夏の北海道4Days 2023 Day-0

R18の購入を決めてから、
いや、決める前から、
「R18で北海道を走れたら・・・」と
夢想していた。
北海道はほとんど取り付け必須の
オプションパーツのような存在だった。

ただオートバイを走らせるだけで、
楽しいと思える体験は本当に久しぶりだ。
たぶん16のとき以来だろうと思う。

『バリバリ伝説』に熱中していた頃は
サーキット走行やワインディングロードを目指し、
そのトレーニングではじめたモトクロスが発端で
行くようになった林道も、ダートを走ることが
オートバイに乗る目的であった。

BMWに乗るようになったのは
そうしたことからの脱却が目的だった。
R1200C、そしてR1200GSと乗り継いで来て、
結局、HP2のように機能性を含めた
単一目的で生み出されたモノのもつ魅力(魔力)
には抗えず、そちらに出戻ってしまっていた。

なので、
私の望む走らせ方と、
モノの持つ魅力。
この2つがきちんと揃ったのは
(もちろん歳のせいもありますが)
R18がはじめてなのであります。

もちろん今でも目的のハッキリした遊び方、
楽しみ方から得られる悦びを
否定する気はさらさらない。
再びレーサーレプリカを手に入れることは
さすがにもうないとは思うが、機会があれば
250ccのオーフローダーは欲しいと今でも思う。

さておき、R18はそんな私の
偏ったオートバイの趣向を、
完全にリセットしてくれた。

そうした予感は
ずっとR18に対してあったのですが、
ここまで想像通り、否、想像以上に
予感が的中するとは自分でも驚いている。

北海道ならもっとR18の楽しみを引き出せる。
そう確信するのに
時間はほとんどかからなかった。

ではいつ行こうか。
仕事の都合もあるが、結局フェリーが
安くなる9月に行くことにした。
札幌のノブによると
今年は北海道でも猛暑がつづき
「こっち来てもぜんぜん涼しくねーぞ」
とのこと。
尚のこと8月に行く必要性は低い。

9月1日の新潟〜小樽のフェリーを予約して
7年ぶりの北海道ツーリングが決定した。

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R18でするはじめての
キャンプもするロングツーリング。
しかも積載力ほぼゼロの
R18 BOBBERなので、
できれば一度でも事前に
テストツーリングをして
諸々確認しておきたいところでしたが
時間的な余裕もなく
荷物の取捨選択にはかなり悩まされた。

20Lのタンクバッグ、
30Lのバックパックの計50Lに、

・衣類(着替え/防寒着)
・テント
・寝袋
・エアマット
・Helinoxチェア
・雨具
・工具
・その他もろもろ

最低限に抑えたつもりでも
詰め込んだらパッツンパッツン。
バーナーなどのキャンプ道具を
持って行くのはハナから無理なので、
すんなり諦められましたが、
着替えの数や予備の防寒着、
モバイルバッテリーなどの電子機器、
いちばん無駄のないパッキングを求めて
出しては詰めて、出しては詰めてを
出発の前夜まで繰り返した。

ほとんど時間切れで決まったような
荷造りのおかげで、トーゼンのように
あれこれと旅先で足らないモノが出てきた。
その話はまた次回。

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今回も日本海フェリーにしたのは、
もちろん費用の問題。
新潟までの高速代を考えても
新日本海フェリーが安いのですが、
新潟港までは300km以上ある。

これまでのツーリングで
R18の高速道路区間の楽しみ方も
分かって来ていたので、新潟までの
300kmもあまり心配していなかった
のですが、その考えは甘かった。

7年前は、雨の中をHP2 Enduroで
300km走破したので、それと較べたら
暑さを除けば快適度は雲泥の差なのですが、
それでもさすがに
300kmをただ走り続けるのは飽きる。

バックパックを背負っての走行は
初めてだったので、肩が痛くなったり、
何より運転がつまらなくなったりしないか
不安もあったが、有り難いことに
不具合もなくいつも通りに
走らせることができたのにはホッとした。

といったわけで、
走行自体は何の問題もないのですが、
時間を気にせず走らせるのとは違い、
出港時間との兼ね合いを見ながら走らせる
長距離の高速道路は素直に楽しめない。

気の小さい私は、出港時間に対して
余裕をもって到着したいので、
早く着きすぎることが見えてきても
到着してゆっくり休む方を選んでしまい、
ペースを下げることができない。
急かされていては
よけいに走りを楽しめない。

結局、乗船時間よりも2時間早く、
しかもヘトヘトになって到着。
新潟市内のデパートで暇をつぶした。

途中のサービスエリアを楽しむなど
もうちょっと大らかな気持ちで
高速道路を走らせられたら。
とは思うが、それができない。

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給油を済ませてフェリー乗り場に着くと
すでに50台程度のオートバイの列が
2列できていた。
事前に乗船に使うバーコードを
出力しておいたので、港での乗船手続きなしに
まっすぐにその列に並ぶ。

もう9月だというのにすごいオートバイの数だ。
やっとコロナが明け、北海道行きを心待ちに
していた方々は、想像以上に多いようだ。

ちなみに、
私と同世代の方が6割以上を占めていた。
このタイミングだからなのか、
はたまた現在のオートバイ人口を
反映しているものなのか。
なんとなく高齢化が気になる。

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出港1時間前となる11時に乗船開始。
オートバイが先で自家用車と
トラックはそのあと。

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なので4輪車の方々が乗船してくる
までの時差を使い、大浴場が混む前に
さっさと一風呂浴びて、
早速デッキでサッポロクラシックをいただく。

この頃ちょうど、フェーン現象による
新潟県内の酷暑がニュースなどで
関東圏でも再三伝えられていたが、
この日の新潟は本当に暑かった。
埼玉や東京も酷い暑さでしたが、
この日の新潟の不快感には及ばない。
これでは確かに
コシヒカリの収穫量が心配になる。

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定刻の12時に出港。この日、
札幌では強めの雨が降っているようだ。
つまり、
低気圧に向かって船は進んでいくわけで
北に行けば行くほど海は荒れてきそう。
夜は揺れそうだ。早めに酔いつぶれて
寝てしまおう。

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ただ、明日以降は晴れの予報。
頭の中を支配するのは、
晴天の下、北の大地を疾走する自分と
愛車の姿だけ。

「どんな線でも結ぶことができる
 北海道という広大なキャンバスを、
 目一杯楽しもう」とか、
欲張ったことを考えると、A型の私は
つい事細かに計画を立ててしまうのですが、
今回は初日以外の予定は
まったく立てていない。

荷物を減らしたいこともあって
ツーリングのテッパンアイテムである
『ツーリングマップル』すら
荷物から省いた。

知りたいことがあればGoogleに訊く。
道はGoogleに案内してもらう。
その日暮らしの出たとこ勝負の旅を
目論んでいる。

そんないい加減なデジタル旅が
いよいよはじまる。

(Day-1:明日につづく)

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