実は、正月早々家族に緊急事態が発生し、新年4日から行く予定だった北海道トリップはあえなく断念。
自由気ままなはずの独り身の私でも、この歳になるとままならないことが続発する。
正月休みは8日になってやっと、日帰りではありますが、なんとか雪にありつくことができた。
もちろん計画的なものでも何でもなく、実を言うと精神的にはまあまあ削られており、遊びに行く心のゆとりもやる気もないような状態だった。そんな心境からどうやって気持ちを奮い立たせたのかというと、それは持ち前のセコい性格が幸いしたのでありました。
一旦落ち着いてしまった降雪が、この週に戻って来ることを知ったとき「少雪の今シーズン、これは貴重なチャンスだぞ」と思ったら、不思議とやる気が湧いてきたのでありました。
こういうときに、Earth Hopperもやる気を奮い立たせるのに一役買ってくれる。
「使い切れないと無駄になる」というほとんど強迫観念に近い心境が、逆に功を奏してくれた。
何があろうと、誰がなんと言おうと、歯を食いしばってでも遊ぶのだ。
と、改めて決意する今日この頃。
降雪予報とEarth Hopper加盟施設の重なる部分で検討し、今回は神立高原にやって来た。
「日帰り」とは言ったが、前夜から前乗りしているので正確には一泊二日。
細かい話ですが、滑るのは一日だけなので私の定義としては「日帰り」となる。
画像は前乗りした前夜の様子。7日の22時。
ご存じの方も多いと思うが、ここ神立高原はその昔オールナイト営業で名を馳せたスキー場。
経営が変わった現在でも、金・土曜の晩などの特定日(開催日はホームページをご確認ください)に
18〜26時のロングナイター営業を行っている。
もちろんナイターだと滑れるコースに限りがあるので私は素直に翌朝の営業開始を寝て待つわけですが、
ナイター営業のおかげでこうして夜食にありつけてしまう。
身体に良いのか悪いのかと言えば微妙ですが、なんだかウレシイ。
しかも、営業開始が7時と周りのスキー場より1時間程度早い。
湯沢I.Cからも近いので、その活用方法はアイデア次第でかなり広がる。
もちろん営業開始を並んで待つわけだが、雪の降るこの日はほとんど夜明け前のようだ。
スキー場の光景もほとんどナイターの様相。
この時点でも雪は降り続いており、予想通りにパウダースノーが決定的となった。
この日は『SPEEDMASTER』。
ギリギリまで北海道に行こうと画策していたので、実はそのまま空港に向かえるようにキャリーケースごとクルマに積みっぱなしになっていた。
そのため、本来北海道用にと用意していたにSPEEDMASTERと『LINE SAKANA』を、ここ神立高原にそのまま持って来た格好。なので今回の雪に合わせたセレクトでも何でもない。
『SPEEDMASTER』と『MANTARAY』、『ミズメヒノキ』の3本で北海道に持っていくボードを悩んでいたのですが、SPEEDMASTERにしたのはやはり、北海道ですら降ったり止んだりを繰り返している今季のヤヤコシイ状況で、どんな積雪状況にも対応できるビッグマウンテンな性能を買ってのこと。それと、SPEEDMASTERに、レスポンスの良い『UNION FORCE』を組合わせて滑ってみたいという興味もあった。
主だったコースでブーツが埋まる程度の積雪。
もちろん底突きはするがSPEEDMASTERは問答無用で突っ切って行ってくれる。
相変わらずこの見た目に反して小回りが効くことに驚かされる。
コブの上に雪が積もっている見た目と踏んだときのイメージに大きな違いのあるこういう時でも、急な底突きに後ろへ体重バランスを崩してしまってもパッと上半身が前に返って来てくれる。
これは『MAXFORCE』にも通じる特徴なのですが、MAXFORCEにここまでの小回り性能は感じない。
それを言い出すと、ボードの振り出しやすさは『MAGIC38』よりも長いSPEEDMASTERの方にあるように思う。
SPEEDMASTERを経験すると、MAGIC38が中途半端に感じる。
短くされたからといってMAGIC38のターンが軽快になるわけでも動きが軽くなるわけでもない。
これは私の身長・体重、乗り方との相性の問題だと思うので、適切な方が乗ればその印象はガラッと変わるのだろう。この経験は、ボードの長さ、シェイプ、数値を含む見た目の印象に私の頭が支配されやすいことを示している。
