SP TAKEGAWAトラッカーマフラー

「できるだけノーマルのままで乗っていこう」とか、一応思ったりはしていたのですが、アフターパーツがこれだけ豊富だと、我慢する方が身体に悪い。
とかなんとか自分を甘やかす言い訳を見つけてしまえば、まず最初にイジりたくなるのは、やはりマフラーだ。

マフラーを交換したくなる理由は、性能向上以外にも、見た目やサウンドなどイロイロありますが、私の場合、まず1つ目の目的はサウンド。
ノーマルマフラーの音質は、抑えを効かせながらも軽快感を演出した、決して悪い音ではないのですが、走行中はほとんど耳や身体まで届かず、運転に高揚感が乗ってこない。いわゆるアガらないというやつだ。
できればもう少し歯切れの良いサウンドを楽しめるくらいの音圧が欲しい。

2つ目は頭打ち感の高い出力特性。
125ccに過度な期待をするつもりはさらさらないのですが「もうこれ以上はどうしてもトルクは出ません」とでも言いたげなフン詰まり感は、マフラーのヌケが良くなればある程度は改善できる気がしてならない。

ハンターカブ用のマフラーは、星の数ほど、とか言ったら言い過ぎだが、ちょっと調べれば充分に迷わされる程度の数が出て来る。中には「JA55とJA65のどちらでも使えます」とか、かなり疑わしいことをシレッと言ってのける輩(モデル)もいたりする。トーゼンJA65専用を謳うモデルの中から選ぶのですが、それでも有名メーカーの高額なものから比較的安価なものまで百花繚乱、選びホーダイの状況。

カスタマイズの全盛期(Clubman世代)では、改造マフラーの主役は「集合管」に尽きるわけですが、これは多気筒の排気管を集合させ排気同士を干渉させることで排気効率を高めたり、時に停滞させてシリンダーに吹き込まれた燃料が排気と共に流れ出るのを抑える効果だったりを狙うもの。
ハンターカブは単気筒なので、それとはマフラー交換による性能向上に関する解釈が違うのですが、排気管長の違いによって高回転まで回すのか、タメをつくって燃料をできる限りシリンダー内に留まらせてトルクを稼ぐかの原理は集合管と同じ。なので、エキゾーストが長ければトルク型、短ければ高速(回転)型といえる(と、私は思っている)。
上の画像はSP忠男製のマフラーですが、前半部でとぐろを巻かせるほど、排気管長を稼いでいるのでこいつはトルク型ということになる。
JA65に乗ってみるまではこうしたトルク型マフラーの方が合っているように思っていましたが、想像以上にノーマルからトルクが出ており、一人乗り前提で大荷物を積んで走る予定もない私にこれ以上のトルクは必要がないので、あくまでも「フン詰まり感」の軽減を目指して、回転型とおぼしきマフラーの中から選択しようと思う。

というわけで、私が選んだのはこちらの『SP TAKEGAWA トラッカーマフラー』。
SP RAKEGAWAにはJA55用もラインナップされているのですが、こちらはJA65専用として新たに登場したもの。
やんちゃな見た目と違って、キャタライザー内蔵のマジメくん。
ステンレス製のエキゾーストパイプは、シリンダー付近だけでなく後半部分まで短くされており、あからさまな高回転型であることが想像される。

こちらはメーカー発表のダイノグラフ。
パワーアップは誤差の範囲ですが、注目点は回転が上がっても極端に出力が落ちていないこと。
さておき、ハンターカブのエンジンは6千回転で頭打ちだということが分かる。
こういうの見るとタコメーター着けたくなるな。

面倒な部分もなく交換作業は30分ほどで完了。
やっぱり国内メーカーのパーツは取り付け精度が高くて助かる。
何よりいちいちパーツが軽いので作業負担も超軽い。

そんなわけで、早速実走。

私の見立てに間違いはなく、かなり排気ヌケの良いマフラーでありました。
これまで感じていた回しきったあたりのフン詰まり感はかなり抑えられ、次のギアとの繋がりがとてもよくなった。
一番効果が感じられたのはシフトダウン時のアクセル合わせ。ブリッピングのキレがスゴく良くなった。
逆に言うとトルクは痩せているものと思われるので、荷物を多く運ぶときや、タンデム走行には向かない出力特性だと思う。そうした用途では上記のSP忠男のようなトルク型マフラーの方が合っているのだろう。
そもそもメガホン型のマフラーエンドがこの位置に来る時点でタンデムのことは考えられていないように思う。

このエキパイガードはほぼ役立たず。触れると火傷必至。超熱いので短パンが履けない。
シリンダーから遠いぶんマフラーエンドの方が熱は低いはずですが、タンデムの足に当たる部分もまあまあ熱いはずだ。私ならこのマフラーを着けた車輌のタンデムシートには座らない。

一応JMCAの公認を受けているのですが、静かなアイドリングとは裏腹に、実用域以上の音は大きめ。
短いメガホンマフラーがライダーのすぐ脇にあることも、音量を大きく聴かせているものと思われる。
パタタタタタタタタ〜〜〜〜という音質自体は可もなく不可もなくと言ったところだが、エンジンの躍動感がことさらに伝わってくるのはやはり操っていて楽しい部分。

100点満点とはいかないが、我ながら良い選択をした。こいつに交換して正解でありました。
ただ、パーツのデザインがあまりに特別感が高いため、連鎖的に私のハンターカブの後半部分の見た目に違和感が芽生えてしまった。
SP忠男のような長いマフラーの方が、ハンターカブの本来のデザイン意図との調和は図られているように思う。
というわけで、ここからチェーンリアクションという名の泥沼がはじまる・・・

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