はじめてのインカムはイスラエル製! Cardoを使ってみた話

見事にCardoのブランド戦略にハマった私は、早速調査を開始した。

いくつかのインカムブランドを検討しましたが、どれもいまひとつピントは来なかった。
そんな中、『Cardo』がSNSで展開するプロモーションは、私がインカムに対して抱いていたマイナスイメージを、見事に払拭してくれた。
というわけで早速調査開始。
するといきなり「Air Mount」と呼ばれるマグネット式の装着方法が目に飛び込んできた。
クレードルから本体が簡単に外せることで、充電がしやすいことはすぐに想像できたが、「オートバイの鍵付きのヘルメットホルダーに留めておいても、インカム本体だけ盗まれることを避けることにもつながる」という一文を読んで、その有用性に強く共感してしまった。
このあとにB+COMでもマグネット脱着式を採用していることに気づきましたが、時すでに遅し。すっかりCardoだけの特徴として私の脳に刻まれてしまった。
何人と同時に通話できるとか、圏外に出てしまった後の再接続が早いとか、通信規格の優位性など、私がおひとり様ツーリストでなかったとしても、そもそも仲間全員で乗り換えない限り比較のしようがないメリット訴求はまったく響かない。
そんな私にとって、こうした利便性の方を強めに説明してくれた方が差別化がしやすい。

そして、イスラエル製(生産はウクライナと中国ですが)というのがまた、きな臭い感じがして良い。
(きな臭い=イスラエルは軍事産業が発達していそうなので、その恩恵がありそう。という他愛もない想像)

仲間との通信の予定のない私にとって、何より肝心なスピーカーは、JBLと共同開発した高音質を謳うものが用意される。

私にとって、最大の関心事はスピーカーの性能の方。
『Cardo PACKTALK EFDE』には40mm径、『Cardo PACKTALK PRO』にはさらに音質が高められた45mm径の、ともにJBL製のスピーカーユニットが採用されている。

X-fifteenの耳もとには、あらかじめスピーカーが収まる場所が設けられており、スポンジの蓋がはめられている。
こちらの凹みのサイズが外径43mmほどだったので、残念ながらPACKTALK PROの45mm径スピーカーは収まらない。

というわけで、『PACKTALK EDGE』を選ぶことにした。

税込66,800円と、B+COM の最上位機種である7X EVOの税込59,400円よりもだいぶ高くなってしまいましたが、何より欲しいと思えるモノに出会えた悦びには抗えない。ソロツーリング用なんて話すっかり飛ばして、使う用もないガチなインカムを手に入れることとなった。
PACKTALK PROの価格は税込79,800円なので、EDGEよりもさらに1万円以上高くなる。
PRO独自の装備としては、先述の45mm JBLスピーカーに加え、電源のAuto On/Off、そして一番のポイントは、オンロードモーターサイクルに特化した「クラッシュディテクションセンサー」を装備しているところ。
Cardo Connectアプリを介して、事前に登録した緊急連絡先に連絡が届く仕組み(だと思う)。Apple Watchと同様の装置ですかね。
PACKTALK PROのそうした魅力的な追加装備以上に、PROの真っ黒なボディの方が欲しかったのですが仕方ない。そのうち黒く塗ってしまおう。
ちなみに、Costcoで買うのが一番安いという情報もあり。家の近くにはCostcoがないので、Costcoの会員証を持っている方がほんと羨ましい。

クレードル(本体ベース)は両面テープ、スピーカーは先述したよに指定の場所にベルクロ留め、そしてマイクは口元にベルクロ留め。と、取り付けるのはこの3つ。
余ったコードを隠す場所を探すのが少々面倒ですが、言ったようにそれもX-fifteenのようなフルフェイスヘルメットであれば大したことはない。
用品店などでは有料でインカムの取り付けサービスもあるようなのですが、自分でやっても何も問題は起らない。何より自分でやれば無料だ。

というわけで、取り付け作業は15分程度でサクッと完了。
クレードルのマグネットは想像以上に強力で、2cmくらいまで近づけるとガチっと勝手に収まるべきところに収まってくれる。ちょっと気持ちいいほどパクッとはまってくれる。これハマります。
外す時には前方のレバーでロックを解除してから前方に滑らせて磁力の圏外まで外す。

せっかく本体自体は薄型でとてもコンパクトにできているのに、クレードルが本体よりもぶ厚くできているのはいかがなものか?と、最初は思ったのですが、後ろに向かって絞り込まれるヘルメットの立体的な曲線に合わせて、本体部が平行位置になるように、上から見ると前側が細くなる円錐状の本体と合わせて、クレードルの後端が厚くされているということが分かった。
ナルホドと思う反面、斜めになってもいいからクレードルの後端も薄くしておいて欲しかったというのが本音。
出っ張り具合に関しては、B+COM 7Xの方が少なくできている様子。

ちなみに、Cardo PACKTALKはクレードルも外すことができるようにできているのですが、どうやら外せるようにすることが目的というよりも、ヘルメットごとにあるさまざまな造形や曲面に確実にフィットさせるために、両面テープで固定させるクレードルの土台になるパーツは、薄く柔軟なものにしておきたかったというのが本音なのだと思う。

