前日のアライでやり切った私は、その晩はほとんど放心状態。
エンドレスなパウダーハラスメントを生き抜いた悦びと、アクションカメラをなくした悲しみとが入り混じった、結果プラマイゼロな心身状態。
温泉に浸かって生ビールを煽り、日本酒をちびちびとやったら、降雪予報も見ずに20時前には寝てしまった。
そんなわけで、この日の積雪にはほとんど期待していなかったのですが、朝起きるとクルマには30cmほどの積雪があった。あれあれ。また当てちまったか???
早くも2月の上旬を過ぎ、そろそろ買い漁った早割の消化スケジュールを考えないとならない。
というか、消化すべき早割チケットがあったからこそ、急遽「もう一日滑ってから帰ろう」と思えたとも言える。
というわけで、この日は赤倉観光に行くことにする。
赤倉観光はEarthHopperに加盟しているのですが、私がここの早割を買った時点ではまだ今シーズンのEarthHopperの方針も発表されてはおらず、アカカンが提携スキー場から外れている可能性も考えられたため、買えるうちに二日分の早割を買っておいた。
結果的にClub EarthHopperという、これまでと比べればかなり中途半端な割引制度に落ち着いたので、早割を買っておいたことは無駄ではなかった。


しかも、薄陽ながら太陽も顔をのぞかせるザ・デイの予感。こんな日こそ動画を撮影したかった・・・
返す返すもInsta360を失った心の痛手は大きい・・・いつまでもクヨクヨしていても良いことなどひとつもないので、もう買い直すことに決めた。前を向いていこう。

3日つづけて『IMPOSSIBLE』を投入するのはすでに決定事項で確定路線。
ナイター滑走、視界の悪いコース外滑走ときて、3日目にしてやっと視界の良い圧雪斜面を滑ることが叶った。
すでにおおよそのアウトラインは掴めているので、この日は前段も心置きもなく、無我夢中でIMPOSSIBLEを堪能させていただくことにする。
もう楽しみでならない。


まだ綺麗なピステンを滑るか、はたまた美しく敷かれたピステンに背を向けて新雪を目指すか。
究極の二択を迫られた私は、なかなか腹が決まらない。
その分岐点の瞬間まで悩んだ末に面ツルの新雪斜面に飛び込んだ。
昨日アライであれだけ新雪を喰らったのに、やはり視界が良いときの見た目のインパクトは新雪の方が強い。

次の一本こそ朝一ピステンを・・・とか思っていたのですが、遅れて運転を開始する『ホテル第5トリプル』の乗り場がすでに慌ただしい。ここは私を非圧雪へと誘うマジックゲート。またまた新雪の誘惑に負け、こちらに並んで運転開始を待つことにした。

10分も待たずに第5トリプルが動き出し、まずは面ツル箇所が残っている『ホテルAコース』の圧雪に励むことにする。
オープンバーンでは、どんなボードでも扱いやすいし楽しいに決まっておりますが、これまで試したどのボードよりも、IMPOSSIBLEは新雪斜面で水を得た魚どころではない相性の良さを発揮する。
とにかく新雪斜面での直進安定性がズバ抜けていて、とにかく速い。それでいて乗り手に緊張感を与えない安定した操作性を持っている。
ご覧のようにすでに10人以上が滑った後からスタートしたのですが、リフト乗り場までに5人以上追い抜いた。まさに無敵の存在。
SPEEDMASTERの方が抵抗感が大きく感じるほど、問答無用の速さでタテに落下していく。
それでいて安心感やら安定感はSPEEDMASTER並みにあって、ついターンするのを忘れてしまうくらい、その速度の中をかなりの平常心のまま突き進んで行くことができる。超高速クルーザー。


2本目からは例によって脇道に逸れるわけなのだが、その見た目からは考えられないくらい、IMPOSSIBLEはこうしたツリーランも苦にしない機動性を持っている。
私の至らない腕前によるところが大きいのですが、木の間を縫うラインをどれだけ睨みつけていても、きっちり操作が遅れてしまうため、だいたい3ターン目あたりでラインが破綻してグズグズになってしまう。
ところがIMPOSSIBLEの反応の良さがその遅れを取り戻してくれるので、結果、計画通りのラインを繋いでいくことができてしまう。
もちろん私の場合、そもそものルート設定自体が間違っていることも多く、あらぬ場所で設定変更を余儀なくされるわけですが、そのときのスピードコントロールも急な進路変更もいとも簡単にやってのける。
繰り返すが、これは私がこの特異な見た目に翻弄されていないことが一番大きいように思われる。
ありがたいことに私には、IMPOSSIBLEのことがその数字ほど長いボードに見えていない。
このあとに外国人のこどもたちを引率するスノーボードインストラクターが、その子供たちを喜ばせようとして「ほ〜ら見てごらん(バカみたいに)長〜〜〜いスノーボードだよ〜〜」と言っていて、そのときにやっと「自分は長いボードに乗っているんだ」と自覚したほど、乗っていても担いでいても、IMPOSSIBLEが長いとは感じていなかった。
たぶんそのことが一番効いているのだと思う。


