SIMPSON DIAMOND BACK は、奇抜な見た目に反して快適性がとても高い!

SHOEI WYVERN Ø』に『SIMPSON DIAMOND BACK』、そして『SHOEI X-Fifteen Carbon』と、ヘルメット好きな私を惑わす魅力的なモデルが立て続けに登場してきた。
3つとも手に入れられればそれに越したことはないのですが、さすがにそうもいかない。
特にX-Fifteen Carbonは一般的なヘルメットの3倍近いプライスタグが付けられており、さすがに断念。
近頃、完全に国産ヘルメットの快適性を含む性能の高さに感化されている私なので、それならばWYVERN Øを選ぶのが間違いのないトコロなのですが、何度オートバイ用品店に足を運んでWYVERN Øを眺めても、SNSでその登場を知ったときの衝動を超えてこない。
DIAMOND BACKはかなり昔に本国モデルを見たことがあったのですが、NORIXが企画したものは見たことがない。ネットで販売されているところはチェック済みだったのですが、モノがモノなだけに実物を見てみたい。

発売開始から2ヶ月。そろそろDIAMOND BACKが用品店のヘルメットコーナーに陳列されるだろうと思いながら、SIMPSONを扱っている用品店にヘルメットを眺めに行くだけのプチツーリングを10回ほど繰り返しましたが、そのあまりの見た目の奇抜さから、仕入れ担当がおよび腰になっているのか、店頭に並ぶ気配すらない。
そんなことを繰り返すうちに、まだ見ぬDIAMOND BACKへの思いが募ってしまった・・・

・・・というのは半分嘘で、「今買ったらほぼ独占使用じゃね?」というスケベ心があったからだ。

高度に進化したネット社会は、そんな私の下心まで見透かしてしまうのか、PayPayポイントも貯まってきていたタイミングでYahooショッピングで値下げされ、またしても勢いだけで清水の舞台から飛び降りてしまった・・・

シールドは『SUPER BANDIT 13』と同じ、そのため手持ちのミラーレンズが流用できた。
なので開口部のサイズはSUPER BANDIT 13と同じ。
おかげで私には誰もが最初は面食らうであろうこの狭い視界への違和感はない。
ちなみに『SUPER BANDIT 15』では開口部が広げられ、一般的なフルフェイスヘルメットと同等程度の視界が与えられている。その代わりにSUPER BANDIT 13のもつ迫力のようなものが削がれてしまったように感じる。

国産ヘルメットの多くが視界の広さにはかなり気を配っており、私も最初はSUPER BANDIT 13の視界の狭さにはかなり怯んだ。
ただ、使ううちに視野の狭さは天地の視野角によるものだということが解ってきた。
しかも、削られているのは下側の視野で、だからと言ってメーターや路面が視野から消えるようなこともなく、必要最低限以上の視野が残されていることが分かってからは視界の狭さはすぐに気にならなくなった。
あえて言えば自分の腰回りが一切見えないので、ウェストポーチに入れた財布が視認できず、料金所でかなり焦ることが問題といえば問題。

そんなSUPER BANDITの顎の部分をグッと下側に伸ばしているのがDIAMOND BACK。
SUPER BANDITもそこそこのイカツさを誇っていたのですが、4輪車のシートに収まった時の空気の清流性を考えられたDIAMOND BACKの見た目は、そんなSUPER BANDITを軽〜く通り越して、すでに“異様”と言えるような見た目。
こういう好き嫌いのはっきりしそうなデザイン、私は大好き。
ただ、モトクロスコースで使うヘルメットに関して、尖った顎の部分が胸骨に強く当たる可能性があるため、チェストプレテクターの必要性を口酸っぱく言われたことを思い出さなくもない。
もちろん縦回転する転倒の可能性もあるモトクロスコースを走る予定はないのでそうした危険性は低い。
だからこそ思うのは、頭の堅い国内メーカーには、逆立ちしてもできないデザインだということ。

そんなわけで、奇抜なデザインによる不便さに対してはなんとなく覚悟ができていたのですが、いかなる環境においても快適性が損なわれない国産ヘルメットの便利さにどっぷり浸かってしまっている私なので、手に入れたはいいけれど、一回被って床の間のお飾りで終わってしまうのではないかと、かなり強めに心配していた。

そんな心配を抱えながら手に入れた、“キワモノ”だったはずのDIAMOND BACKですが、被ってみるとこれが意外にも真っ当にできた、とても良いヘルメットなのでございました。

一番に言っておかないとならないのは、かなり静粛性が高いということ。
これは明らかに顎の部分が下に長いことが効いていて、チンスポイラーとしての役目が強目に発揮されているものと思われる。
他のヘルメットであれば、耳のすぐ下の首との間から、高周波の風切り音が届いていたところ、こちらでは顎の部分が前から来た風を下に通さずに上に跳ね上げているのか、そうした雑音が綺麗にカットされている。
やはり、肩〜首と、ヘルメットの下端部の間を通っていく風が発する音が大きいことが、DIAMOND BACKを被るとよく分かる。
それと、SUPER BANDITには後頭部にベンチレーションが装備されており、これが想像以上にヘルメット内部の空調に効果があったのですが、ここもピューピューと風切り音がする場所でありました。私は夏でも塞いで使っていたほど、その音量は耳障りだったのですが、ご覧のようにDIAMOND BACKにはベンチレーションがないためその心配は無用。
加えて、頭頂部を流れる風を整える“皺”のようなスポイラーも刻まれており、これもヘルメットの静音化、安定化に一役買っているものと思われる。

NORIX扱いになってから、肌触りの良いドライインナー素材が採用され快適性はかなり高くなった。
私の持っている『BELL BULLIT(輸入版)』など、海外製のヘルメットは眼鏡使用時のことを考慮していないことがあるが、NORIX製のSIMPSONに関しては心配無用。眼鏡の柄の部分がスムースに入れられ、装着時の圧迫感もない。
意地悪を言えば、柔らかいことで快適さを得ている印象が、逆に締め付け感が少々頼りなく感じてしまうくらいで、つまり快適性に関して言えば申し分ない。
そうした内装の設えと、静粛性の高さの親和性はとても高いと思う。

というわけで、DIAMOND BACKは現在、私のNo.1 フェイバリットヘルメットとなっている。

内装が国産並となった今ではやはり、SIMPSONヘルメットを選ぶ際の最大の障壁となるのは視界の狭さだと思う。私にとってそれは振り返った時などの横方向の視界の狭さよりも、自分の腹のあたりが見えないことで、ポケットやウェストバッグの中を確認できないことにかなり戸惑ったことにもすっかりと慣れてしまっており、今ではSIMPSONの視界の狭さには何のマイナス点もない。
あとは、今年のような猛暑で、首の下に風を通さない設えが、暑さに対してどのような対応を見せるのか、気を付けておかないとなりませんが、できればいつも被っていたいと思えるほどのお気に入りとなったので、たとえ猛暑の間だけであっても別のヘルメットは被りたくない。とか、今のところは思っている。
好き嫌いのはっきりするオリジナリティの高いデザイン故の希少性と、使用感の良さを両立したへそ曲がり史上最高のヘルメットと言っても過言ではない。
私は「最高」という言葉は毎度毎度使うものではないと思っているのですが、DIAMOND BACKに関しては言わせて頂こうと思う。

これ最高です。※メリークリスマス!

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