今週は降雪なし ならば気持ちの良い斜面と太陽を求めて日帰りで尾瀬岩鞍へ

最強・最長とまで呼ばれた寒波が去り、寒気はすっかり緩んでしまった。
残念ながらこの週末の降雪予報はなし。
この翌週に今シーズン唯一のトリップを計画しているので、この日はそこに向けた調整ができれば充分な気分。
降雪もないし天気も良い予報であれば、圧雪の美味しい斜面を味わいたい。
となれば、近くてコース設定の美味しい尾瀬岩鞍一択だ。

というわけで、今季初の尾瀬岩鞍にやって来たのですが、完全に寝坊した。
この日も前夜から前乗りしていたのですが、6時過ぎに目覚ましで起きたのに、こともあろうか二度寝してしまった。
それでもリフトの営業開始前にゲレンデに到着したのですが、すでにゴンドラ乗り場前にはご覧の長蛇の列。
「日帰りでまったりやろう」とか、気の抜けたこと考えるもんじゃない。深く反省。

新雪が降り積もっているわけでもないので、長い行列に並ぶ必要もない。
営業開始のアナウンスとともに目の前の初心者コースのリフトに乗る。
それにしても想像以上に良い雪。歩くとキュッキュッと鳴る良く噛む雪でした。
こりゃあ気持ちいい。この雪質を味わえるのは午前中勝負。午後には固まってしまうだろう。

200メートルに満たない初心者コースを滑り降りる頃には、行列は駅舎の中に収まっていた。
ここのゴンドラ乗り場は駅舎に入りさえすれば一人乗り用のレーンが使えるので、グループ乗車の行列を尻目に乗り場まで進み、サクっと相乗りをさせていただく。

まずは『ミルキーウェイ』、自称“ミルキー道”を堪能させていただいた。
全長2,800m、前半中斜面、後半緩斜面が組み合わされ、全編にわたりコース幅が広いので描くラインは無限大。特にきれいにピステンのかかった朝のうちはそれなりの集中力を求められる攻略しがいのある名物コースだ。途中大きくS字に曲がっており、そこはまるで広大なハーフパイプの様相。カービングだけでなく壁とも向き合えるバリエーション豊富なコースレイアウトでありながら、他のコースに枝分かれする分岐点が一切なく、上から下までミルキーウェイ一本槍。
一本一筆書きすると朝から太ももがパッツンパッツンになる。やっぱりミルキー道は特別だ。
いつも日陰で硬く凍ってしまう箇所も、この日はエッジが気持ちよく噛む程度の硬さを維持していて、何ならいつも以上に美味。スーパー・ミルキーウェイ。

そんなミルキーウェイを『SLASHER II』で味わうためにやって来たと言っても過言ではない。
というのは半分嘘で、翌週に控えるトリップを味わい尽くすために、また気まぐれに導入した新たなセッティングを前もって試しておきたかったというのが真相。
間違い探しクイズ:どこを変えたのでしょうか?

答え:スタンス幅

私はジェリー・ロペスがよく魅せる狭いスタンスでのリラックスした波乗りが大好きで、海の上でもこのスタイルを真似して遊んでいる(側からはこう見えてはいないとは思うが)のですが、スノーボードでも同じ感覚を得たくて、私の体格だと狭めの52cmのスタンスに落ち着いていた。
これまでバックカントリーではスノーボードの自撮り動画を撮影していたのですが、先日初めてスキー場のコース上で自撮り撮影をしてみた。圧雪で姿勢を低くした深回りをする姿を観ていて「何だか両膝が窮屈そうでカッコ悪いな」と思い、モノは試しでスタンスを54cmまで広げてみることにした。
その確認もあり、朝一の初心者コースであったわけです。

スタンス幅を広げたことで前後の荷重移動がやりやすくなってしまった。
これまでは膝の屈伸を使って荷重と抜重をする意識でいたのですが、前足荷重と後ろ足荷重を分けて捉えるようになった私は、狭いスタンスの中で前後に荷重移動させていた。
後ろ足を強めに意識することで右膝におかしな負担を掛けていたのだろう。違和感や、時に軽い痛みを感じるようになってきていたのですが、それがスッキリ整った感じ。
一本目の初心者コースで54cmのスタンス幅に好感触を得た私は、結局ゴンドラの山頂駅で56cmまでスタンスを広げることにしたのですがなかなか調子が良い。
やっぱり自分の滑りを客観的に見る事って大事よね。って、言っても4cmの話なので見た目に大きな違いはないだろうけど。

