デアデビル : ボーンアゲイン

キャラクターの版権がNetflixからマーベルスタジオに移譲されたことに伴い、『MARVEL デアデビル』の続編となる『デアデビル:ボーンアゲイン』が、マーベルスタジオの制作でDisney+で配信されることになった。
当初はNetflix版を踏襲せず、完全なオリジナルに差し替えられるとの情報もありましたが、デアデビルの表の顔であるマット・マードックをNetflix版と同じチャーリー・コックスが演じ『スパイダーマン:ノーウェイホーム』に登場したことで、マーベル制作の続編がNetflix版と地続きになることが示唆された。

その後、マーベルドラマシリーズの『She HULK』にもデアデビルが登場し、『ホークアイ』、『エコー』にはデアデビルの宿敵であるキングピンも、Netflix版と同じヴィンセント・ドノフリオが演じて登場したことで、Netflix版の世界観を維持したまま、デアデビルがMCUに合流することが確定路線であることが明かされた。

Netflixのドラマシリーズ『MARVEL デアデビル』はまったく観ていなかったのですが、かなりの人気を博していたようで、Netflix版を支持するファンも多かったと聞く。
もちろん、Netflix版にはマーベルの冠が付けられてはいたものの、MCUとの関係性は一切ないところで物語が描かれていた。いまや多くのスーパーヒーローを抱える、宇宙規模の壮大な世界観をもつマーベル・シネマティック・ユニバースなので、そこに組み込まれるとなればこれまでのシリーズは足枷にもなりかねない。
いかにメインキャストが同じだったとしても、世界観を大きくリブートさせてくる可能性が高かったのですが、マーベルはキャストだけでなく、Netflix版の製作陣にそのままを引き継がせるという決断を下した。

それを聞いて、急ぎ前3シリーズを一気見することにした。ちなみに、現在はNetflix版もDisney+で観ることができるようになっている。
これが人気の高さも頷けるとても面白いテレビシリーズとなっていた。

デアデビルは子供の頃からの視覚障害者で、そのため聴覚による空間把握能力が超人的に発達したダークヒーロー。
目で見るよりも早く物事の推移を見渡し、目が見える者よりも確実に空間を認識できる。
その力を伸ばすために子供の頃から鍛錬したマーシャルアーツを武器に、ニューヨーク ヘルズキッチンに巣食う悪を夜な夜な退治している。

ただ、表の顔であるマットは弁護士をしていて、どんな悪党であっても決して殺したりはせず、必ず法の裁きに委ねることを旨としている。
『ダークナイト』のバットマンと相似形のキャラクター設定ではありますが、デアデビルには空想科学的な後ろ盾や資産もない“持たざる者”である点が面白い。

銃で撃ったり、剣で切りつけたりすることのないデアデビルの戦い方は白兵戦の真骨頂を貫いていて、殴る蹴るの暴力を基本としている。そんな慈悲深さゆえに効率的でない戦い方を採ることのリアリティを追求しているため、残虐と言ってもいい強烈な暴力シーンが特徴となっている。
そして、デアデビルは超人ではないので、相手の攻撃を受ければきっちり怪我を負う。ときに数日間一切の行動ができなくなるような重症を負うこともある。それは人を罰するという神を冒涜する行為を繰り返す自身への戒めとしても描かれている。

宿敵であるキングピンを、あくまでも法によって裁こうとするが故に、戦いがいつまでも終わらない。そんな、とてつもない矛盾に視聴者も疑問を感じる頃に、悪党をとにかく殺しまくるアンチヒーローであるパニッシャーが登場する。お互い相容れないながらも共闘する姿も描かれ、こうした部分はスパイダーマンにも通じる世界観だったりもする。

そんなリアリティを追求するデアデビルの世界観にあって、唯一の、そして最大の問題点(疑問点)は、キングピンであるウィルソン・フィスクがニューヨーク市長に当選してしまうことだ。
キングピンはデアデビルに2度に渡り重罪で監獄送りにされているにも関わらず、自身を陥れる陰謀論であるという一点突破で市長に当選を果たしてしまう。
実社会でも、都合の悪いことはすべてフェイクニュースで片付けてしまう“あの人”が大統領を務めている国のニューヨーク市長なので、これもブラックなリアリティということなのだろうが少々強引ではある。
そこをスルーしてしまえば、ニューヨークの裏社会を牛耳るキングピンが、表の社会も操れる実権を握ったことで、いよいよ法の力も及ばない場所まで到達してしまった。地に足をつけたデアデビルにとって、これ以上の難敵は存在しないわけで、物語としては最高のシチュエーションと言える。

そうしてデアデビル:ボーンアゲインのシーズン1は、先日全9話の配信が完了したのですが、とうぜんのようにシーズン2への布石を打って終わっている。
そもそも全18話でボーンアゲインの企画はスタートしたようなのですが、途中で内容が刷新され、2つのシーズンに分けられたのだそう。

最悪の窮地に追い込まれたデアデビルを助けるために、『ディフェンダーズ』が再集結することは容易に想像されるが、MCUファンとしては、今作につながる直前のニューヨークを描いた『ホークアイ』や『エコー』といったマーベルキャラクターたちの登場に期待したいところ。
第5話には『ミズ・マーベル』の父親であるユスフ・カーンも銀行員役で登場していたり、第8話には『ホークアイ』のケイト・ビショップの義父であり、剣術の達人でもあるソーズマン/ジャック・デュケインも登場しているなど、マーベルの世界との結合点が多く記されているので期待大だ!

もちろん、ニューヨークにはスパイダーマンだっている。
もちろんキャラクターの版権上ここが政治的にも一番の難関となりますが、実際にキングピンが「蜘蛛の格好をした自警団」について発言しているシーンまである。
マット・マードックが弁護士としてピーター・パーカーに面会したあとに、スパイダーマンであることがバレた世界を『ドクター・ストレンジ』が修復してしまったので、お互いに面識はない状況ではありますが、デアデビルとスパイダーマンが共闘する姿は一番に期待したいところ。

デアデビル:ボーンアゲインのシーズン2の公開は2026年3月に予定されている。
う〜〜〜ん早く観たい!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 連絡しようと思って至仏山山頂付近で声かけたものです!
    先週のゲート開く前と違って人だらけでビックリしました!!
    先週末滑ったグループにゲート開いたら凄いよいろいろな人来るからと聞いて気になったから来てみました、至仏山は気軽にハイク出来てオープンバーンでいいですね♪初心者の人にもいいと思いました、深い沢や急斜面無いし危ないとこ無いし!

    • ヤマヤンさん
      至仏山は登りやすくていいですね。ゲートの開く前と開いた後と二週続けてとはうらやましい。
      今年の春雪シーズンは長そうですのでまだまだ楽しんでください!

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