この日も早割を消化するために八方尾根へ。
「早割リフト一日券を消化するため」に、こんなに素晴らしいスキー場に来るなんて、ホントバカげているし、むしろ高くついているとも言える。
とかいう私のような人間は早割とか買っちゃあだめなんだなあ。
と、頭では分かっちゃあいるが、11月になると浮き足だって買ってしまう。やれやれだ。
ただ、そのおかげで久しぶりにTくん一家と滑れることになった。
(逆に迷惑になっていなければ良いが)
Tくん一家がやって来るまでスノーボードで一人旅。
八方はいつも名木山ゲレンデから上がることの多い私ですが、この日は初級者向けの咲花ゲレンデから上がる。
前日とはうって変わって良い天気!
白馬連峰の雄大な景色は何度見ても見惚れるスケール感。
一気に観光気分が爆アガリする。
リフト乗車中、滑走中の方々の方から「ズア〜〜〜〜」「ザザ〜〜〜〜〜」という掘削音が鳴り響く。
今日も硬そうだ・・・
見た目には美味しそうな斜面なのですが、やっぱり硬い。
とはいえアイスバーンではないのでなんとかエッジも噛んではくれている。
大きく回すのはさっさと諦め、スピードが増すのを承知の上で縦めにショートターンさせ、硬さをいなす滑り。
右に左にダンスダンスダンス。
楽しいけれど体力と筋力は一気に削られるので、長距離、長時間はつづけられない。
典型的な“ナントカと煙”の私は、リフト最上部からの絶景を見たくて上へ上へと上がって行ってしまう。
上部には雲がかかりはじめており、晴れてているうちに景色を眺めようと急いだのですが、到着する頃にはすでに写真を撮る気も起きないほどにガッスガス。
そしてカッチカチのコブ斜面と向き合わされるハメに陥る。
黒菱からスカイラインという、雪が良かったら卒倒してしまうほど素晴らしい斜面へ。
硬くはありましたが、斜度が適度で面ツルなので、なんとかギリ向き合うことができた。
とはいえ一本滑るとモモ筋が痙攣しはじめるほどハード。
そして、癒やしを求めて私が八方で一番好きなパノラマコースに移動。
ここも硬いがスカイラインよりも更に斜度が緩いためなんとか向き合えた。
そしてやっぱり痙攣モード。
ここを3本回す頃にリフト上からTくん一家らしき三人家族を発見。無事合流した。
パノラマから咲花ゲレンデまでのロングコースを4人で滑る。
カチカチで斜度のあるパノラマコースで、ちょっとご機嫌ナナメになっていたモモ姫でしたが、林間の迂回コースにはご満悦の様子。何はともあれ良かった。
何より、Tくんのコーチングの甲斐もあり、想像したよりモモ姫はスキーが上手になっていた。
これだけ滑れれば充分。あとは楽しさに気づいてもらえれば半自動的に上手くなっていくだろう。
そんなわけで、私もスキーにチェンジしてご家族に混ぜていただく。
モモ姫がやる気を出してくれて、4人でスカイラインの迂回コースを2周もした。
迂回コースをゆっくり滑っているだけなのですが、初級者の見本になるような滑り方を心がけていると、自分のおかしなクセに気づけたり、左右のエッジングの誤差を見つけたり、これはこれでなかなかのトレーニングになる。
やっぱりシュテムターンは、いろはの「い」だ。
そして何より楽しそうに滑ってくれるのを見ているのは超楽しい。
バカみたいに目を三角にしてカッ飛ばすだけがスキーではないのであります。
スカイラインから咲花ゲレンデまで滑り降りたところでTくん一家はロッジへと帰っていった。
社交辞令でも何でもなく、ホントに楽しかった。
こういうのって、公園を散歩するように滑ることのできるスキーならではの楽しみ方だと思う。
やっぱりスキーは移動の道具なのであります。
スキーのある人生とない人生。
つづけることが大切な事はどんな趣味であっても変わらないが、スノーボードのように「やるか、やらないか」によって、得られる楽しさの質量に違いが生まれてしまう2択ではなく「付かず、離れず」くらいのユル〜い距離感でも付き合えてしまうスキーがあれば、その人生は豊かになるように思える。
今回はそんなことを思い出させてくれる体験ができました。
また一緒に滑りたいな〜〜〜〜Tくんまたよろしく!
3人と別れたところで再び兎平まで上がり、兎平〜パノラマ〜オリンピックII〜咲花と一気に滑り降りた。
ゆっくり滑って思い出した課題を反復練習。中身の濃い一日だ。
前日は『Vectorglide CORDOVA』で滑ったのですが、カチカチ斜面にトラウマ級のストレスを受けたので、この日は気分転換に『LINE SAKANA』に乗り換えてみた。
すると、SAKANAのあまりの乗りやすさに心が洗われる思いがした。
こういった比較に何の意味もありませんが、あえて言わせていただくとCORDOVAは『Gentemstick TT』で、SAKANAは『Gentemstick MANTARAY』といった関係値。
SAKANAはエッジの出し入れ、ズレを多用するドリフトでも何でも、操作に対する動作が軽い上に確実。
その代わりにCORDOVAのような重厚なターンはできないが、乗り手の予想を裏切らない思い通りの動きをしてくれ、自由自在感がエグい。
この日のようなややこしい雪質では2割増しで上手くなった気さえする。
これをして私のスキーの理想像とは言わないが、この気軽さ、扱いやすさはかなり魅力的だ。
とはいえ、エグるようなキレ味のあるターンを求めてTTに乗りたくなるように、CORDOVAにも日本刀の如き妖しい魅力が宿っていると思うし、その魔力に抗えないときだってある。
というわけで、この日は久しぶりにスキーをやりきった。
自分のやりたいスキーがまた見えた気がする一日だった。
来シーズンは新しいスキーも欲しいなあ〜〜買うならアレだな〜〜〜
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