そうしてベストと言っていいミルキーウェイを2本いただいてから、一応非圧雪コースを覗きに行くことにした。
すると『エキスパートコース』は、一本の引っ掻き傷もないきれいなノートラック。この時間にそれはあり得ないので確認すると、雪崩の危険性があるとかで閉鎖されており、ただ指をくわえて眺める他なかった。

「れじゃあ、しょーがない」とこちらに来てみたら、ほとんどまだ誰も滑っていなかった。
ここはいつも凸凹になっていることが多いので不人気なのよね。
そんなわけで、硬いコブの上に新雪が載ってガリっと来ることも想定しながら慎重に入っていくと、端の吹き溜まりを中心に、10cm程度の深さながら柔らかい足応えを感じられる雪が残っていてくれた。こりゃ拾いもんだわ。

せっかくなので同じルートをもう一回回してからの西山エリア。
残念ながら西山の非圧雪コース『みずならコース』も雪崩の危険性があるため閉鎖されていた。
残念ですがここ数日スキー場での雪崩のニュースが相次いでいたので、これも仕方のないところ。

この日は晴れているだけでなく、空気も澄んでいて高所からはかなり遠くまで見渡すことができた。
この日はなんと富士山まで拝むことができた。晴れてるって、それだけでTHE DAY。

こちらでは森の中にも分け入って、ほんの少しですがノートラックのクリーミースノーを味わわせていただいた。
SLASHER IIが縦に速いことは前回も書いたが、そうした特性は重い新雪でも発動する。
引っかかりなく、スッキリと縦に抜けていく様子は、抵抗感が高くなりがちなパウダーボードとして捉えると驚異的にすら感じる。ってことは、コイツ春雪でも調子いいぞ・・・・ん?待てよ。ってことはTTも。ってことだよな・・・

昼までSLASHER IIで楽しんだら、午後は『VECTOR GLIDE MAXI GT』。
こちらに来たことのある方ならご存知かと思うが、尾瀬岩鞍のスキーヤー比率はかなり高く、比例してお上手な方も多い。近ごろカービングスキーを始めた私としてはとても勉強になるスキー場。
スキーヤーが多いということは、スキーにとても向いているスキー場だということ。

中でも『チャンピオンAコース』は11時半から一旦コースを閉鎖して除雪車を入れて斜面の整備をし直す念の入れようで、スキーヤーの気持ちをくすぐるサービスを展開している。
というわけで、私もコース整備が終わったところから、こちらをしつこく回させていただいた。

ひゃーーーーー!タノシーーーー!
この時間帯になると雪面が硬くなりはじめるのですが、圧雪し直されたことと相まって、スキーのエッジがこれでもかと良く利く斜面に変貌する。
硬い圧雪であることに加えてまあまあ斜度もあるので、放っておくととんでもない速度域に入ってしまう。
実際ここでMASTIFFでぶっ飛んでお尻に巨大な青アザを印刷した経験のある私は、170cmのMAXI GTを踏み切れないのですが、その代わりにショートターンを組み合わせた中程度の弧を描くカービングが超絶に楽しい。
ここもまたスキー天国。
っていうか、カービングスキーって、スキー場の美味しいところを根こそぎ持って行けるツールなのね。
特にパウダー系のスキーにばかり乗っているそこの貴方。カービングスキーを一本持っておくことを強めにお勧めしておきたい。

この日も15時までやっつけてから上がることにした。
ホントにスキーが楽しすぎて、止めるタイミングが掴めない、ほとんどキリがない状態に陥るほど面白かった。
スノーボードでも新たな気づきがあったし、来たら来たで、この日もとても良い日になった。
これで次週のトリップの準備も万端・・・とか思ったら、このあとに最強・最長寒波 Part2がやって来やがった。
交通障害もあちこちで発生しているようだし、果たして無事にトリップを完遂できるのだろうか???
ちょっとばかし心配ですが、今はワクワクしかない。
トリップの模様は来週お届けいたします。

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