何者なのか?
・供花村を支配する後藤家の正体とは?
・供花村の村人たちはなぜ後藤家の言いなりなのか?
・供花村の村人たちは本当に後藤家に生きた子供をお供えしているのか?

・どうして人を喰うようになったのか?

シーズン2ではその秘密の全貌が次々に明かされていくわけですが、2シーズンで完結させるという意志の強さなのか、完結のさせ方がなかなかにスピーディー。
一気呵成に謎が解き明かされていくのですが、もちろんそこにはとてつもない闇があり、そうした闇の中心には誰よりも悲しみを背負わされた人間がいて、それでも強く生きていく意志と、自身を闇に堕とした者たちへの強烈な復讐心があったことも併せて知らされる。
そしてそこには誰であっても変わることのない家族愛が横たわっている。

人喰い人種のもつ抗えないサガを描いた『BONES AND ALL』は、一般社会からの逃避行を描いていたが、こちらの人喰いたちは、村社会を支配して安楽の地を築いてしまっている。ただ、そこに至るまでの物語は同様に愛ゆえの末路だ。

狩猟をして生計を立てる後藤家には大量の猟銃があり、陸の孤島であることをいいことに、後藤家の面々は家宅捜査にやって来た警官隊と戦争状態となってしまう。
国家権力を相手に喧嘩をしかけるほどに狂っている後藤家には、一体どういったルーツがあるのか。
ホラーとサスペンスだけでなく、バイオレンスアクションに関しても妥協なく描かれていくのは、配信ドラマシリーズならではのスケール感。

そして、そんな強大な狂気に臆せず、より大きな狂気で立ち向かっていく村の駐在、阿川を演じる柳楽優弥のキレっぷりにも注目していただきたい。
こうした期待を煽りまくる荒唐無稽な物語の場合、得てしてオチを知ってしまうと期待の高さに対してガッカリ。ということも多々ある。そもそも人が人を喰うようになる理由が明かされたところで、そこにハラ落ちするような説得力などあるわけがない。なので決して過剰な期待を寄せてはいけないのですが、理由なき狂気の中を狂気を武器に走り抜ける主人公の力強さが、そうした懸念を一気に吹き飛ばしているところが今作の一番の見どころだと思う。

(オススメ度:80)

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