DCユニバース(DCU)作品『アクアマン』の続編。
『ザ・スーサイド・スクワッド“極悪党”集結』、もっと言うとDCのライバルであるマーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol3』を監督したジェームズ・ガンが、DCスタジオの共同CEOに就任したことで、それまでのDCユニバースは完全に解体され、再構築されることとなった。
人気作の『アクアマン』も、新しいDCユニバースの中で今後どういったカタチで残されていくのか、はたまたこれで最後となるのか。かなりモヤッとした状態になってしまっている。
加えて、前夫ジョニー・デップと泥沼の離婚訴訟劇を演じ、裁判中に様々な虚偽が暴露され、敗訴しただけでなく、そのイメージも地に落ちてしまったアンバー・ハードが演じるのは、アクアマンと結婚した重要な役どころのメラ。
アンバー・ハードはほとんどカメオ出演程度になるのでは?との報道もあり、前作のファンとしてはいっそ別の役者で再撮影して欲しかったくらいこれまたシラケる展開となった。
そんなかなり宙ぶらりんな気分で劇場に足を運んだのですが、観たら観たで楽しかった。
前作で海底王国「アトランティス」の王となった、半アトランティス・半人間のアーサー・カリー。
傍若無人で、かなりいい加減な性格のアクアマンが、それまでの王である弟オームと共闘して、“失われた王国”の伝説の古代兵器“ブラックトライデント”と闘うという物語。
そもそも弟オームを追放したのはアクアマン自身。かなり怒ってんだろうな〜〜なんてこっちの想像は呆気なくぶっちぎられ、「筋肉バカ」の兄と「知性派」の弟が、過去は水に流して兄弟仲良く強大な敵と戦うという超のつくステレオタイプのヒーロー物語。
そんなわけで、内容はかなり子供じみているのですが、逆にその潔さがストレートに活かされていて、むしろ清々しいくらい。ここまで図太い手のひら返しをかまされると、あれこれ言う気も起きない。
こうなればあとは素直に目の前に展開されるスピード感のある展開に身を任せるのみ。
さすがは大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』のジェームズ・ワン監督。
細かいコト言いっこなしで最後のシーンまで一気呵成に魅せてくれます。
最後の最後に訪れる既視感のある展開にはさすがにツッコミたくなってしまいますが、もうこれでアクアマンに会うのも最後かもしれないと思えば、これも黙って流す事もできる。
『スーパーマン』はジェームズ・ガン自らの手によって、完全にリ・イマジネーションされるとのこと。
『アクアマン』『ワンダー・ウーマン』『フラッシュ』という人気キャラクターたちは新しいユニバースに残されるのか否か、はたまたスーパーマン同様にリ・キャストされてしまうのか。
ちなみに、すでに製作が進行している『ザ・バットマン2』『ジョーカー2』は、DCUから独立した作品群「DCエルスワールズ(else worlds)」つまり「別の世界線」に属するとのこと。何とも都合の良い解釈の仕方ではありますが、それが可能なら都合良くアクアマンたちも残して欲しいとか、私は思うのですが。
(オススメ度:80)
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