私は使わなくなったアイテムはさっさと手放して、それを元手に新たなグッズやアイテムを手に入れることを繰り返しているが、そんな私でも、すでに使う場所や場面がないのに、どうしても手放せないモノもあったりする。
実は、今回のセカンドバイク探しにあたっては“その手放せないモノを使える車輌”という裏目的もあったりした。
つまり“それ”が今回のハンターカブ・カスタム計画の最優先事項と言っていい。
“それ”とは『ヘプコ&ベッカー』が提供するアルミトップケース『アル エクスクルーシブ』。
こちらは世界で初めてアルミ製トランクを生み出したドイツのスーツケースメーカー『RIMOA』製。
R1200GSのときにこのトップケースを使っていたのですが、その風合いと軽量でいて堅牢な作りの良さに心底惚れ込んでしまい、R1200GSを手放した後もこのアル エクスクルーシブケースだけは手放すことができずにいた。
言ったように、このアル エクスクルーシブケースの存在が、セカンドバイク探しにおいてかなり重要な鍵を握っておりました。トップケースが優先させるオートバイ探しというのも、なかなかバカバカしいコトだとは思うが、それくらいこのケースに惚れ込んでいると言うことをご理解をいただければ幸いであります。
もちろん、ハンターカブを契約したその日に取り付けのためのキャリアベース類の発注は済ませておいたので、納車したその日のうちに、このトップケースの装着を目論んだ。
ヘプコ&ベッカーのハンターカブ専用の取り付けパーツはなく、汎用パーツを組合わせて取り付けなければならないので、本来ならば納車してから各部を計測して必要部品をオーダーするのが一番無駄がないのですが、心の余裕のない私は例によって現物合わせの出たとこ勝負。
ヘプコ&ベッカーのトップケースは、ケースの背面と、底面にあるアタッチメントの噛み合わせで固定されるのですが、固定のためのレバーを兼ねる底のアタッチメントの可動のための空間を確保しなければならず、どうしても車輌後方に飛び出すように装着せざるを得ない。
R1200GSのような大型の車体で、タンデムシートの後方に車体から出っ張るように取り付けるのであれば何の違和感もないのですが、ハンターカブの小さな車体から大きな箱が飛び出して見える状態はかなり無様。
重量物が重心位置から遠く離れるのはハンドリングの観点からも避けたいところ。
できれば運転席の真後ろ、タンデムライダーが位置する場所にトップケースを配置したい。
ケースの取り付け位置を前に移動させるためには、ケース底のレバーの可動域ぶん5cmほど上方に取り付ける必要が出てしまい、それも決してスマートな装着方法とは言えない。
そこで、ノーマルの巨大なリアキャリアをアフターパーツメーカー製の小型のものに交換して、そこにヘプコ&ベッカーの汎用キャリアベースを取り付け、後ろへのハミ出しを抑える作戦に打って出たのですが、ノーマルのリアキャリアに装着するよりはいくぶんマシではあるものの、逆に取り付け位置が中途半端になってしまい、これも理想とはほど遠い見た目となってしまう。
せっかく用意したのですが、こちらのリアキャリアはすぐにヤフオク行き。結果、出たとこ勝負に負けた格好。
「さてどうしたものか」と悩みに悩んだわけですが、やはり百聞は一見にしかず。
こうして実物合わせで確認したからこそ、次のアイデアも見えてくるというものだ。
ヘプコ&ベッカーの汎用キャリアベースを直接車体に取り付けるという一発逆転の策に打って出た。
前側は自作のステー(エーモン改造品)を製作し、後ろ側は車体側の取り付け位置に穴開けを施し、ステーをアルミワッシャで延長して高さを調整してボルト留めとすることで、汎用のキャリアベースをリアキャリアを介さずに車体にダイレクトに装着してしまった。なんという荒技。
底部のアタッチメントの可動域も確保。
リアキャリアを省いたことで結果的に2kg近い軽量化となった。
ちなみに、ゴツいノーマルのリアキャリアは単体で10kg以上ある。
アルミ製のトップケースは5kgほどなので、トップケースを追加したのにノーマル比4kgほどの減量となった。
ハンターカブのエアインテークは、リアキャリアに沿うように取り付けられているので、ノーマルのリアキャリアを外す際にはそこを処置する必要がある。
これに関してもあれこれと様々な選択肢があるのですが、私はこの『ZETA Racing コンバージョンダクト』を装着することにした。
これでタンデムは不可となったのでこれを機にタンデムステップも取り除いた。
これも2kg近い軽量化になる。
何より、バネ下重量なので数値以上の減量効果がある。
久しぶりに倉庫の奥から引っ張り出すとスペアキーが紛失していた。
近所のキーリペアショップに持ち込むとこの形状は複製ができないとのこと。
だいぶ昔のものだったので、ほとんど諦め気分で正規代理店のパイツマイヤーに連絡すると、なんとスペアキーが在庫されているという。キーの根元にある番号を報せると3日ほどで自宅に届いた。
正規品を買っておいて良かった。
というわけで、無事(?)装着完了。
自前のカスタマイズだったにもかかわらず、夢に見た通りの位置に装着することができてしまった。
やっぱり自分の手でするカスタマイズは楽しい〜〜
こうしたカスタマイズが手軽にできてしまうところもハンターカブの魅力だ。
こういうラッキーが起こるとカスタマイズが加速してしまうんだよな〜〜
さておき、なんて佇まいの良いトランクケースなのでしょう。
こちらのアルミトップケースの容量は40L。
ヘルメットも入れられるのでお出かけにとっても重宝する。
これで今の仕事にあぶれてもUberの配達の仕事ができるだろう。
そして、この話にはまだつづきがある。
私は同じアルミエクスクルーシブの25Lも持っていたのでありました。
小さいハンターカブには25の方が似合うだろうと思っていたら、40の方でも問題なくイケている。
40だとヘルメットも入れることができる。やはり大は小を兼ねる大きい方が何かと便利。
見た目に問題がないとなれば、40を着けっぱなしにすることに何の問題もない。
というわけで、20年という時を超えて、お気に入りのアルミトップケースは延命を果たすこととなり、私の悲願はついに成就した。
イイモノって、時を超えるんだね。
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