この日は目立った降雪もなかった代わりに、気温はきっちりと低くなってくれた。
これだけ冷え込めば、ゲレンデの雪質は良い状態で維持されているだろう。あからさまなピステンデー。
白馬でEarth Hopperが使えるのは栂池と白馬乗鞍温泉。魅力的なスキー場が居並ぶ白馬エリアなので、もちろんその2箇所を滑るだけでは物足りない。岩岳とHAKUBA47/五竜の早割を買っておいたので「次に白馬に行く時は岩岳に行こう」とすでに決めてしまっていた。ところが、ちょうどこの週末まで期間限定で八方尾根でもEarth Hopperが使えることに後から気づいた。この期間だけしか適応されないチャンスデーに、せっかく白馬にいたのに〜〜これは痛恨の凡ミス。かなり悔しい。
ちなみに、前日の栂池の時点でEarth Hopperの残数は早くも4。2月に入ったばかりなのに。ぜんぜん足りない。


さておき岩岳であります。
今シーズンから新しいゴンドラが稼働した。元のゴンドラ施設はそのままに、隣に新たな駅舎が作られていた。
壁に囲まれた屋内型の駅舎ではなく、リフト乗り場のように壁のないシンプルな開放型の駅舎はコストダウンにも貢献しているのだろうが、もちろんこの形状で充分な耐久性が確保されているのだろう。新時代を感じる。


10人乗りの搬機内はとても広々としている。シートもフカフカで、滑車の段差を越える時の振動もほとんど感じないこともあって乗り心地がとてもいい。
何より、乗車待ちの混雑がかなり緩和されたように思う。これまでの4人乗りのゴンドラだと、グループで乗車待ちしているとなかなか相乗りがしずらく、混んでいるのに一人乗車なんて非効率なこともあり得たのですが、10人乗りだと皆さんどんどん乗り込んでいってくれる。

下に残されている鉄塔が古いゴンドラ線。新型は谷を沿うようには進まず、尾根と尾根とを直線で結んで高度の高い所を進んでいく。


そのためゴンドラからの見晴らしがとても良い。

話を本題に戻そう。
この日は何をどう考えても『ミズメヒノキ』。
新雪に釣られて白馬まで来た割にミズメをもって来ているところが我ながらあざとい。
というのは半分嘘で、最初からこの日は降雪がない予報だったというだけだ。想定通りの予定通り。


足応えの良いピステンがビッチビチに敷き詰められていた。最高だ!
こんな美味しそうな斜面をミズメで滑らずして何とする。


♫やっぱりそうだ!巡り会ったんだ♪嬉しい♪楽しい♪大好きっ♪♪と、脳内で吉田美和がシャウトしている。
最高、最高とか、お馬鹿さんみたいなことばかり言っていると正気を疑われそうだ。(※実際この数週後に最高は更新される)こう言うと言い過ぎなんでしょうけど、この日のためにスノーボードやってたんだな〜と、真剣に思えるほどに痛快。
私に引き出せる限りのミズメヒノキの真価を解放させられる幸せよ。
岩岳はゴンドラを降りたところから滑り降りられるコースがいくつかあるため、一つのコースに人が集中しない。朝イチのスキー場上部に人がまだ上がりきる前のタイミングなら、5本は「サウス」のきれいなピステンを滑ることができる。

ピステンが完全になくなるまで、しつこく7本サウスを回してから「サニーバレー」〜沢リフトのラインに移動。
このラインとサウスを交互に滑りながら「Iwatake Back Bowl」が開くのを待つ。



ドッグレッグしたコースレイアウトが魅力の「View C」「View D」コースにもキレイにピステンがかけられている。こちらもピステンが消えるまで味わい尽くす。コース幅は狭いのですが壁を含めてラインは豊富。



ここのリフト乗り場でこちらをお読みいただいている方に声をかけていただき、リフト一本ぶんですがお話をさせていただいた。静岡からいらしたと仰るその方は、サーフィンもされていて、しかも私とご同輩の方だったので、等身大の話をさせていただきました。きちんと挨拶もせずに離れてしまって申し訳ありませんでした。またどこかで私を見かけましたらぜひお声がけください。

