この日は八方尾根。シーズンを締めくくるにふさわしい舞台だ。
と、意気込んで6時過ぎにはゴンドラ乗り場に陣取り、8時の営業開始を待っていた。
少々早すぎるかとも思ったのですが、この時間ですでに登山客を含め多くの方々が集まっていたのはOYくんの情報の通り。この様子だと8時にはかなりの行列ができてしまうだろう。
と、まずはリフト券売り場の受付開始を待っていると・・・「山頂付近が強風のため営業開始が大幅に遅れる予定です」とのアナウンスがあり、スタッフの方の口ぶりからは今の時点では目処が立たないと言った印象。
仕方がないので八方尾根はあきらめて、この日もHakuba47に向かうことにした。誠に残念無念。

八方尾根のゴンドラ乗り場には『SPEEDMASTER』を抱えて行っていたのですが、47では前日に良い思いをさせていただいた『Vector Glide GENIUS Narrow』からはじめることにした。
というわけで、シーズンファイナルはスキー。
正直、これまではスキーよりもスノーボードの方が心の比重が高かったので、最終日をスキーで過ごそうなんて考えたこともなかった。
両方とも冬という限定期間でのみ楽しめる趣味であることに加えて、1日の体力や集中力にも限度があるため、限りある時間の中でスノーボードの方を贔屓している感覚、そしてスキーに申し訳ない気持ちがあったのですが、今シーズンはこの二つの趣味の間にあった隔たりのようなものがなくなった。
乗りたい時に、乗りたい方に乗る。いい感じだ。


この日の天候は曇り。朝のうちは肌寒いくらい。


おかげで前日よりも雪が締まっていてよく走った。
とはいえ、いい気になって気が緩んだ頃に板を掴まれるかもしれない。油断大敵の要注意。


この日はスキー場主催のコスプレ滑走のオフ会でもあったようで、コスプレをされた方々が大勢いらっしゃっていた。コスプレというのはそれ専用の環境ではない一般的な場であっても、見る側(見せられる側)の気持ちよりも、ご自身がなりたいキャラクターの方を優先されるのですね・・・


アルプス平に着く頃には晴れて来て気温もグングンと上昇した。
この斜面はこの日も引っ掛かりのない深ザラメ。
意外にも『GENIUS Narrow』でするショート〜ミドルターンが楽しい。
『LINE SAKANA』も融通の効く範囲の広い汎用性の高い滑りを披露してくれますが、ザラメに関してはフレックスのしっかり効いているGENIUSの方に軍配が上がる。シャキッシャキッとした操作に対する遅延のないレスポンスが超絶に小気味いい。
『SPEEDMASTER』にも言えることですが、長さや太さを含めた見た目の印象や、思い込みほどアテにならないものもない。良い道具はどのシュチュエーションで使っても良いのでありますよ。


前日とまったく画変わりしないことがたいへん心苦しいのですが仕方ない。
何より自分が一番、シーズンの最後に八方尾根を滑れなかったことを悔やんでいる。
とはいえ、この時期の雪はどこも一緒。そして、Hakuba47/五竜の春の景色もとても素晴らしい。と、気を取り直してラストの滑りに集中することにする。


というわけで、この日は13時まで滑ったらお腹いっぱい。
せっかくなので最後にスノーボードに乗り換えておこうか。とも思いましたが、スノーボードの方が滑らなそうな雪だったので、ここで無理して悪いイメージを半年引きずるようなことになっては元も子もない。何事も腹八分目で済ませておくことが肝要だ。
実は一瞬、もう一泊してこの翌日に八方尾根を滑ってから帰ることも頭をよぎったのですが、ゴールデンウィークの上り線の交通渋滞もあるし、と思い直してやめておいた。結果的にこの翌日の白馬は雨模様だったので結果オーライ。
そして案の定、この日からすでに関越道の上り線は渋滞が発生していた。通過にはそれなりの時間がかかったようですが、下道でも白馬からの帰路には6時間以上かかった。
トーゼン、家に近づくほど道は渋滞するので、もし高速道路に乗るなら最初の区間が適切。つまり、中間地点を越えたら、下道もノロノロだと気づいても後の祭り。どれだけ運転にヘキエキとしていても、もうそのまま下道で行くほかない。いかに運転好きを自負する私でも、さすがに制限速度での6時間走行は堪えた・・・


というわけで、少々シマリのないシーズンファイナルとはなったが、それにしても今シーズンがとても良いシーズンであったことに変わりはない。
こうして旅の思い出を綴っていると、せっかく片付けたスノー道具を引っ張り出して、また雪山に向かいたくなってしまうほどに、気持ち的にも、技術的にも、道具的にも、とてもアガるシーズンでありました。
これくらい後ろ髪を引かれる終わり方の方が、きっと良い幕の引き方なのでしょうね。
今シーズンの総括はまたそのうち。
ひとまず、皆様お疲れ山でした〜〜〜
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