それからいつものチャンピオンにやって来た。
ただこの日は『チャンピオンAコース』より先にホテルAの新雪を滑ったので、こちらはすでに踏み均されている時間。なのでコースも滑らずにいきなり森の中に逸れることにする。
そして、こちらの雪がまた極上に美味しかった。


もちろんおかわり。
「ヒー!」とか「ハー!」とか「イエー!」とか、なんでああいつも外国人たちは奇声を上げて滑るんだろう。まったくもって奥ゆかしさに欠ける。郷に入れば郷に従え。日本では「黙滑」に努めなさい!とか、つい細かいことを言いたくなる私でもこの日ばかりは「イエー!」だ。

チャンピオン第3クワッドを3本回したところでリフト乗り場の混雑がマックスになった。
気分的にはまだあと2本はここを回したかったのですが、あまりに待ち時間のストレスが大きくなったので、第1ラウンドは終了。ここでランチ休憩を摂ることにした。


第2ラウンドもIMPOSSIBLEを続投させた。
結局今回の妙高3Daysでは一回もスキーを出さなかった。それくらいにIMPOSSIBLEが楽しくて仕方がない。
そしてここにきてやっと圧雪斜面にやって来た。
すでにピステンは跡形もなく、代わりに深いトラックに覆われておりましたが、この日の赤倉観光は雪質も良く、このタイミングでもまだ十分に向き合うことができた。
もちろん走破性にも優れるIMPOSSIBLEであれば、むしろこの状況は望むところ。
意外と言うか、考えてみれば当たり前と言いますか、IMPOSSIBLEは比較的縦方向のラインを好む。
目くじら立ててヨコ方向に引っ張らずとも、タテ目の屈曲の緩いラインを伸び伸びと滑らせるのが吉。
体勢を低くして急旋回させるのも楽しいのですが、高いポジションからゆったりと操作する方がIMPOSSIBLEには合っているように思う。
まさに私のイメージするクルーズラン。
とか言うとスノーボードにパフォーマンスを求める若い皆さんにはIMPOSSIBLEは合っていないように思われてしまうので、ここできちんと言っておきたいのですが、ことスノーサーフなスノーボードに限って言えば、IMPOSSIBLEはかなりパフォーマンスの高い部類に属するボードだと思う。
この長大な見た目からは想像できない「いかにすればスノーサーフの可能性を究極にまで引き上げることができるのか?」を追求した、とてつもなくハイパーな存在であると断言しておきたい。
信じるか信じないかはあなた次第ですが。


そのあと天気が良くなり、絶好のスノーボード日和となった。
リゾートな滑走タイプにモードチェンジして、最後はゆったりと小春気分のゲレンデ滑走を楽しんだ。
午前と午後で緩急の効いた、とても内容の濃い一日となりました。
ナイターに深雪に晴天圧雪と、3日間で見ても素晴らしいスノートリップとなった。
ただ、今季ここまで第3波まで数えた災害級の寒波をもって、ひとまず休憩の様子。
もしかすると「寒の戻り」程度で、この先目立った寒波はもう来ないのかもしれない。
立春を過ぎ、暦上は春になるとは言えまだ二月の中旬だし、もちろん災害級でなくて良いのでせめてもう二降りくらいは期待したいところ。
そんなタイミングで、次週は昨シーズン完全開眼してしまった東北へのトリップを画策している。
本来ならトップシーズンの東北の最高のコンディションを狙った計画だったのですが、妙高から戻って以降、翌週の東北方面に降雪の予報は出ていない。果たしてどうなることやら。


コメント
コメント一覧 (1件)
今回のインポッシブル編とても面白かったです!! そして…インポッシブルを欲しくなってきている自分がいます。
あ~ヤバい! どうしようw