(案の定案件) GENTEMSTICK SLASHER II を手に入れてしまった話

フリマサイトで格安の23-24モデルを見つけてしまったが運の尽き。
やっぱり好奇心に勝てませんでした・・・ここ最近はシーズンに入ってから興味を惹かれるモノやコトにぶつかることが多い。自身の滑りを見つめられるようになるタイミングで、次のテーマのようなものが見えて来る。っていうか、そもそもシーズン前から計画的に準備ができた試しがない。
皆さんはこういったテーマや関心事を、諸々計画しながら来季に持ち越すことができるのでしょうが、一度気になりはじめると、すぐにでも確かめないと気が済まない短気な私にそれは無理な相談。
特に今シーズンは雪が豊富なので「来季だと手遅れかも」とか、余計に慌ててしまう。

このタイミングでも24-25モデルの新品を手に入れることはできたので、まだ中古で済んで良かった。と思うこともできるのですが、そもそも目的は「欲しい」ではなく「試したい」なので、試すだけの案件に新品に手を出すのはリスクが高い。
そのために試乗会というものがあるのですが、1時間という短い時間の中で、その日に出会える状況だけを試しただけで答えを出せるほど私は手練れではない。いつものルーティンの中でいつものように試してはじめて自身との真の相性を知ることができると信じている。
中古であっても決して安い買い物ではないので、リスクはそれ相応にあるのですが、中古市場が活発なこともGENTEMSTICKのいいところ。おおよそのモデルがほぼいつでも手に入るし、もしもの場合のリセールバリューも担保されるのだから、これを使わない手はない。っていうか、だから「試したい」とか馬鹿な発想が成立するとも言える。

とはいえ、SLASHER IIは登場してまだ2シーズン目のニューモデルで、しかもそれほど人気のあるモデルだとも思えないので出物も少ない。
「二日ほど使用した美品です」なんてことあるはずもなく、あったとしてもほとんど新品と変わらない値段になってしまうので、安く手に入れられたということはそれなりのお疲れ物件であることを示している。
滑走面を整え、ベースワックスに滑走ワックスを入れ直し、すでにお約束と言っていいデッキのカケを補修して、デッキについたバインディング痕をポリッシャーで磨きあげる作業は大前提。その手間を考えれば、むしろ割高とも言える。まさに「慌てる乞食は貰いが少ない」の典型だ。
ただ、そうして手ずから作業を行うことで愛着が生まれるところも中古に手を出す楽しみでもある・・・と思うことにする。

といった無駄遣いの言い訳はさておき『SLASHER II』である。

なんだかんだ言って、GENTEMSTICKの魂は『TT』である。と私は思っている。
TTのシェイプを見れば、スノーボードでなく「スノースティック」と呼びたい気持ちがよくわかるほどに、はっきりと棒状。すでに見た目から一見さんお断りの敷居の高さを迫ってくるわけなのですが、それに拒否反応を示す人と、逆に興味が湧いてしまう人といる。もちろん私は後者で、その深みにどっぷりと浸かってしまっている。

そして私は、TTへの興味深さによって逆にスノーボードというノリモノ全体への関心をかき立てられてしまった。
そうした探究の旅はいまだに続いているわけだが、その過程の割と早い段階でSLASHERは試していた。
スノーボードとしてTTを見たときに、そこに欠落している部分を補完するモデルとして、SLASHERのことはすぐに理解できたし、TTとSLASHERとの差分から見えてきたことは、私のスノーボーディングに対してとても大きな示唆となってくれた。

TT、中でもミズメヒノキは、雪質から乗り手のバイオリズムまで、さまざまな条件が揃ったタイミングでしかその魅力を引き出すことが難しい。SLASHERもスノーボードとしては決して扱いやすい部類ではないのですが、その魅力の発動条件のウィンドウが、TTに対してかなり広く取られており、よりデイリーに「フラットキャンバーシリーズ」の魅力を引き出すことができる。

何が言いたいのかというと、TTに対する情景の有無で、SLASHERへの評価は大きく変わるということ。
TTにあまり興味がない人には、SLASHERもまた何も響かないと私は思う。

TTを崇める私は、SLASHERのことをTTの正常進化版、“TT 2”だと見なしている。
誤解を恐れずに言うのであれば、私にとって『MOSS Q57』もTTの亡霊を背負っている。
Q57/Q545に乗るようになって、フラットキャンバーの別の可能性を感じられるようになり、そこからTTという存在を見つめ直す良い機会を得ることができた。

勘違いしてほしくないのは、TTの代わりを探しているのではなく、あくまでもTTをより理解できる素材を探しているということ。
そうしたTTへの想い入れのようなものがある人と、ない人とでは、SLASHERへの感想は変わってくるだろう。

そんなSLASHERに「ジェネレーション2」が存在していることに気づいたのはつい最近のこと。
私はまさに23-24のGENTEMSTICKのカタログポスターを、壁に貼っていつも眺めていたのですが、SLASHERの文字の隣に「II」が付記されていたことなど全く気がつかなかった。
気づいた時は(自分のマヌケさに)かなり面食らったが、久しぶりにGENTEMSTICKで乗ってみたいと思えるモデルが出てきたことに、ちょっとした高揚感があったことは告白しておこう。

というわけで、SLASHER Iとの違い、Q545との違いもさることながら、TT168との違いについても確認していきたいと思う。

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