家の事情もあり「出かけるにしてもすぐに家に戻れる海の方が良い」などと、山への意欲をほとんど失いかけていた。
尻切れトンボな中途半端なシーズンの〆方に若干の違和感を感じつつも、先日の川場での滑走をもってシーズン終了もやむなしな気分だったのですが、OYくんからシレッと「割引券あります」との注釈付きで白馬行きのお誘いが届いた。
今シーズンはそのOYくんから「イキナリですがアライに行きませんか」と、シーズン一発目から遠征に出かけることになったのですが、シーズンの締めくくりもまた、いつもなら春には行かない白馬で終えるのも良いかな。
とか思い始めた。
もちろん先週同様、途中で家に引き戻される可能性は大いにあったが、「行く後悔よりも行かなかった後悔」といった言い訳のテンプレを駆使しながら、あれこれと都合を整えて、その誘いに乗ってしまうことにした。
OYくんはこの一週前にも白馬を訪れていたのですが、そのときは名木山まで滑り降りられたのだそうだ。
この日の八方尾根の気温は20℃超え。3月に粘り腰の降雪のつづいた今シーズンの積雪であっても、融雪の勢いを止めることはできない様子。
残念ながらこの日はゴンドラ下山を余儀なくされた。
そんなわけで、ゴンドラ乗り場から見上げるスキー場にはなんとも春らしい草原の景色が広がる。
毎度のことながら、このインパクトのある異空間な景色は、私にシーズンを諦めさせるに充分のインパクト。
とか、ネガティブな思いを抱えて上山すると、そこにはまっ白な世界が広がっていて、私の萎んだ気分を一気にトップシーズン並みに引き戻してくれた。
となれば、楽しみなのはこの季節ならではのザラメ雪、「シャウダー」だ。
早速大好きなパノラマコースに躍り出ると、今季最高の雪面が出迎えてくれた。
私は本当に「最高」の時にしかこの単語を使わないように心がけているのですが、この日の朝一の斜面が今シーズンで一番「向き合えた」。
とにかくエッジが噛む。噛みまくる。
ボケ〜っと踏んでもズレていかないのでフロントサイドもバックサイドもキレッキレに踏み込むことができる。
2割増しで上手くなったような気がするほど超絶キモチイイ。これぞシャウダー。
あ〜〜〜無理して来てホントヨカッタ。と、心から思えるほどの斜面。
パノラマコースがトラックだらけになった頃に、迂回コースでコーデュロイの残る面ツルをいただくの図。
つづいて黒菱〜スカイラインに移動。
一本で太腿が乳酸で溢れかえるヤツを2本。
スカイラインでの修行を経て、グラートリフトで最上部へ。
この日も多くの方々が八方池に向け登って行かれていた。
この日の天気は、登山、バックカントリーに最適ですな。
私はと言えば、結局今シーズンは一度も登らなかった。心残り。
8時にゴンドラに乗って滑りはじめて2時間半。
OAKLEY TERRACEで生ビールをいただくの図。
つまりまだ午前中。この背徳感が春スキーの醍醐味。染み渡ります。
ちなみにOAKLEY TERRACEの営業はすでに終了しており、生ビールはレストランからの持ち込み。
こちらはOYくんにQ545を試してもらうの図。
セッティングも何も違うのに、何の問題もなく乗りこなされるとちょっと妬ける。
加えて、「滑りますね〜〜」と、ワックスの感想しか言ってこない。
代わりにOYくんの『Prana Punks Easy Rider Special』に乗せてもらったのだが、確かに滑らない。
聞けばシーズンが終わったときにかけた保護ワックスを、シーズンはじめに剥いだだけで、ひとシーズン滑り通してきたのだという。
そう聞くとまったく滑らないように思えるが、実際はなんとなくでも普通に滑ってくれている。
目くじら立ててワックスをかけてもこの程度の違いなのか?とか思うと凹むが、初速の乗り方がまったく違う。
走り出したあとはあまり違いはないのですが、初速が出るとターンのつながりが格段に良くなる。
それと、水分や汚れが浮くような場所に飛び込んだときの脱出速度も違う。
滑走ワックスはこうした小さな積み重ねとして違いが出るのですね。
って、Q545の印象教えてよ?
MOSS Q545 の答え合わせ【追記】
私には最高だとすら思えた朝一の締まりシャウダーですが、Easy Riderに乗るOYくんは「もう少し緩んで欲しい」とボヤいていた。
Easy Riderに乗せてもらうとその言葉の意味が少し分かってくるのですが、Easy Riderはレールに乗ったようなターンは苦手だ。そして、OYくんはレールに囚われない、ボードに行き先を決められないラインが好みだ。
OYくんはツインのEasy Riderと、ディレクショナル系では『Gentemstick Mountain Racer』を愛用しているのですが、Mountain Racerとの違いについて聞くと、ペタペタとトップの反応が返ってくるMountain Racerの方が好みなのだと言う。こう聞くとトップが反応しすぎるように思えてしまうが、Q545の方が全体的に太いと感じてそこに馴染めないそうだ。つまり、Q545のトップの反応の方が強すぎると感じているわけだ。
私の少ない試乗経験でも、Mountain Racerは、いわゆる先の尖ったディレクショナル系より、ツインよりのリア荷重優先な乗り味を持っていたと記憶している。
OYくんは『Prana Punks Super Synchro』も持っているのだが、ほとんど乗っていない。
その理由も分かる気がする。
私はMountain Racerの方が太く感じるし、まさにそのペタペタが苦手なのだが、人の感覚とは実に面白い。
という分析からも、私は先の尖ったディレクショナルのレールに乗ったようなラインを引けるボードが好きだということが見えてくる。
そんな私に言わせると、Q545はソッチ系の中でもレール依存性が低く、ツインには及ばないもののレールから外れたラインも許容できるボードだ。
こうして見えてくることもあるんだなあ〜〜〜
OYくんはコブ斜面も大好き。
なのですが、ここで彼が狙うのは、左下のリフト乗り場の上からチラッと左に見えているピステンライン。
目ざとい人にしか見つからない位置にあることと、言っても70mほどの長さであること、何よりそこに至るにはコブを越えていかないとならないので、この時間になってもコーデュロイが残されているというだけだ。
こうしたOYくんの面ツルレーダーは海でも発揮される。とても頼りになるガイドさんだ。
最後にもう一度最上部まで上がり、兎平のゴンドラ乗り場に滑り込んでこの日はフィニッシュ。
大好きな『倉下ノ湯』は改装のため休業中。
『みみずくの湯』でひとっ風呂浴びてから翌日滑る予定の栂池に移動。
『TSUGA BASE』で「プルドポークバーガー」と「インドの青鬼」をいただく。う〜〜んウマシ。
栂池近辺の食事処はすべて今季の営業を終えていた・・・
そこで、ここはひとつ臨機応変に、土産屋でお土産用のおつまみや即席ラーメンを買い込み、OYくんのキャラバンで“Car団地 居酒屋”に勤しんだ。
そんなわけで、明日は栂池。
2023〜24シーズンの、まさにフィナーレラン。
明日も美味しいザラメをガッツリ滑るぞ〜〜〜い。
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