


東京新橋にある『TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO』の1周年企画として、『Tyrrell P34 シックスホイーラー』の実車が展示されることになった。
実は5月から6月末までの展示予定で、その間に新橋まで脚を運ぶタイミングがなく、ほとんど諦めていたのですが、好評につき展示期間が8月25日まで延長されたため見に行くことが叶った。
「タイレル・フォード P34」と聞いて黙っていられない方は間違いなく“スーパーカー世代”の方だ。
そもそも「4輪レース」と言っているカテゴリーに「6輪」で出場するなんてこと自体が前代未聞。
へそ曲がり少年にとって、『ランボルギーニ・カウンタック』を超えて、これ以上に夢のあることなどない、と言えるほどの衝撃度合いでありました。


レギュレーションでがんじがらめになり、スポンサーカラー以外は見た目の違いがほとんどない現代F1と較べるまでもなく、自由でいて無限の発想を許された時代のレーシングカーは、こうして今見ても夢の塊に見える。


当時の男の子たちが夢中になって組み立てていた「タミヤ模型」が、そんな6輪タイレルを見逃すはずもなく、すぐにモデル化されたわけなのだが、精密な調査と徹底した計測を旨とするタミヤ模型なので、タイレルに実車の計測を願い出たのだろう。その縁で1976年の日本グランプリでは、タミヤがタイレルチームのサポートを行なった。

詳細は不明だが、この展示車はモデル化にあたり実際に計測に使われ、その後タミヤに寄贈されたのか永年貸出されたもののようだ。


ちなみに、最近のF1は技術漏洩を恐れて部外者に車体の計測など絶対にさせない。
それでもF1のミニカーは巷に溢れているが、それらは画像から割り出された形状を纏っており、そうしたことを良しとしないタミヤは現代のF1をモデル化していない。
ホンダのイベントやモーターショーなどのさまざまな展示機会に展示されるレッドブルF1は、擬装が施されたミュールカーという念の入れよう。なんとも夢のない話だ。



もうプラモデルを組み立てる気力はないので、できればこの完成品を持って帰りたい。
って、あれやこれやとオートバイをイジっているのは1/1のプラモデルを組み立てているようなものだな。

こちらにはタミヤ模型の製品がフルラインナップで陳列されていた。
もちろん『プラ板』も!死ぬほど懐かしかった。
俺ってこの頃から1mmも成長していないんだなあ。
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私がこちらを訪れたまさにその翌日、タミヤブランドを世界的なものに叩き上げられた、田宮俊作会長が逝去された。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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