滑走日数:33日
訪れたスキー場・エリア:23ヵ所
バックカントリー:3日
ご一緒した方々:のべ41人(実人数約13人)
新雪に当たった日数:10日(新雪率33%)
とにかく今シーズンは雪の当たり年だった。
何をして当たり年だったのかは人によって違うと思うが、ここで言うアタリは雪質だ。
比較的少雪と言われた先シーズンも9日も新雪を滑ることができており、日数的には今シーズンと1日しか違わないのですが、雪質で考えたら比較にならないほど今シーズンは良い雪を滑ることができた。
それは非圧雪斜面だけでなく、ピステンバーンにも言えることで、きれいに整えられたピステンバーンの踏み応えの良さも、昨シーズンとは大きく違っていたように思う。
北海道の雪に引けを取らないくらいの雪だと感じた斜面もあった。もうしばらく北海道の雪を滑っていないので、私の感覚がかなり鈍っていることを差し引いても、こちらの雪でそんなこと思ったことは一度もない。
パウダースノーのシーズンベストは1月7日の野沢温泉


正直に言って今シーズン出会った新雪斜面はどれも甲乙つけ難いほど良かったのですが、この翌日に滑った斑尾高原と併せてパウダースノーのシーズンベストは1月17日の野沢温泉としたい。
あのロングコースを一本丸ごとノートラックで繋げたことは、幸運を感じる以前にかなり衝撃的だった。そして、その翌日の斑尾では、面ツルとはいかなかったが、そこそこの深度の新雪斜面を、半日の間ほとんど競争のない状況で何本も滑れてしまった。
例年だと、たとえば白馬エリアだけだったり、日本海側だけだったりと、どこか限られたエリアだけに新雪アラートが出ていたので、そこにパウダーハンターが集中することが多かったのですが、今シーズンは毎週広いエリアで新雪が降り積もったためハンターたちは分散傾向にあったと思う。この時も斑尾は土曜日だったのですが、ピーカン・パウダーであるにも係わらず空いていた。

次点は1月11日の八海山。
この日の新雪の深さは野沢温泉を上回っていたし、平日だったこともあって一日を通して新雪にありつくことができた。そのため、新雪の積もった日はいつも後回しにされるスキーに乗り換えるタイミングでもまだ新雪が残っていて、久しぶりにスキーでもパウダーライドを楽しむことができたことも思い出深い。
この翌日に滑った舞子高原でも新雪を味わえたのですが、野沢温泉〜斑尾高原の新雪のインパクトには及ばなかったので次点とさせていただく。
そして2月9日の斑尾高原もまた次点として挙げておきたい。
雪の量と質で言えばこの日の斑尾がシーズンベストなのですが、この日はほぼ例年通りの混雑具合でノートラックを滑ることができた本数は限られてしまったため次点とさせていただく。

今シーズンはこれら以外にも、シーズン3日目の12月27日の赤倉観光など、多くのパウダースノーを堪能させていただいた。返す返すもよく雪の降ってくれたシーズンだと感心するほかない。
今シーズンのベストピステンバーンは2月22日の天元台
初めて訪れた天元台では、まさに東北の底力を痛感させていただいた。
まるでクッションが効いているような足応えと、それでいてとにかく噛みまくる雪面には目から鱗が落ちまくった。適度な混雑具合と併せて、この雪質に関してはニセコエリアの雪質を凌駕しているとすら思った。

次点は2月1日の白馬岩岳。
この日の岩岳の雪質もまた美味でありました。
綺麗に整ったピステンバーンを、ミズメヒノキで何本も繰り返し滑ることができたことも素晴らしい記憶となりました。今思い出しても脳内物質が溢れ出そう。
今シーズンのベストエリアは栂池高原

今シーズン栂池には3回も訪れてしまった。ちなみに白馬五竜/Hakuba47も3回滑ったのですが、シーズンの最後に八方尾根が強風のためゴンドラが運休になり、1日おまけのように追加されたので、私の気持ちの入り方という意味ではやはり栂池の方に軍配が挙がる。
栂池は毎シーズン、行くたびに惚れ直す大好きなスキーエリアでありましたが、今シーズンは広い栂池の中でも一番北側にひっそりと位置する『チャンピオンゲレンデ』の存在に気づいてしまったことが大きい。斜度と言いピステンのかかり具合と言い、適度な空き具合といい、ここをスキーで滑る楽しさと言ったらない。私にとってのベスト スキー コース。

