
オートバイ用品ブランドのKOMINEから『ブレインクーラー』なるアイテムが発売開始された。
これ、要はネッククーラーの類なのですが、首に巻いたデバイスから風が出たりするのではなく、ペルチェ素子を使ってダイレクトに首を冷やすというもの。
ペルチェ素子とは、異なる種類の半導体を組み合わせた素子に電流を流すと、一方の面で熱を吸収(冷却)し、もう一方の面で熱を放出(加熱)するという「ペルチェ効果」と呼ばれる現象を利用する素子のこと。
ペルチェ素子を活用した冷却ベストや、風を送るネッククーラーと組み合わせたアイテムなど、近頃よく見かけるようになった。
そして気になる『ブレインクーラー』というネーミングですが、首の動脈をペルチェ素子で冷やすことで脳を冷却するというアイデアから来た名前のようだ。
私はこのネーミングにズッポシ惹かれてしまった。
涼やかさは冷やされる面積に比例するので、ペルチェ素子の実物を見るまでもなく、画像からもその効果は限定的であることが分かると思う。加えてペルチェ素子の冷却効果には限界があって、特に高温の環境下では性能維持が難しいと言われている。
その特性を逆手に取って、局部的な冷却に特化するというアイデア。ということではなかろうか。
昨今の酷暑でなくともオートバイ乗車中の暑さには嫌気がさす。
8月中の運転は前向きに控えよう。とか、本末転倒なことにもなりかねない一大事だ。
なので、真夏のライディングを少しでも快適にできそうなアイテムには目がないわけなのだが、「ないよりはあった方がいい」というレベルに落ち着いてしまうことも容易に想像できる。
あとはそれがどのレベルにとどまるのか。そういったギャンブルであることも重々承知しているのですが、試しもしないで「どーせ・・・」とか言って見過ごすことも私にはできない。
という無駄遣いの大義名分の下、いつものように人柱を買って出た。

ペルチェ素子は発熱量が大きいのでこのような目立った通気口を持っている。
それもあって最初に感じるのは、首に巻くものとしては「意外と大きい」ということ。
それなりに違和感がありましたが、私の場合それは最初だけで10分もしたら忘れた。
肝心の使用感ですが、私の期待値に対しては80点といったところ。想像以上に満足。
「冷っ」とするのは最初の1分程度。それを過ぎるとすぐに肌の局部も慣れてしまうので、冷凍庫で冷やしておくタイプのネッククーラーのような、分かりやすい冷却効果は感じられない。
ですが、「ここで血液を冷やして体内に循環させている」という感覚が確かにあって、汗かきの私の汗の量に違いがあったことと、暑い時特有の眩暈がするような嫌な感じはなかった。
何より冷凍庫で冷やしておくタイプとは比較にならないほど長時間に渡って効果が持続される。
そしてそれは日陰を走ることが多い区間よりも、日差しの強く浴びる区間を走っている時の方が効果を感じやすかった。
「肌はすぐに慣れてしまう」とは言ったものの、この変化にすぐ気づくことができたのは少なくない効果を体感できているからだと結論づけたい。酷暑になればなるほど、していない時としている時の違いが明確に感じられたことも報告しておきたい。
それと、首に巻くものとしては大きいと感じるのですが、外せばポケットに入る程度のサイズになってくれるのもありがたいポイント。
使う日の状況にも左右されるだろうから、これは4日間使ってみての感想。
こちらは本来モバイルバッテリーと繋いで使うものなのですが、オートバイに装備されるソケットからも給電できる。
私は純正装備のヘラーソケットにUSBソケットを挿して使用しているのでバッテリー切れの心配もない。ちなみにこちらのプラグはUSB-C。私のUSBソケットはUSB-Aなので、USB-CとAの変換ソケットが必要になる。
私は空冷ボクサーエンジンの熱ダレ対策のため、真夏の信号待ちではアイドリングストップさせることが多いのですが、車体の電源ソケットから給電しているため、大電流を使用するスターターモーターを使うとこちらの電源がカットされてしまい、その度にスイッチを入れ直す必要があり少々面倒くさいのが玉に瑕。
私としては税込¥6,900は妥当なところではないかと思っているので、あとは耐久性次第といったところ。
3シーズンくらいは活躍してほしいですねえ。
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