ジャパン・モビリティ・ショーに行ってまいりました。
前編、後編と、2回に渡り、いつもの通り、かなり偏ったあくまでも私の興味本位だけの見解で紹介をさせていただこうと思います。

まずはホンダから。
Super-ONE Prototype

N-ONE e:がベースのオトコマエ仕様。
いきなり総論めいたことを言いますが、今回のジャパンモビリティショーは、前回までの“電化”や、“サスティナビリティ感”はかなり影を顰め、全体的に「東京モーターショー」に回帰したかのような、はっきりって「先祖返り」の印象を強く受けた。
もはや電化は当たり前ってことなのでしょうが、これもそうした全体像を象徴する、前回までだったら「けしからん」の一言で済まされたような一台。
こうした世界観た文化的背景も「コロナ明け」になったということなんですね。
Acura RSX Prototype

次世代のホンダRVのプラットフォームなのだそう。
これもEV前提なんだろうなあ。
ってか、ランボルギーニのRVに似てないか??
Honda 0 α

そのまた次世代のホンダを示唆するプロトタイプ。
ただ、逆にすでにこれっぽいモデルを発売しているボルボの優秀性を感じさせます。
ホンダ遅れてます。
PRELUDE

先頃発売が開始されたプレリュードですが、やっと見ることができた。
私世代にプレリュードと言ったらスペシャリティカーの元祖みたいな存在になるのですが、その進化版。
いま「スペシャリティカー」って言っても「なんじゃそりゃ?」ってことなんでしょうけど、クルマ草食時代だからこそ必要と言える一台。
Honda Micro EV

完全自動運転のマイクロモビリティなのだそう。一人乗りの自動運転タクシーってところか。
電動自動車のあり方として、けっこう魅力的に映る。これ運転できたら面白そうなんだけどなあ。

この電動のスケボーも格納できて、車載すると充電されるとのことですが、タクシーなコンセプトに反してねーか??
っていうか、このスケートボードが面白そう。
自動運転でいつもの坂まで行ってスケートボードするってか?
サスティナビリティロケット

スペースXのホンダ版。
とはいえまだ高度300mまで上昇して自立着陸するテストを繰り返している段階。
近くにいた女性がパートナーの男性の方に「これどこから乗るの?」と聞いていたのが印象的でした。
まあそう思いますよね。“モビリティ”ショーですもんね。
MAZDA VISION X-COUPE


さすがはマツダ。と言えるようなカッコよさなんですけど、毎度こうした美しいスポーティモデルを出展しながら、一台として実現しない現状を見るに、本当に発売する気があるのか、かなり疑わしくなってきている。
こういった商業ショーの役割として、夢を描いて市場の期待感を醸成するということがあることは分かるが、クルマ社会を取り巻く環境は想像以上に厳しく、喫緊の課題に対する回答の方が強く求められている。
それはサスティナブルでクリーンな中長期的な回答だけではなく、それらをできる限り実現しながらもクルマを操る楽しさを、明日にも提供できるという喫緊の「夢」だ。
クルマに対する憧れが日々希薄になって行く現在にこそ、出るのかもわからないコンセプトではなく、「これのためにお金を貯めよう」「貯金をはたこう」と思えるようなカンフル剤が求められている。
個人的に注目してしまっているので多くの方々の求めるところではないのかもしれないが、近々登場が噂される新型の『MAZDA 6』とかを展示してくれた方がずっといいのに。
とはいえ、私なんかにはこうした旧態依然とした展示方針も復刻版「東京モーターショー」的でいいんですけど。
ただ、こんなジジィがそう思うくらいなので、モーターショーの頃のようなエモーショナルな付加価値をクルマに持たせることが果たしてイマ必要なことなのか?と考えるに違う気がしてならない。
クルマにワクワクする未来がなくなるとするならば、それは逆説的に「エモーショナル」を標榜するマツダの終焉を感じさせてしまう。諸刃の剣。
MAZDA VISION X-COMPACT

こちらの方がまだ地に足がついているように見えるが、すでに発売されている海外勢の魅力に、すでにコンセプトの段階で負けていると私は思う。
マツダのデザインセンスが手遅れにならないことを切に願う。
SUBARU Performance-E STI concept


これも東京モーターショー的で良いと思うんですけど、“絵に描いた餅感”はマツダ以上。
窓が黒く塗りつぶされ、内装が隠匿されていることや粗い塗装処理など、間に合わない感はさらに深刻だ。
たとえば3年後にこれが発売されたとして、その時にクルマにこう言ったセンスを求める市場がどれだけあると予測しているのだろうか。
これも来月発売とかじゃないと手遅れだと思う。
昭和のセンスで未来を捉えているように感じる。
SUBARU Performance-B STI concept


そういったツッコミを予測していたかのような現実味あふれる一台。
ただこれもコンセプト。
これこそ今月発売を開始しないとならないモデルだと思うが、じゃあこれが売れるのか?と考えれば答えは自ずと出てくると思う。目を覚ませスバル!!
AMG Concept GT XX


小さいブースながらも、海外勢が戻って来てくれたことが何よりウレシイ。
これもコンセプトに違いはないが、メルセデスにはこうした1億円クラスのモデルを、きちんとビジネスにできる土壌がある。
これ、メルセデスベースのAMGチューンなのではなく、AMGが生み出したEV用のアーキテクチャを使用した100% AMGオリジン。AMGが手ずから電気自動車を生み出す時代になったのであります。
この『AMG GT XX』は一応コンセプトを名乗ってはおりますが、すでに市販バージョンが完成しているとのこと。
つまり、メルセデスは5年以上も前に、10年後の市場予測と共に、それを成功させるための準備を始めていたことになる。
国内勢が後手に回ってしまうわけだよな・・・
BMW CONCEPT SPEEDTOP

「スピードトップ」と名付けられたBMWのシューティングブレークのコンセプト。
これもすぐに市場に売って出られる完成度の高さ。
いやはや、なんという美しさ。
発売したら2千万くらいかな?それでも売れるんだろうな。
こういうことなんだよ。マツダさん。
MINI COOPER PAUL SMITH EDITION


一台目に紹介したホンダのSuper-ONE Conceptと同じ立ち位置にあるクルマだと思うが、こちらはコンセプトではなく実売モデル。いかに国産メーカーの一手が遅れているのか、それを象徴するデキゴトだと思う。
BMW名義になる前のオリジナルのMINI COOPERにもポール・スミスの手がけたモデルがありましたが、それを彷彿とさせる一台。内装の仕立て以上にボディカラーのセンスが光る。
現実に手の届く上質感の提案が素晴らしいと思う。
こういうことなんだよ!スバルさん!
巨大化する姿を見かねて「これのどこがMINIやねん!」というオールドスクールなおっさんのツッコミを差し置いて大人気の様子。
【後編】につづく


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