400km以上走って、1時間待ちで成吉思汗を食べて飲んだら繁華街をうろつく元気もなく、すぐに眠くなった。
走る〜喰う〜寝るの最高のサイクル。
ダメ人間で良かったと心底思う。そこがダメなんですけど・・・
9日間だった予定が半分になってしまい早くも最終日。
この日は旭川からフェリー乗り場のある苫小牧まで行かねばならない。
苫小牧まではそれほどルートにバリエーションがあるわけでもなく、普通に走ったらすぐに着いてしまう位置関係。
予約してから分かったのですが、商船三井の場合、18時45分発なのに16時30分までに乗船準備を済ませておかなければならないので、16時には港に到着しておく必要がある。
新日本海フェリーは1時間前に到着しておけば良いので1時間以上差があることになる。
そのため、せめて遠回りしようとしても限度がある。
小樽発にしておけば積丹半島まで足を伸ばしたり、たくさん走れたな〜〜と思っても時すでに遅し。
直線的に苫小牧に向かわず、旭川から富良野を経て、垂直に日高に抜けるルートも考えたのですが、この前夜から苫小牧のあたりで線状降水帯が発生し、この日も強い雨が降り続いている。
太平洋側に近づくのはできるだけ遅くした方が良さそう。万策尽きた。
仕方がない。
最終日はノンビリと過ごすことにしよう。
ホテルでゆっくりすることも考えたが雨の心配があるので8時過ぎには旭川を出発した。

そんなわけで、いつもの私なら絶対に行かない『セブンスターの木』なんか見に行ってみた。のですが、行ってみたら行ってみたで、この辺りの田園地帯には隠れた名道が多いことが分かり、意外に楽しめてしまった。
そこからは地図も見ず、自分の嗅覚を頼りに富良野の畑道をあっちこっちと行ったり来たり走り回った。

調子に乗って『ジェットコースターの道』にも寄ってみた。
北海道の直線道路はそれこそ星の数ほどあるけれど、ここはその名の通りにアップダウンがあるため、一本道をはるか遠くまで見渡すことのできる迫力の光景が楽しめる。
食わず嫌いはいかんね。


もちろん、ガイドブックにない道がつまらないわけではない。
更に多くの富良野の名もなき道たちを堪能させていただいた。
R18は、その豊かなトルク感で40km/hあたりで走らせていても車体に不安定さを感じる事もなく、こうした景色を見渡しながらの走行にも向いている。
BMW史上もっとも速度レンジの低いオートバイなんじゃなかろうか。

3月に来たときに連れて来られはしたものの、ここでもまた「並んでるし」と、おあずけを喰った『唯我独尊』。
11時の開店に併せて到着し、口開けと共に入店に成功。

富良野カレーと言えばの「オムライスカレー」。
『オム+牛タンソーセージカレー』をいただいた。
ライスが余ればお替わりカレーを追加でよそっていただける。ただし、そのためには厨房の前で合い言葉を言う必要がありそれがオジサンにはハードルが高い。まさに旅の恥は掻き捨て。

つい寄ってしまう富良野スキー場。
次のウィンターシーズンにも来たいなあ。今年は暖冬の噂。心配だ。
この時点で改めて雨雲レーダーを確認するとまだ苫小牧から東側の広い地域に厚い雨雲がかかっていた。
やはり富良野からさらに南下するのはムリ目。富良野から千歳を目指すルートしかない。

暇つぶしに途中目についた「三笠市立博物館」にも気まぐれに寄ってみた。
三笠市にはおよそ1億年前の地層が分布しているそうで、アンモナイト化石の産地として世界的にも有名な場所なのだそう。

館内で1番目を惹くアロサウルスの全身骨格は残念ながらレプリカ。しかも、この地に棲息していたわけではなさそう。

1972年に三笠市から発見された化石が、日本初の発見となる「翼竜」の、足の骨であることが判明したのだそうだ。

モササウルス類の北海道オリジナル、エゾミカサリュウの模型。

模型は小さいが実物はこの画像にあるように、とても巨大。
正直申し上げてこれと言って驚くようなものはなかったが、やはり地元の博物館こそ、その土地のことを知る一番の場所だ。
ここを翼竜が飛び交っていたと想像するだけで景色の見え方が変わったりする。

「もう苫小牧に着いちゃうな〜」と、寂しくなって、途中のなんでもない場所で最後に撮った一枚。
あ〜同じルートをもう一周したい。


センチな気分のまま16時にフェリー乗り場に到着。
終始黒い雲を目の当たりにしながらの走行となったが、ありがたいことに苫小牧に着く頃には雨雲は東に抜けて晴れ間が覗いていた。


乗船開始の1時間も前から待機させられて乗船してからも出港まで2時間近くある。
なんかこの時間がモッタイなく感じるのは私だけだろうか。

それも含めて最終日の行程には少々不満が残った。
返す返すも、もっと走りたかった。
無計画な風まかせの旅の悪いところが出てしまったなあ。
とか思ってしまうのがA型の悪いところ。
無計画だからこそ出会えた道も多かったし、2日目は初山別から網走までの400km以上を雲ひとつないピーカンの下、走りきることができた。そして、ラッキーもあってタウシュベツ橋梁を再び間近で見ることもできた。
それと、私と入れ替わりに台風13号が北海道に向かって行き、週末の北海道は大荒の天気となっていった。
当初の予定通りだったら、私もそれなりに影響を受けていたはずだ。
そう考えれば、総合的に見て、かなり良い旅だったと言えるだろう。
素直に北海道に感謝を伝えて北の大地を後にすべきだ。

定刻に出港。
この時点ですでにほろ酔い。
ときに、期間限定でさんふらわあ号はかの有名な海賊船になっていた。

運賃が高いこと、そのくせ出港までの待ち時間が無駄に長いことなど、納得のいかない点もあるにはあるがキャビンにテレビがあったことは高評価。
沿岸部ではケイタイが圏外になってしまうので暇潰しのコンテンツとしてこれは助かる。

翌日の14時に大洗港に到着。
なんだか退屈な船旅にも慣れた気がする。
デッキからいつもの大貫海岸を見渡す。

こちらは以前、入港してきた
さんふらわあ号を大貫から見た図。

というわけで、夏の北海道ツーリングは無事終了した。
急遽予定が変更になったり、なかなか一筋縄ではいかなかったが、それも含めて記憶に残る旅となりました。

この旅を過ぎても尚、R18にはまだまだ隠された魅力が残されている予感もしている。
これからもその発掘に努めたい。

そして何より、この歳になってオートバイの本質的な楽しみ方を知ることができたのが一番の収穫。
いろいろ諦めがつくようになったこの歳だからこそなのかもしれないが、だとしても、R18と過ごすこれからの旅路が楽しみでならない。

Day-4 旭川〜富良野〜三笠〜千歳〜苫小牧 204km

4日間総距離:1,337km 6日間総走行距離:1,812km
_ _ _ _ 土と雪と:次回の更新は来週月曜です_ _ _ _
慌てて家に着くと、家族の体調不良はすっかり治まっていた・・・
行き場のない気持ちをぷちツーリングにぶつけてしまうわけでして・・・
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