SLASHERってどんなスノーボードだったっけ?を検証しにオグナほたかへ

この週は東京では気温が20°近くにまで上るなど温かい日が続き、甲信越で見渡しても降雪の予報はなし。
山の気温も一旦上がってしまったので、雪は溶けて凍ってを繰り返し、ゲレンデの状態は良くないだろう。
ここのところ良い雪をたらふくいただいてきたので、こういう時こそ一週休憩を挟むのも良いな。とか、サボリ癖のある私はつい思ってしまうのですが、いつまた降雪がなくなってしまうやも知れぬ。雪のあるうちは歯を食いしばってでも行っておくべきだ。と、気の小さい私は考え直す。
そんなわけで、この週はそんな私の中に巣食う天使と悪魔の間をとって、土曜は家でゆっくりと過ごし日曜日の日帰りで滑りに行くことに決定した。
最近行っていないかぐらか、こんな時だからこそスキーが楽しい苗場、もしくはで近場の片品あたりでお茶を濁しておくか。
とか考えていたら、マッツン一家、OYくんとウッチーもオグナに行くというので私もオグナに行くことに決めた。

「お茶を濁す」とか後ろ向きな発言をしましたが、こういう時だからこそ試しておきたい案件というものもある。
それが、どうしても乗りたくなった『SLASHER Split』。
GENTEMCHOPSTICKと呼ばれる前のモデルなので、スプリット名義でお伝えしております。
とはいえ、近々こいつとバックカントリーに出る予定があるわけでも、もちろんスキー場でスプリットボードに乗りたかったわけでもない。ただ単純にSLASHERに乗りたくなっただけの話だ。

もちろんソリッドボードのSLASHERに、いつものバインディングを着けて試したいところですが「乗りたければスプリットボードの方に乗ればいいし」という安易な考えで、SLASHERのソリッドボードはとうの昔に買い替えのための軍資金に消えてしまった。よってゲレンデにはそぐわないスプリットボードを引っ張り出してきたというわけだ。
スプリットとソリッドの違いは、やはりフレックス。スプリットは割れることを見込んで予め硬く設定されている。と思う。そのぶんを差し引いて乗り較べないとならないのだが、この際仕方なし。
ちなみにSLASHERに乗るのは3年ぶりだ。

なぜまたSLASHERに乗りたくなったのかと言えば、それは単なる気まぐれ・・・
というのは半分ウソで、
先シーズンから登場した『SLASHER II』とかいうやつが気になりはじめてしまったから。

GENTEMSTICKがスノーボードデザインに提唱した独創的なフラットキャンバーでTTシリーズと並ぶSLASHERが、登場から20年の時を経て、ボトムデザインはそのままに23-24シーズンからアウトラインを大胆に見直した。
サイドカット値はそのままに全幅を中心に再設計することで、SLASHERの特徴であった深雪でのスムースなボードコントロールはそのままに、グルーミングでのより強いカービングを可能にする。またドラグを理由にTTシリーズを諦めざるを得なかったライダーも注目の1本だ。

Gentemstickの説明にはこう書かれており、これを真に受ければサイドカーブは維持しながらファット方向に調整したということになる。それはつまり、Qを縦に伸ばしたような方向に向かったと見ることもできる。

こちらはあくまでもイメージを掴むためのもので、決して正確なものではないのですが、それでもこうしてアウトラインを重ねてみると、この二つのスノーボードの違いと共通点が透けて見えてくる。
Widthはトップ、ウェスト、テールともにSLASHERの方が狭いのですが、浮力に関してはほぼ同程度とみて良いだろう。サイドカーブも似たような孤を描いているのですが、SLASHERの方がテールが長いぶん、サイドカーブが後に長く、新雪でも圧雪でのカービングでも、テールが粘ってくれそうに見えるところが注目点。

