【2024年の答え合わせ】UNION FORCE

星の数ほどあるアイテムの中から自分好みのものを探し出すのに、バインディングほど微妙な審美眼が求められるものもないと思う。
バインディグというアイテムは、すでに煮詰まりかけている素材を、さらに新たなレシピで調理し直すような、それこそ重箱の隅を突くような細かいアップデートを、繰り返し施し直しているモノなのだと思う。
だからこそ、各メーカーは図解入りのアップデート紹介や、分かりやすいメリットや性能表示をしてくれているのですが、それが逆にいぶかしく思えてしまうのも確かだ。
こう言っちゃあ何だが、発泡酒のCMに似ている。

そうしたある意味「どれもいっしょ」な私の気分を打ち消してくれたのが、UNION BINDINGだ。

私がバインディングを選ぶ基準にしているのは、
・ボードのフレックスを感じられること
・ベースに3°のカントがあれば尚ヨシ

といった分かりやすい部分に加えて、

・横方向への足首のヌケの良さ
もっと言うと
・ヒールカップに至る峰の低さ
・横への動きを妨げないハイバックの形状

というものがある。

こう書くと、私の審美眼でそれらを見つけ出しているかのように思えてしまうかもしれないが、単にUNIONのバインディングの特徴を書き連ねているだけだ。
それくらいUNIONを使うようになってから、バインディングに対して「考えるべきこと」が明確となった。
おかげでBURTONのStep OnやNIDECKERのSpermaticなど、新しモノ好きなら見逃せないアイテムたちに食指を動かされずに済んでいる。のですが。
逆にUNIONの各モデルの違いについての興味関心が高まり、自腹を切って乗り較べることになってしまっている。
一体どっちが安上がりなんだか。

というわけで、今シーズンは(も?)こちらの3品を購入してしまった・・・
一応ご紹介すると、右から『ULTRA』『FORCE』『STRATA』であります。

昨シーズン登場したULTRAは、それまで使っていたSTRATAを半歩硬くしてレスポンスを上げた印象。
ただ、乗り味以上に私のハートを奪ったのは、とにかく2段階は未来へ進化したそのデザイン。
正直、使い勝手も含めてSTRATAとの間にそう大きな違いを感じなかったこともあり、ほとんど目を瞑ってポチッといったのですが、だからと言って大きな不満もなかった。
私の白MANTARAYの白に似合いそうな『BONE WHITE』が追加され、先シーズン終了時点で一も二もなく予約をして購入したアイテム。

つづいて今シーズンが始まる直前に思い立って手に入れたのがFORCE
ULTRAにつづいてデザインが完全刷新されたことが、そもそもFORCEのことが気になりだすキッカケだったのですが、それに追い打ちを掛けるようにノーマルディスクのモデルを試したい気分が私の中で急速に盛り上がった。
STRATAもULTRAもミニディスクが採用されており、よりボードのフレックスを活かせるようになっているのですが、レスポンスという点ではもちろんノーマルディスクに一歩譲る。
それは、いつものようにミズメヒノキに乗っている自分を思い出しながら「あーしたら、こーしたら」と夢想していたときのこと、「ひょっとして硬いレスポンスの良いバンディングの方がミズメに合っているのではないか?」と、思ったが最後、その呪縛から逃れられなくなってしまった。

ただ、結果的にその想像は当たっていた。
「フリーライドには柔らかいバインディング」という思い込みや先入観に縛られすぎていた。
結局STRATAを買い直したことからも分かるように、柔らかいバインディングに対する考えがすべて間違っているわけではない。
あくまでも硬めのボードをレスポンスよく乗るためには、それに見合った剛性感を持つバインディングが必要になるということだ。
そしてミズメヒノキだけでなくSPEEDMASTERにもFORCEはとても合っている
ちなみに、UNIONには『ATLAS』というハードフレックスのトップモデルが存在するが、さすがのミズメヒノキでも、私には硬すぎるだろうと思う。このレベルになると私の脚力には猫に小判。
ただ、同じTTでもTT165 SoftFlexにはFORCEは硬すぎると思ったりもしているので、TT SFにはこの3機種の中ではミディアムに位置するULTRAの方が合っていると思う。試してないけど。

今シーズン、FORCEに乗ってみて、改めて気がついたのは、3°傾けられたカントベースの重要性。
今シーズン、後ろ足の踏み込み荷重に関してあれこれとバインディングのアングルを試していたのですが、その試みの中でベースに設けられた3°のカントが、想像以上に私の滑り方の手助けになっていることも分かって来た。

UNIONをほぼ一周した私が辿り着いた答は、結局STRATAでありました。
先述したUNIONのメリットは、ほぼSTRATAのものであったことにもやっと気づいた。
特に横方向へのヌケに関してはSTRATAが一番。

理由は定かではないのですが、STRATAのブッシュのような役目を果たすゴムが多く使われているベースプレートは、つま先が納まる部分がとても幅広くされており、その設定があの独特なヌケ感を演出しているように思う。

同じミニディスクを採用するULTRAと構造図を比較してもこれだけ仕様が違う。
STRATAがボードフレックスを活かす設計であるのに対して、ULTRAは衝撃吸収性について注意が払われた造作であるように思う。

というわけで、一周してSTRATAな私でありますが、贅沢を言わせてもらえば、STRATAがこの内容を維持つつ、ULTRAやFORCEのような洗練されたデザインを纏っていたらもう言うことナシなのだが、なぜかモノゴトはそう上手くは運ばない。

とか、つい細かいことを言いたくなってしまいますが、なんとかかんとかバインディングの真理に辿り着くことができた。ように思う。
ただ、くれぐれもUNIONにはもう新しいモデルを出さないで欲しい・・・

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