フルカーボンコンポジットポール Black Diamond HELIO CARBON Ski Pole

長らくこちらをご覧になっている方々は、これも「さもありなん」と思われることでしょう。
っていうか、私自身がそう思っている。
ただそこには、知れば知るほど欲しくなるモノと、説明不要で欲しくなるモノと二通りある。
一体そこにどんな違いがあるのか、ほとんどの方には分からないと思う(知りたくもないとも思うだろう)が、せっかくなので説明させていただく。

新素材や加工技術の進化に加え、CADや3Dプリンターなどの開発技術の進化などによって、これまでは手の届かなかった痒いトコロに手の届いた新機軸のアイデア商品や、これまで目の届く場所にありながらも、私の経験不足によってその優位性に気づけなかったモノなど、新たに、そして後からその存在の特別さに気づけたモノ。
そして、問答無用に私の琴線にダイレクトに響いてくるモノ。
大きく言って、私の財布の紐を緩めるにはこうした二通りのモノ語りがある。

無駄遣い者の矜持として、言うまでもなく問答無用に私の琴線にダイレクトに響いてくるモノの方に高い価値を感じてしまう。いわゆる“運命”ってやつだ。

今回ご紹介するこちらの『Black Diamond HELIO CARBON Ski Pole』はまさにそんな逸品。
ストラップとスキーバスケット、石突を除くすべての部分が、グリップを含めすべてカーボンファイバーでできている。カーボンファイバーで作る理由は、強度を維持しながらの軽量化に他ならないが、バックカントリー用に限らず、今や当たり前の装備となっている長さ調整の機構すら省かれる徹底ぶり。長さが調整できないということはサイズ展開しないとならないということで、不良債権化のリスクはべらぼうに高まる。そこまでしてこだわり通した事は賞賛に値するが、それにしたってここまでやる必要なんてどこにもない。はっきりと狂っている。
どこぞの新素材フェチか、マッドマーケター、はたまた利益の余った企業の税理士の遊び心なのかは知らないが、こんな馬鹿げたものの製品化にGOサインを出す経営者がいるのだから、この世界もまだまだ捨てたもんじゃない。

そのお値段、なんと¥44,000 (税込)!!!!!!!!!!
そんなもの売れるわけねーじゃん!冷静になって(いや、冷静にならなくとも)考えればそれくらい分かるだろーに。その不条理さ加減に大コーフンしている私ですが、そんな私でも4.4万円の使い道として、スキーポールの優先度は極めて低い。

実は私がこのポールと出会ったのはかれこれ3年前。某スポーツ用品店に陳列されているところで運命の出会いを果たしておりました。そのお店に行けばヨダレを垂らして舐め回すように見入り、フリマサイトで出物を漁る日々が続きましたが、こんなニッチなレアものがおいそれとフリマサイトに出てくるはずもなし。
ただ一度だけ、白馬のアウトドアショップでバーゲン特価で販売されていたところに遭遇したのですが、サイズが合わずに涙を呑んだ。
そうこうするうちに3年が経ち、今年も店内がスキー用品に模様替えされるタイミングでお店を覗くと、

ななななんと!¥28,000円に値下げされているではありませんか!

それでもまだ高いと思われるかも知れませんが、イマドキの高性能なスキーポールなら¥25,000は下らない。
しかも、ポイント10%還元!いたって通常の価格だ!
と言うわけで一も二もなく購入決定。3年という時を経て手に入れることが叶った。

なんて馬鹿馬鹿しいまでに美しいんだ!
もう使い勝手がどうとか語ることに全く意味などない。
限界まで無駄を省くために無駄の塊になるという最大級の自己矛盾がとってもカオス。

私は今のところ現場でポールを折ったことは無いが、ポールが折れたり壊れたりすることなんて日常茶飯事。
それでも私は床間に飾っておくなんてこと絶対にしない。
壊すまで使い倒す所存。でも、置いておいて盗まれたりしたらかなり落ち込むだろうなあ。
って、誰も欲しがりゃしないか。

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