もちろんそれはサーフボードでも同じなのですが、私の場合、サーフボードの方がイメージと乗り味の相関関係値が整頓されつつあるのを感じているので、スノーボードでも、今はこの相関関係についてとても興味がある。
明るくなるまで様子を見ていた非圧雪ゾーンにいよいよ飛び込むことにする。
急に積雪量が増えたため、コースを圧雪した際に、非圧雪斜面との境に大きな壁ができており、覗き込まないと先が見えないため、みなさん誰か飛び込むまで様子を伺っているのでまだノートラック保存されている。
ただ、ここはモーグルバーンもあるので、連続して深く掘られたコブに底突きするとえらいしっぺ返しを喰う。
そこで、セイフティに左の吹きだまりのラインを行ったのだが、SPEEDMASTERの浮力をもってすれば、底突きせずに一筆書きで抜けることができた。
超絶キモチイイ。北海道の雪には叶わないが、少し鬱憤を晴らせた気がする。
まだ周りにこのラインがバレていないようだったので、食い尽くすまで5本回した。
それからすでに食い尽くされたヘラクレスに向かう。
一番目立つ場所にある非圧雪斜面なので、パウダーハンターたちは一目散にここを目指す。
斜度もあるためすぐにボコボコになってしまうが、SPEEDMASTERなら振り回しの軽さを利して、細かく残る新雪面だけを狙ってそこだけ踏み続けるターンだってできてしまう。
それはパウダーランではもちろんなく、どちらかと言えばエクストリームな遊び方なのですが、これはこれでとても楽しい。
UNION FORCEのレスポンスの良さもプラスに働いているようで、粗い操作に早め早めに追従してくれることが、とても頼もしく感じられる。
案の定、こう見えて振り回すことが楽しいSPEEDMASTERだからこそ、UNION FORCEのハイ・レスポンシブルな特徴が活きていた。
SPEEDMASTERにはもちろん、整った圧雪斜面で味わうオートマチックで“とてもレクサスな乗り味”もある。
そうしたときに、レスポンスは抑えめでボードのフレックスを足裏で堪能できるバインディングの方が向いていると私は思うので、そういうときはUNION STRATAやULTRAで味わいたいところ。適材適所。
朝のうちは晴れ間も覗いたのですが、そのあと視界不良になるほどの吹雪に変わった。
降ったり止んだりを繰り返しながら、まあまあの降雪量がつづいた。
リセットするほどの降雪量ではないものの、おかげで斜面の状態は柔らかく維持されてくれた。
11時までスノーボードで遊び、スキーにチェンジしようとルマに戻ると、クルマは半日でこの有り様。
ルーフボックスからスキーを出すだけで大騒動となった。
依然雪は降り続いていたので、帰るときにまたクルマを掘り起こすことになりそうだ。
言ったように北海道に持って行こうとしていた『LINE SAKANA』をそのまま投入。
大きな声では言えないが、みなさんに釣られて閉鎖されていたコースに忍び込む。
「横断歩道みんなで渡れば怖くない」。
ブーツが埋まるくらいの積雪で、すでに多くのトラックに浸食されておりましたが、SAKANAのコントロール性能と走破性があれば無問題。
こういうときにはオールドスクールで堅い優等生キャラに思っていたVectorglide CORDOVAよりも、SAKANAの方がずっと乗りやすいと感じるのは、私的にはかなり意外な事実。
そんなわけで、小躍りするようにSAKANAを楽しんでいたのですが、問題はすでに売り切れかけていた私の脚力。
SAKANAのコントロール性と走破性を活かして、できれば大きなターンだけで直線的に斜面を突っ切りたいのですが、私のモモ筋がそれを許さず、暴れるスキーを制御しきれない。情けないな〜〜〜〜〜でも楽しいけど。
最後の最後に神立高原のメインと言って良い、正面の中〜緩斜面でスキーを仕上げてこの日は終了。
と言いますか、太ももがピクついてきたのでほぼ強制終了。
案の定、埋没したクルマを引っ張り出す作業中にふくらはぎが痙りそうになった。
一念発起して滑りに来てホント良かった。
っていうか、遊びに行くのに一念発起すること自体、私としてはほとんど初めてのことだ。
「どんだけ気ままに生きてんだよ」ってことではありますが、これもまた良い経験となった。
そして、少雪だの何だのと文句を言いながらも、こうしてパウダースノーにありつけていることにも感謝。
創意工夫でこのシーズンも乗りきっていきたいと思う。
来週もこの意気で滑りに行くぞ〜〜
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