一応森林警備にも出かけたのですが、案の定すでにトラックだらけ。面ツルが残っていても雪は重く足を取られやすかったため即退散。

滑走距離はとても短いのですが、斜度も適度で練習バーンと言った位置付けの「イースト」も大好きなコース。ただ、この日は練習中の初心者の方々を中心にコースは混み合っていて、リフト待ちの列も長かったので一本だけ滑って即移動。
ここが空いている時はターンのチェックがしやすくて楽しいんだけどなあ。


10時。サニーバレーも混みはじめてきたので、そろそろゴンドラ乗り場も空くだろうと思い一旦ボトムまで落としてみることにした。

のですが、念のため新雪が残りやすい「かもしか」を覗きに行ってみると、コース上部にはそれなりに残っていた。
もちろん雪は重いままでしたが、これだけ幅が広いと多少足を取られてもなんとかできるし、斜度のある箇所はなんならまっすぐ行っちゃえばいい。なんて乱暴な気分で入って行ったのですが、よく考えたら足下にいるのはこういう斜面がめっぽう苦手なTTだった。
「やべ〜なあ」とか思って操作をはじめたら、「アレ?よく動く?」。
TTがぶんぶんに振り回せる。あらら?楽しいぞ?

あまりに楽しくてそのまま「かも1」リフトに乗って同じコースをおかわり。
この日こちらではコースを規制してスキーの技術戦か何かを開催していた。そのためこの上部の非圧雪斜面の新雪がまだ残っていたようだ。

かなり重い雪だったのですが、オープンバーンなら無問題。
もちろん軽い雪の深雪とは似ても似つかない足応えですが、逆に攻略しがいがあって楽しい。
重い雪にも引っかかるやつと滑るやつとがあって、この日は走り自体は悪くない雪質。雪が重いぶん自動ブレーキが効いて、しかも走るぶんボード操作の反応は良くなっている。そのため、TTをツインチップみたいにクルクル回しながら走らせるのが楽しくて仕方がなくなった。
結局ゴンドラには戻らずにここも3本つづけて滑ってしまった。

あまりに楽しかったので、スキーに乗り換えずに昼食後もそのままミズメヒノキを続投させた。

再びサウスを数本滑ってから、また「かもしか」に戻って重く荒れた斜面をTTで楽しんだ。
そうこうするうちに開催されていた技術戦が終了したようなので、規制されれていたコースに忍び込む。
朝イチのサウスほどではないものの、しまった雪面にTTのエッジを食い込ませてする伸びのあるターンが楽しい。
スキーヤーの方々に冷たい視線をいただいたので、ここはこの一本だけで我慢。
最後にもう一回ゴンドラで上がり、ボトムまで一本通しで滑って上がることにした。
刻々と雪の状態が変化する中、一日を通してTTに乗りつづけられたことはとても良い経験になった。
TTは私にとって特別なスノーボードだ。
こんなにとっつきづらいのに、なぜか「このボードとは相性が合わない」と諦めたりせずに、むしろ「こっちの乗り方が悪いんだ」と真摯に向き合える、私にとってかなり稀有な、というかオンリーワンのボードだ。
そんなスノーボードを、これだけデイリーに使えてしまえたのは、大袈裟ではありますが私にとって歴史的な出来事と言っていい。少しは成長できてるんだなあ〜
それにしてもこの2日間はほんと楽しかったな〜〜
深雪は外したけど、代わりに最上のピステンバーンを味わうことができた。
近頃白馬もほとんど外国みたいになってきており、それを思うと少々気が引けていたのも確か。
外国人ばかりであることよりも、休暇で来ている方が多いので、平日・休日無関係にいつでも混み合っているであろう想像が私の腰を重くする。それはゲレンデだけでなく、食事処でも温泉も同様で、これまで車中泊派にとてもフレンドリーだった白馬も、今では遠い昔の記憶だ。
それでも重い腰を上げて来てみれば、白馬には楽しいことが何かある。白馬はやっぱいい場所だなあ。
せめてもうちょっと近くにあればな〜〜、ってこっちが引っ越して来るしかねーのか。
もちろんそれは無理な相談なのでまた来ることにします。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] まずは先日の白馬岩岳で、X4のテストのつもりで撮ってみた動画をご覧いたこうと思う。※音楽が流れますのでご注意ください […]
こちらこそ挨拶もせずに失礼しました。お邪魔にならないようフェイドアウトした次第です。
短い時間でしたがお話できて元気をいただきました。下道利用の時給換算効果、とても真似できません…!
M.Hさん
またよろしくです!