一泊二日の予定を一日伸ばして帰り道の途中にあるパルコール嬬恋に寄り道をすることにした。
パルコール嬬恋は少々ややこしい場所にありなかなか足が向かない。もちろん、降雪量を含めたゲレンデの魅力がそれを補って余りあれば距離は関係がないので、要はそういうスキー場なのですが、だからと言ってつまらないスキー場だと断ずることもできない。

それもあって、繰り返し通ってもらうよりも、滞在してもらうことを狙ったリゾート型のスキー場。
ご家族連れに向く長い緩斜面が特徴なのですが、関東最⻑を謳うゴンドラで一気に稼ぐ距離は3,193mと、適度な緩斜面をロングクルージングできるのがパルコール嬬恋最大の魅力だ。
ここもアルペンブリックや舞子高原、神立高原スキー場と同様にEarthHopperのおかげで久しぶりに訪れるようになったスキー場のひとつ。EarthHopperサマサマなわけだが、妙高方面から下道で埼玉に帰る際にここの前を通るので、パルコール嬬恋は今回のようなもしもの場合のバックアップゲレンデとしても機能してくれる。
ちなみに先シーズンは志賀高原が強風で運休になった際にここで滑ってから帰った。
特にこの日はこちら方面だけ晴天予報。
2日間ゴン降りの信州を飽きるほど滑ったので、そろそろお天道様を拝みたい気分もあった。
このように選択肢のバリエーションが増えるのも、何かと融通の効かせやすい下道車中泊派だからこその特典。

スキーでロングクルーズすることにも惹かれるが、前日に目の覚めるような思いをした『Q545』に乗りたくて仕方がなかった。



豪雪地帯を滑ってばかりいたのでどこもすでに整っているものと思い込んでいたのですが、こちらはやっと積もったと言った程度だった。
それに加えて最上部に掛かる第2高速リフトが強風のため(?)運休していたため、この日は山に向かってゴンドララインの右側半分のコースだけしか滑れなかったのは残念。
豪雪の妙高からやって来たので、薄い積雪に対する警戒感はゼロ。
欲張ってぱっと見にふわっとしていた新雪に飛び込んだらかなり強めにガリっと行ってしまった・・・
Q545のソールのセンター付近に50cmほどの長さで深めにエグってしまった。
ああああああ〜〜〜〜〜〜帰ったらリペアしないと。
言ったように家族に無理を言って延泊をしている身なので、この日の滑走は午前中限定。
凹んでいる暇などない。文字通り一心不乱に滑り倒すこととする。


気持ちを切り替えて、前日から加わったグイグイ回しこむ小回りなターンと、切れ上がるようなロングターンを組み合わせたQ545独自のリズム感を駆使してこのロングクルージングコースを堪能する。
妙高の斜面と違って雪面はまあまあ硬く、Q57だとバタバタとその太さを感じさせられてしまう場面でしたが、Q545の強いエッジコンタクトを駆使すれば足を取られずに突っ走れてしまう。


この日稼働しているリフトはゴンドラと第1高速リフトだけ。必然的にゴンドラで回すことになるのですが、言ったようにライダーズライトのコースには入れないので同じコースをただただ滑るだけ。それなのに全然飽きないのはなぜなのだろう。
って、冷静になって考えてみれば、それだけ頭の中を真っ白にして滑れているからに他ならない。
私でも頭の中を真っ白にできる程度の滑りやすい緩斜面であることも大きいが、この時期にすでに滑りが整っているということだ。
すべきこと、できることで頭がいっぱい。なんて幸せな時間なんだろう。
そんな滑りが12月にできている幸せよ。今シーズンは中身が濃いぜ。

と、ゴンドラを8本回したところで「リフト設備の点検のためしばらく運休します」と言い渡されてしまった。
復旧の目処は立っていないとのことなので、点検というよりも故障、もしくは他の不具合が起こったということのようなのですが、それにしてもお粗末な話だ。天候の急変ならまだ諦めもつくけれど、設備の不良は明らかな施設の整備不良、不備だ。企業側のミスなので何か補償があって然るべきだと思うが、こういう時は何も施されない。
聞けばどのスキー場も従業員が大幅に足らない状況が続いているのだそうだ。コロナ禍で大量の期間従業員を解雇したことも影響しいるのだろう。スキー場の人手不足は安全性の確保にダイレクトにつながるので、経営側としても頭の痛いことだと思う。雪不足よりも先に人手不足で閉鎖に追い込まれるスキー場も出てきそうで怖い。

私のタイムリミットまで1時間を切っていたので、そこで引き上げることにした。
少々不足気味ではありますが腹八分目で許してやろう。
というわけでこれで2023年内の滑走は終了。今年の正月は家でのんびり(?)過ごすことにする。
いつもなら年末寒波で一気にゲレンデが整うことが多かったので、正月休みの前にこれだけの雪を味わえてしまったことは特筆すべき出来事だ。だからと言って正月休みに滑りに行けない鬱憤が晴れるわけではないが、それでもこれだけ滑り溜めしておけたことで、少しは気が休まるというものだ。
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