次点は湯殿山。
天元台とともに、私の脳裏に「東北」の二文字を強烈に焼き付けてくれたのが「R天国」。
立体地形を売りにするスキー場は数あれど、私の知る限り湯殿山のバンクが一番。
それは優秀なディガーさんの存在と併せて、この土地ならではの低温保存された締まった雪質の存在がマストなわけで、つまりはここ以外では為し得ない世界観。そうそう行くことができないこの距離感がまた切ないのですが、だからこそまたぜひ訪れたいと思わせる魅力に溢れた場所となりました。

Snowboard
Gentemstick SLASHER II:8日
Gentemstick TT ミズメヒノキ:6日
Gentemstick SpeedMaster:3日
Gentemstick SLASHER Split:3日
Gentemstick TT165 Soft Flex:1日
MOSS Q57:4日
MOSS Q545:6日
今シーズンは久しぶりにGentemstickと向き合うことができた。
なんとなくではあるがGentemstickにばかり乗っていると、考え方が近視眼的になりそうな気がずっとしていて、これまでも機会があればできるだけ他メーカーのボードにも乗るようにしてきた。
そういったへそ曲がりな気分と、私が理想とする、伸びやかで力強い廣田鉄平くんの滑りへのオマージュが重なり、ここ数シーズンは意識的に『MOSS Q 545』と『Q57』に乗るようになっていったのですが、おかげで後ろ足でボードを捌くことの重要性について改めて気づくことができた。
それから紆余曲折を経て『SLASHER』に乗り直してみたわけですが、そうすると今度は、前足操作を受け入れてくれるGentemstickの乗り味を見直すようになった。
前足操作、後ろ足操作のどっちがどうと言いたいわけではなく、どんなボードであれ、どちらの足でも意識的に操作に使うことの重要性を、今更ながらに思い知ったシーズンでもありました。
その上で、自分は前足を踏んでいけるGentemstickの乗り味が好きなのだと、操作の基本と自分の好き嫌いについて、分けて考えることができるようになった。
基本操作なんてことを言っているレベルなので、私の滑りはまだ五合目を過ぎたあたりであることは重々自覚している。それでも探し求めていた答えを得るための価値基準が、いよいよ一周したような晴れやかな気分でいることが何より嬉しい。
そんなこれまでの散財が報われるような、無駄遣い冥利に尽きるシーズンでもありました。
Ski
Vector Glide GENIUS Narrow:7日
Vector Glide MAXI Gran Turismo:7日
Vector Glide MASTIFF WOOD:1日
Vector Glide OMNY:2日
Vector Glide Butterknife:1日
LINE SAKANA:0日
今シーズンは更にスキーとスノーボードの両立が進んだように思う。
これまでは頭のどこかに「スキーにも乗っておかないとモッタイナイ」といった気持ちがあったのですが、今ではタイマー設定されているかのように、半ば自動的に「スキーがしたい」と思うまでになれた。
それに加えて、いよいよ「どんなスキーがしたいのか」についてもかなり考察が深まったようにも思う。
それに関しては【2024-25シーズンの答え合わせ】の方に書き綴ったのでそちらをお読みいただければと思う。
ただ、何とか散財が一周してくれたスノーボードに対し、今ではむしろスキーの方が次々と別のギアに興味が湧いてきてしまっているのが困りものなのだが。
そして、今シーズンはバックカントリーに復帰することができた


単純なサボり気分に加えて、コロナ禍だったりが重なって「このまま山には登らなくなってしまうんじゃないか」とすら思ったほど、バックカントリーとの距離を感じてしまっていたのですが、今シーズンはなんとか山に戻ることができた。
戻ってみれば「いったい何に遠慮していたのだろう」と思えるほど、あっけらかんとその楽しさを噛み締めている自分がいた。やっぱり手付かずの山を滑ることは至極気持ちがいい。
来シーズンもできるだけ前向きに山と向き合っていけたらと思っている。
おひとり様も増えたが、平日行もグッと増えたのも今シーズンの傾向
年齢に加えて親の介護もあったりして、仕事を半分程度の量に減らしたことで、ある程度平日でも動けるようになったことも今シーズンの特徴と言えるだろう。
というのも半分嘘で、そうした決断を下せたのも今シーズンの雪がとても良かったからだ。
「今シーズンは無理してでも融通を効かせた方が良い」と直感的に思えてしまった。
まあこれもダメ人間の都合の良い言い訳でしかないことは、もちろん重々承知している。
来シーズンがどうなるのか。雪のことも自分自身のことも、もちろん何も分かってはいませんが、だからこそ、今後の後悔のないようなシーズンの過ごし方を、思い切ってやってみて良かったと、今は思っている。
今シーズンご一緒できた皆様、ありがとうございました。
そして、ご一緒できなかった皆様。来シーズンはどこかでセッションできるよう願っております。

というわけで皆様、2024-25シーズンお疲れ山でした。
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