ううううう〜〜〜〜〜〜ん。キニナル〜〜

話をオグナほたかに戻そう。
この前日も丸沼で滑っていたOYくんによると、まあまあ固いバーンだったと聞いていたので、この日も硬いんだろうなあ、と思っていたのですが

想像と違って意外に向き合える。ベストではないけれどよく噛む雪でありました。

というわけで、圧雪でのSLASHERのカービングについて、この日は再検証することとなった。
んで、結論を先に申し上げますと、SLASHERでするターンは今でも面白かった。
ボードセンターに雪面の圧を感じるQ545とは違い、SLASHER、というか(私の知る限りの)Gentemstickの多くのボードは、トップ〜センター〜テールと、プレッシャーが足下を流れていく様子が窺える。
そのためその流れに沿うようにターンをさせることが、SLASHERを操る上で肝要となる。
近ごろ後ろ足荷重で回すターンを心がけている私ですが、そのためある程度前足を意識する必要がある。
前足への監視を怠るとすっ飛んでいってしまうため、強制的に前足を使わざるを得ないTTとは違って、サイドカーブがある程度トップのズレを抑えてくれるSLASHERの場合、むしろ前足を使えることが楽しく感じられる。
俺って前足で舵を切る操作が好きなんだなあ。と、強めに再認識。
もちろんこれがQ57、545に乗るようになったことで、後ろ足荷重を意識するようになったことによる気づきであることは確かだ。

もちろん、だからと言って深雪をQと同じように扱えるかと言えばそれは違うだろう。
ストールして速度の落ちるパウダースノーだったり、ややこしい雪面でもオープンバーンであれば何の問題もないだろうが、関東圏のスキー場の多くのサイドカントリーで出会う、重めの新雪のツリーランなどで、Q545と同じように操ろうとしてもそうもいかないはず。
いかに「サイドカット値はそのままに全幅を中心に再設計する」とは言ったものの、少し太くしたからといってQと同等の反応が得られるとも思えないので、圧雪だけ滑って結論を急ぐのはまさに時期尚早・・・

・・・なのでしょうが、想像というものは誠に恐ろしいもので、SLASHER IIへの妄想がズンズン肥大化して行ってしまう・・・ヤバいなあ〜これYABAいなあ〜〜

といった悶々とした気持ちを胸の内に秘めながら、この日もみんなと楽しく滑らせてもらった。
中でもマッツン家の嫡男ワタルがなかなかの成長を見せていたのには驚いた。
前は50mほど滑ると「もういいや」って感じで投げ出していましたが、今ではそこそこ斜度のある斜面でもガンガンに入っていく前向きさに溢れている。やっぱりやる気って大切よね。

話は変わるがこの日はかなり寒かった。
一日晴天予報だったので、インナーを一枚減らしてしまったこともあるが、それにしても風が冷たい。
陽が出ているのに歯がガチガチ鳴るほどに凍えた。これがバックカントリーだったら心が折れていたかもしれない。ってくらいに寒かった。晴れているからと言って冬山を甘く見てはいけない。暑くて脱いだウェアが邪魔になるくらいでちょうど良いのだな。と、これまた再認識。

休憩を挟んで午後からはスキーにモードチェンジ。
やっぱりオグナほたかの広さや斜度のあるコースたち、特に降雪のなかった硬い斜面の日などはスキーの方が向いていると思う。スキー天国。
もちろんエッジが斜面にグイグイと噛み付いていくカービングスキー向き。ほとんど『MAXI GT』の天下だ。すげー面白い。

OYくんとウッチーが先に上がって行ってからは、しばらく一人でスキーに打ち込んでいたのですが、「私もそろそろ〆るかな」といったタイミングのリフト降り場でユカチンとワタルに遭遇。
そこからスキー場ボトムまで一緒に滑ったら、ワタルからのおかわりが出た。もう一周ワタルと3人でスキー場トップまで上がってボトムまで一筆書き。

ユカチンとワタルを残し最後に一人でトップtoボトムをもう一周してから上がることにした。
なーんてことをしていたら、気がついた頃にはすでに陽は翳りはじめ、16時近くになっていた。
すげ〜〜〜〜オープン・ラストだよ。いや〜〜滑った滑った。

スキー場をあとにして『道の駅 尾瀬片品』の近くにあるレストランに移動してマッツン家と夕飯を食べてから帰ることにした。食後にマッツン家は温泉に入ってから帰るとのことでしたが、私は風呂に入ると運転中に睡魔に襲われるのでここで帰らせていただくことにした。
さておき、日帰りなのに、かなり盛りだくさんな1日となった。
あ〜〜サボらずに来てよかった〜〜〜やっぱり来れば来たで、何か楽しいことや発見があるもんだね。

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