中央で固定されるクレードルと1mm厚のナイロン製の土台のパーツとで、X-fifteenの場合は主に前端部にわずかながら隙間ができる。この隙間がヘルメットごとの形状に応じて変化し細かくフィットしていく仕掛け。
B+COMではこの部分に対応力の広いベルクロ(面ファスナー)を採用している。どちらが確実に固定できるかは言わずもがな。
こんなとこ誰も見てないでしょうけど、私はベルクロよりもCARDOの方式の方が堅実でナイスなアイデアだと思った。おかげで横への出っ張りは増えたけど・・・

さっそく使ってみた。
とはいえ、私が使うのは音楽を聴くことと電話に出ることくらいなので、インプレッションはあまり参考にはならないと思いますが、一応書いておきます。

音質はかなり良いと思います。
40km/hくらいまではほとんど無音に感じるほど、X-fifteenはヘルメット内が静かなので、そこまでの音楽の聴こえ方は、低音/高音ともにかなり良いと思います。
オートバイ用品店でヘッドホンを使ってインカムのデモを行っているメーカーを見かけますが、ヘルメットがヘッドホンほどの機密性を持たないことは、ライダーなら誰もが知るところなので、販促手法としてはあまり正しいことだとは思えなかったのですが、X-fifteenとの組み合わせに関して言えば、ヘッドホンほどではないにせよかなり肉薄しているように感じました。
特に明記されていないのでノイズリダクションの類は効いていないものと思われますが、それでも想像以上に普通に音楽が楽しめました。
40km/h以上になると、主に加速時に速度に比例して徐々に細かな音域がカットされてしまいます。
ただ逆に、高速道路で80〜100km/hあたりを巡行しているときは、カットされる音域が固定されることで、聴こえ方は安定して良くなります。
走行中に音楽を楽しめるのは、ライディングへの集中力などを考えても一時停止のない巡行走行のできる高速道路が一番なので、今後はそうした使い方が主になると思われます。

意外とラジオが一番合っている。
PACKTALK本体にラジオが内蔵されているのですが、音楽を聴くよりもFMを聴きながら走る方が、気分に合っているような気がする。
これはクルマの運転中にも言えることなのですが、ラジオパーソナリティーの話を聞き流している方が運転に集中できる。
これは意外な産物。

音声コマンドは思ったより便利。
iPhoneを目の前に置いて運転してますが、やはりスマホを操作するのははばかられる。
そんな時にボイスコマンドでインカムを操作できるのはなかなか便利。
インターコムの開始/終了。
ミュージックの開始/停止、次の曲、前の曲。
ラジオの開始/停止、次の局、前の局。
ボリュームの上下、消音、マイクのミュート。
電話に出る/切る、登録先への発信、リダイヤル。
バッテリー残量確認など、音声でも操作ができる。
これ以外にもSiriに直接話しかけることもできるのですが、さすがに運転中にそこまでの調べ物もないので、今のところは使う予定はない。

運転中に電話に出られることは安心感が高い。
そんなに頻繁に電話がかかって来るわけではありませんが、電話を逃さず受けることができるのは、自分にとっても相手にとっても、やっぱり良いことだと思う。特に要介護者を家に置いて出かけることになる私の場合、もしもの時の連絡を受けられることの安心感は何事にも代えられない。

やはり音楽を聴いていると、肝心のR18の鼓動感が薄れてしまう。

これは最初からある程度予想していたことなのですが、インカムのスピーカーで音楽を聴いていると、そちらに集中してしまい、ついエンジンの鼓動感を味わうことを忘れてしまう。
これはヘルメットの違いにも大きな影響を受けており、X-fifteenよりもジェットヘルメットの方が排気音を含めて、鼓動感が強めに伝わってくる。
よくよく考えてみれば、エンジンの振動やノイズ、排気音というものは、運転を阻害する筆頭でもある。
同じBMWでもR1300のエンジンなどは、そうしたものを極力なくすために腐心して開発されているわけで、わざわざそうした阻害要因を楽しむ内燃機関好きが、運転に集中したいと静かなヘルメットを選ぶというのは、実は本末転倒なのかもしれません。
鼓動感は強く感じたいが、疲れるようなノイズは排除したい。
なんて、実は矛盾することを平気で望んでしまうのは、長距離走行性能と、趣味性とを、高い次元で両立してきたBMWに乗り続けているからなのかもしれません。
つい欲張りになってしまうのもBMWの功罪なのかもしれない。

Google Mapの音声ガイドを聞くだけで、孤独感が和らいだりもする。
「グループ通話をしたことがない」という但し書き付きで、私なりの結論を言わせていただければ、ソロツーリストであっても、もしもインカムに興味があるのであれば、持っておいても損はないと思いました。
Google Mapの音声ガイドを聞くだけで、ツーリング中にフと感じる孤独感のようなものが和らいだりすることを初めて知りました。今度はGoogle AIと会話を楽しんでみるのも楽しそう。とか、ソロでもインカムの使い方に拡張性があると感じました。
それとやはり、価格が高いモデルには高いなりの理由があることは言わずもがな。
本来なくても済むモノこそ、品質の高さが使う理由を左右すると私は思います。
ソロツーリストであれば、上位機種を選ぶか、いっそ買わないかの二択がベストだと思います。

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