ライアン・ゴズリング、エミリー・ブラント主演、デヴィッド・リーチ監督作品のアクション・コメディ大作『フォール・ガイ』であります。
今をときめく二人の共演でこの作品の価値の80%は埋まっているが、観終わればやはり『ジョン・ウィック』『アトミック ブロンド』と、アクション映画の歴史を塗り替えつづけてきたデヴィット・リーチの魅力が一番大きいことが分かる。
映画監督を目指すムービーカメラマンのジョディ(エミリー・ブラント)と、ハリウッドスター、トム・ライダーのスタントマンを務めるコルト(ライアン・ゴズリング)は恋人同士であったが、撮影中の大怪我を機に、コルトはジョディの前からも業界からも忽然と姿を消してしまう。
1年が経った頃、プロデューサーのゲイルから再びライダーのスタントをやって欲しいと話を持ちかけられ、その作品がジョディの初監督作品であることを知り、復帰を決意し撮影現場のオーストラリアに向かう。
しかし、ジョディは1年もの間、何の音沙汰もよこさなかったコルトを全く許していなかった。
実はゲイルはスタントの仕事ではなく、撮影中に失踪したトム・ライダーをコルトに探し出して欲しかったことを告げる。ジョディという餌に釣られて来ただけのコルトは当然のようにその要請を断るのであったが、ライダーを見つけられないとジョディの初監督作品が台無しになってしまうと半ば脅され、ジョディのために渋々捜索を引き受けることにする。
トム・ライダーの失踪の理由は?果たしてコルトはライダーを見つけ出し撮影現場に連れ戻すことができるのか?そして、ジョディとの復縁は叶うのか?
上記2作とは違ってド直球のアクション・ラブ・コメディなので細かいこと言わずに素直に楽しめば良いのですが、脚本がイマイチパッとせず、なかなか没頭できない。
アクションシーンはもとより、主演の二人の掛け合いのシーンなど、大枠はよく出来ているのですが、個々のエピソードのつながり方にひねりのない「ノリツッコミ」のショートエピソードが連なって見えてしまうため、折り返しの時点ですでに結末が丸見えになってしまう。大雑把な予定調和感が何とも寂しい、大人気俳優と大掛かりなアクションシーンの無駄遣いは、どこか『ウルフズ』に似ている???
(オススメ度:60)
なんてことはおおよそ想像がついていたし、だから劇場にも観に行かなかったわけで、そういう予感のする作品はAmazonで無料配信になるまで観ないようにしていた。
のですが、ここのところ劇場まで観に行きたいと思えるような作品も、配信を心待ちにする作品もなく、つい今作をレンタル料を払って観てしまった。そんな個人的な事情もあり、残念感が高くなってしまったのかもしれない。
なので、無料配信になってから観れば、素直に主演の二人の魅力を堪能できると思います。って、ぜんぜん褒めてないか。
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