近頃ヘルメットに通信デバイス、いわゆるインカムを装着しているライダーをよく見かけるようになった。
っていうか、私の知る限り、その装着率はすでに50%を超えているように感じる。
路上で見かける半数以上ライダーのヘルメットにインカム・デバイスが装着されており、すっかり無視できない存在となっている。
私はコミュニケーションが都度必要になるような人数でのマスツーリングに出かけることはないので、コミュニケーションツールとしてのインカムにはほとんど興味がない。
それよりもナビゲーションガイダンスを聴いたり、走行中に音楽を聴いたり、電話に出られることの方にメリットを感じる。
とはいえ、いかに新しモノ好きの私であっても、インカムを欲しいと思えないのは本体サイズのデカさ。
どうやらバッテリーを小型化できないことが主な理由のようで、ヘルメットにカブトムシがとまっているいるような見た目がなんとも苦手。
R18に似合うヘルメットデザインかどうか以前に、カブトムシでは興醒めだ。

そんな中、SHOEIは一歩リードしていて、予めバッテリーを納める場所をヘルメット後頭部に、コントローラー設置場所を左側部に用意し、インカムブランドの『B+COM』『SENA』と協業したスマートフィッティングを達成している。
この程度隠匿していてくれたら合格だ。
ただ、このシステムに対応するヘルメットは『GT-Air II』『J-Cruise II』『NEOTEC II』の3モデルだけと選択肢は限られる。

SHOEIはそれ以外にも、最初からインカムを装備する『OPTICSON』も市場に投入しているのですが、なぜかいかようにもデザインすることが可能なはずのこちらのモデルの方が、オプション扱いのモデルよりも“カブトムシ感”が拭えていないのはかなりの謎だ。


そんな中、やはりBMWは最適解を提示してきた。
純正エクイップメントのラインナップとして、通信機能搭載ヘルメット『GS Rally Carbon』を登場させた。
GS Rally Carbonは、単なるインカムにとどまらず、スマートフォンとシームレスに接続し、ハンドルから手を離すことなく直感的なコントロールを可能としたマルチコントローラーを装備する先進のナビゲーションシステム『BMW コネクテッドライド』との統合を第一の目的にデザインされているようだ。
Mesh 2.0技術を採用し、最適化されたノイズ抑制と第2世代HDスピーカーにより最高品質の音声と音響を提供するというGS Rally Carbonは、USB-C充電により1時間で100%充電が可能で、連続使用で8時間、通常使用で12時間、低使用で16時間の稼働時間、理想的条件下でのMesh通信範囲は最大1.5km、一般的使用では約800mを実現しているという。
Meshとは通信技術の総称なので、同じ規格を搭載する他メーカー製品とのリンクも確保されているということなのだろう。たとえコネクテッドライドを利用しなくても、満足度は高いように思える。
さておき、言われなければそうとは気づかないさりげなさ。
さすがはBMW Motorrad。よく分かっていらっしゃる。

すでに多彩なカラーバリエーションの存在が公開されているところもさすがです。
GS用のデザインではありますが、真っ黒いモデルならギリR18でもイケるんじゃないか?とか、つい夢想してしまいますが、トーゼンお高いものと推測される。
まだ日本国内での発売予定や価格は発表になっていないので想像するしかないのですが、『SHOEI OPTICSON』のメーカー希望小売価格が本体137,500円(税抜価格125,000円) +バッテリー11,000円(税抜価格10,000円)。すでに発売されている『GS Carbon Helmet』の価格が9万ほどであることを考え併せれば『GS Rally Carbon』の方は20万は下らなそう。
私はと言えば、もし仮に20万もの大枚をはたくことができるのならば、ポータブルクーラーの方が欲しい。
というわけで、おとなしく悪目立ちしないくらいに小型化が進んだインカムの登場を待つこととする。
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