SHOEI WYVERN が「Ø」になって戻ってきた!

1997年に登場した『WYVERN』、2003年『WYVERN II』とモデルチェンジを繰り返し、その廃盤となってしまっていたワイバーンが『WYVERN Ø』となって復活する。
SNSでは数ヶ月前から『キリン』の東本昌平のイラストでティザーが展開されていたが、いよいよ9月発売開始(Sサイズのみ10月)であることが発表された。

私としてはワイバーンは「和製シンプソン」だと思っている。
シート着座時に風の巻き込みで顎上がりを抑えるための大型のチンフレームを備える4輪用のヘルメットを、その必要のない2輪用に単純にモディファイしたことが、逆にスキモノたちにクールに映ったのがシンプソンだと思っている。

そうしたトレンドを日本風に味付けして誕生したのがワイバーンだったと記憶している。

近頃オートバイ用品店に行けば、『カワサキ Z900RS』がカスタムシーンの中心にあることは一目瞭然。
温故知新のオートバイ業界のトレンドが、再び一周したことでワイバーンも再登場を果たすといういたって自然な流れだとも言える。

ショウエイと日本のヘルメットメーカーの二台巨頭を形成するアライヘルメットにも『RAPIDE-NEO』『XD』といった、そうしたトレンドに対応したものと考えられるモデルがすでにラインナップされている。それらに加えてアドベンチャーモデルの『ツアークロスV』をオンロード仕様にモディファイした『TX-STRADA』を7月下旬に市場に投入するとすでに発表していたり、実はソッチ方面ではかなり先行しているのですが、近頃のアライヘルメットのデザインは、私の目にはどうにも野暮ったく見えてしまう。
帽体が丸いことに異常なほどにこだわるアライヘルメットですが、そのこだわりが自らのデザインの進化を止めてしまっているのではなかろうか。
トレンドは温故知新に振れているのだから、旧態依然とした丸いヘルメットの方が整合性があるはずなのに、ディテールはどこか中途半端。
良い悪いは別として、先進性にそうしたトレンドの押さえ方、解釈の仕方に関しては『EX-ZERO』『JO+』などを見るまでもなく、ショウエイの方に一日の長があるように思えてしまう。

そんな『SHOEI WYVERN Ø』に私が一番期待するのは静粛性。
こうした過去の価値観を再定義するデザインの場合、モダンな快適性は望めないことが多い中、ショウエイはそうした部分にも手を抜かずに、むしろ攻めてきている。
中でも風切音の温床といっても過言ではない、シールド周りの造りの秀逸さはショウエイの象徴だと私は思う。

ショウエイのゴム製のモールとシールドの密着性に対するこだわり方はすでに変態の域。
ショウエイのシールドの開閉が硬いのは、シールドの可動部にシールドをゴムパッキンに押し付けるようなギアが装備されているから。
そうして生み出した密着性を最大限に活かすセンターロックシステムに加え、密着度を更に1mm程度調整できる調整レバーまで装備する。
機密性が上がればそのぶんヘルメット内の蒸れにシールドの曇りなどが心配されるが、顎部分のベンチレーション機能を充実させるなどして対処している。

しかも、純レーシング仕様の『X-Fifteen』と同じCWR-F2シールドを装備しており、シールドに装備されたボーテックスジェネレーターがライダーの耳に近いシールド横の走行風の乱れを抑え、風切り音を低減する。
そうした静粛性や空気抵抗の低減に加え、ヘルメットのスリム化も達成されており、ぜひ一度用品店で『GT-Air 3』と『X-Fifteen』もしくは同じシールドを装備する『Z-8』を、正面から見比べていただきたい。X-Fifteenの前面投影面積の薄さ、スリムさがよくわかると思う。
これによる小顔効果はこうしたコダワリのオサレモデルにはもってこいだ。

メーカー希望小売価格:税込59,400円。これはアリだと思います!

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